[67]香港緊迫

6月29日朝、ロイター通信は次のように伝えています。


香港で国家安全維持法案に反対するデモ、少なくとも53人逮捕


[香港 28日 ロイター]

香港の九龍地区で28日、中国で審議中の香港国家安全維持法案に反対する「沈黙のデモ」が行われ、数百人がジョーダン(佐敦)からモンコック(旺角)まで行進した。

デモはおおむね平和的に行われたが、一部ではデモ隊と警官隊との間で小競り合いが起き、警察が催涙スプレーでデモの排除に動く場面もあった。警察当局は、少なくとも53人を逮捕したと発表した。

中国が成立を目指す香港国家安全維持法案を巡っては、1997年の香港返還時に約束された高度な自治が損なわれるとして、香港の民主活動家や一部の外国政府が警戒感を強めている。

香港では返還記念日の7月1日に毎年、大規模なデモが行われるが、香港の警察当局は今年は、新型コロナウイルス感染予防のため大規模な集会が禁止されていることを理由に、デモの許可を出さなかった。

中国国営の新華社によると、中国の国会に相当する全国人民代表大会全人代)常務委員会は28日、香港国家安全維持法案の審議を行った。

以上


 中国全人代常務委員会は30日にも香港版治安維持法というべき国家安全維持法を成立させ、香港行政府は7月1日にも施行する構えです。

 厳しい弾圧の中で28日にデモが行われ、53名が逮捕されたといいます。安全維持法案が施行されるとデモ参加者は中国国内と同様の弾圧を受ける可能性が高まります。昨年春以降、粘り強くたたかわれた逃亡犯条例制定反対の香港の運動はいま、中国と香港行政府が一体化した弾圧の前に試練に立たされています。

闘いを民主化運動の延長線上で従来と同じデモの形態でたたかうと中国の公安当局に壊されてしまう恐れがあると思います。中国政府との闘いをいかに、と構えを新たにつくらなければならないことを香港の労働者、学生、知識人は十分にわかっていると思います。

労働組合、学生団体、市民団体は組織的に連帯し、香港(=中国)資本家階級のコロナ対策に名を借りた弾圧をはねかえすために、今、闘いに備えていると思います。