[127](投稿)黒い雨 国は強硬に控訴する

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◆◆◆ 黒い雨放射能浴び悩むわれ
◆◆◆ 黒い雨目に見えぬだけなお重く


 安倍政権は、被爆者を限定的にしか保証しない腹である。
 福島原発事故を見れば、そのことが良く分かる。どの政権も、電力会社の肩を持つ政策しかしない。
 急性放射能障害は、諸症状がはっきりしているが、後から出てくる「隠れた・後年に出てくる」遅発性の放射線障害は、心身の不調をきわめて長期的に経過を見なければ、放射線障害によるものか、年齢的に生じたのか分からないことが多い病状を呈します。これは、本人が「黒い雨を浴びた…」等の放射線を浴びる可能性のあった実体験の証言や爆心地からの距離や遮蔽物の有無などなどを勘案し、『疑わしきは本人の利益』になるように斟酌(しんしゃく)すべきだと考えます。

官邸・国家・安倍は、二枚舌で、

①一方で「科学的根拠」を盾に取り、裁判を長引かせて、救済策の金を惜しむ策。
②他方で、援護対策区域を広げるという策である。本音は、もちろん①で、税金は、例によって「オトモダチ」の懐に入る策である。

 新型コロナの時代、ワクチン開発が各国で競争し急がれているが、ロシアのプーチンは急ぎすぎて、長期的な副作用例がどのくらいあるのか等の科学的検証の定型的な手順を省略する構えで、日本の「Go To キャンペーン」と同じく、前のめり・見切り発車で、ワクチン接種をやると言われています。これこそ、「放射能の遅発性障害」と同じことがワクチンで生じるのではないかと危惧されます。

 福島の原発事故以降、もともと住まわれたお家に戻られた方は極めて少ないと思います。国民・労働者が、政府の言う「科学」や「政策」を信じていない証左ではないでしょうか?
 「黒い雨」で、障害を受けた方も、直接被ばくされた方も、世間の非難が怖くて「放射能を浴びた」と言い出せなかった。「言えば、忌避される」恐怖があった人々が極めて多くいらっしゃったと思います。現政府は、そのような方たちが「時間をかければ生存しなくなる」という、またもや「意図的な愚策・失策」を選んだのです。このような政府をだれが支持するでしょうか?
 「科学」といえば、「万能・水戸黄門の印籠」と思ってくれる「愚民」が多いと思っていることでしょうが、コロナ禍の時代に、支持率低下をみれば多くの国民・労働者は「科学」という「錦の御旗」は通じないことは明白です。安倍の「政策」にもダメ出ししています。
 「原発安全神話」も崩れ去り、今日の「コロナ対策」も「脆(もろく)崩壊」の憂き目にあっています。「経済優先策」も「感染増加の加速を招いただけ」です。

井伏鱒二氏の『黒い雨』をお読みになりませんか? 文庫本であります。この小説を読めば、「黒い雨」の人々に与えた「放射能」の強い影響が良く分かります。

 話は変わりますが、コロナ禍でも、「エッセンシャル・ワーカー」と呼ばれる人が忌避され、【自粛警察】に非難され、白眼視される傾向が強まっているため、そういうことが生じないようにしてほしいと思います。
 
 ところで「そのようなお仕事」とは、どのようなものでしょうか?
 ネットで調べてみました。

 『代表的な例として挙げられることが多いのが、医師や看護師、薬剤師、介護士などの医療・介護従事者です。新型コロナウイルス感染者のみならず、医療や介護を必要とする方にとって、必要不可欠な存在です。私たちの命と健康を守ってくれている存在ですからイメージしやすいのではないでしょうか。
 また、宅配便の配達員や運送業者・郵便局員などの流通に従事する人、スーパーやドラッグストアなどの小売業に従事する人、公共交通機関で働く人、電気やガス・水道・通信などインフラ業に従事する人、消防員や警察官、公務員などもエッセンシャルワーカーです』とあります。
 どの職業も必要不可欠です。上記に加えて、農業や水産業…なども欠かせない職業です。

 また、「放射能」の問題に戻ります。米国では「アトミック・ソルジャー」と呼ばれる人たちがいます。原爆実験場に近いところで、原爆投下後に戦場に出て戦えるかに関して、精神的・身体的な影響を受ける度合いなどを調べるために、原爆・水爆実験に立ち会わされた兵隊さんです。後に、放射線障害による後遺症を患った方も多数おられます。

 また、退役軍人病院で何らかの病を治している元軍人のベッドの下に、「微量の放射線を発生する放射能物質」を秘密裏に置かれて、微量の放射線障害が引き起こす病を研究する実験台にされた方を描いたルボルタージュを読んだことがあります。これは、今現在の「黒い雨」を浴びた方たちの「モデルケース」だと思います。得られた「科学的データー」は秘匿されていると思いますが、すでに、米国等の原爆保有国では、データーは保持していると思います。

今回の「黒い雨」の裁判で、国が控訴するなら、そして「科学的データーに基づいて」というなら、福島原発の後遺症の「甲状腺腫大」や「甲状腺の機能」、「白血病の発生頻度」や「そのほかの癌の発生状況」等をしっかりした科学データーに基づいて、公開して裁判にも適応すればよいと思います。土の中、水の中、森林の中、ごみの中、空間の放射線量を年次ごとの放射線量と場所ごと放射線量と、それが人々に与えた影響を、しっかりした「科学的データー」として提示すべきです。そして、二度とこのようなことが(原爆投下・原発事故と放射能拡散事故)起きないようにしていかなくてはならないと思います。

読者の皆さま方はどのように思われますでしょうか? 
   

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