[76](投稿)SARS‐CoV‐2抗体陽性者0.1%はなぜ? ペンギンドクターより その1

ペンギンドクターから

皆様

 早いものでいよいよ7月に突入しました。今年も半年が過ぎたわけですが、コロナに振り回されたあっという間の半年です。

 東京の新型コロナウイルス感染が増加しています。政府も言っていますが、PCR検査の陽性者の増加はPCR検査自体の増加のせいだというのは、一理あると思います。今までCOVID‐19感染の患者が増えると入院設備が足りなくなる、医療崩壊を招くという理由で、PCR検査の施行を抑制していた、あるいは実際に厚労省にはPCR検査をする機器の余裕がなかったことで、PCR検査陽性患者が少なかったということです。政治的には、厚労省は検査機器の不足、陽性患者を隔離する病棟など、医療体制の不備を「隠す」形にしたい思惑があった。そこでいわば阿吽の呼吸で日本感染症学会も追随し、「軽症にはPCR検査不要だ」と唱えていたわけですが、民間の機器の利用を積極的に進めることで、PCR検査施行が増加した。当然新型コロナウイルス感染者数は増加しますということです。

 以上が、私の憶測を交えた現在の東京の感染者数の増加であり、当然のことであり、驚くことではないと言えます。しかし、私の疑問は「ではなぜ、SARSCoV‐2の抗体陽性者数が少ないのだろう」です。一万人程度の検査数からの結果ですが、様々な要素を組み込んだうえでの、サンプル選択でしょうから、東京の抗体陽性者の割合は、「0.1%」であり、「99.9%」はSARSCoV‐2の抗体陰性であるという結論は決してサンプル数の不足のせいではない、正しいと言っていいでしょう。

 さて、私自身の予測では、抗体検査をすれば、COVID‐19感染は表に出ている10倍以上いや100倍近くはいるはずと考えていました。死者が少ないのは別の理由があるでしょうが、中国からの旅行者制限をしていない1月2月に全国的にCOVID‐19感染は急増していたはずだと思っていたのです。国立感染症研究所は、「日本で3月以降に広がったCOVID‐19感染のSARSCoV‐2はヨーロッパ経由のものであり、武漢などの中国からのウイルスではない。日本の当初のクラスター対策が功を奏したのだ」と少数のウイルス分析で結論していましたが、それに対する批判もありました。いろいろな情報を列挙すると、混乱しますから、このへんでやめますが、要するに、私は1月2月には中国人旅行者から新型コロナウイルスは持ち込まれて、日本では広く感染していた、PCR検査を制限していたから、それが表に出ていなかったと考えていたのです。

 転送する下記の情報からみても、SARSCoV‐2というウイルスは感染力が強く、無症状の感染者も感染力があるということですから、日本のようないい加減な水際作戦が有効なわけがありません。

 では、なぜ抗体検査が陰性なのか、疑問です。その答えを以下の転送する論文のあとに述べます。
つづく

管理人から
「ペンギンドクターより」 [77]その2、[78]その3 を 読んでください。