[146]経済危機、増加する解雇・雇い止め

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解雇・雇い止め


 新型コロナ感染症の拡がりは雇用に大きな影響を与えています。なお感染症が広がり続ける中で日本をはじめ世界の経済危機は深まり、各国の資本家・経営者は労働者を解雇したり、賃金カットすることによって危機をのりきろうとしています。

 「会社に『契約は終わった』と言われ、今は生活保護。要らなくなればすぐ捨てるのでしょうか。」と愛知県の自動車部品会社で雇い止めされ労働組合に入ってたたかっている女性労働者が語っています。「要らなくなって捨てられる」労働者は増え続けています。

 政府の雇用統計によれば、新型コロナ危機のなかで解雇、雇い止めされた労働者は5万人を超えました。7月に非正規労働者は2043万人となり、前年同月比131万人の減となり、派遣労働者は前年同月比16万人減り比較できる2014年以来最大の落ち込みになりました。また今年6月と比べ17万人減り、125万人となりました。派遣労働者は12%が減ったのです。このうちほとんどの労働者が経済危機の犠牲にされたと推断できます。

 新型コロナによる解雇や雇い止めは8月31日時点で5万326人と発表されています。政府が把握できるだけで6月以降解雇・雇い止めをうけた労働者は月に1万人のペースで増えています。業種では製造業が最も多く宿泊業、飲食業も多くなっています。

 製造業が最も多いというところにコロナ危機の特質が示されていると言わざるをえません。資本主義的生産活動が停滞し、資本家・経営者が労働者の首切りをはじめているという現実があらわになっているのです。労働者を雇用して働かせて商品をつくってももうからなくなっているのです。それは資本主義の危機を意味しているのです。先の自動車部品会社は部品をつくっても売れないか、売れてももうからないので減産しているのです。


4-6月期企業統計 売り上げ、利益減


 売り上げは前年同期比17.7%減、経常利益は46.6%減。同期のGDPの一次速報は前年比27.8減の戦後最悪でしたが、2時速報ではさらにマイナス幅は1.0~0.5ポイント上昇する可能性があるといわれています。調査対象は資本金1千万円以上の国内3万2千社余りの企業です。明らかに不況です。新型コロナ感染症にたいして企業は生産活動の縮小をもって対応しました。労働者、個人経営者の犠牲は大きく、生活苦が広がり深まりました。流通、消費も萎縮し経済活動全体が悪循環に陥ったのです。なおそれはおさまっていません。

 生産活動の萎縮現象は負のスパイラルとなって広がっていくことになるでしょう。その過程は資本家階級による労働者階級にたいする犠牲の転嫁の過程とされるのです。

 私たちはそれを黙って見過ごすわけにはいきません。

 安倍首相は政権を投げ出してしまいました。病気の再発がきっかけになったのだとしても、新型コロナ危機に対応不能になり、逃げたのです。資本家・経営者の解雇・雇い止めに見ぬふりをしてそれを支えてきました。安倍政権の厚労相加藤は、雇用は維持されているとつい先日までは語っていたのです。
 反対運動によって政権を倒したのではなく、安倍が政権を投げだしたのです。小生、忸怩たる思いです。後継政権は安倍路線の継承政権となってしまいます。

 いま労働組合がしっかりしなければなりませんが、野党の再編をめぐってもたついています。

次回のブログに続きます。