[158](投稿)核ゴミ処分場寿都案は政策の延命のため?

廃船
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以下は 北海道新聞デジタル版の社説です。
核ごみ処分問題 本質的な議論が必要だ
09/07 07:05 更新
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 原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定を巡り、国の文献調査応募を検討する後志管内寿都町で、きょうから町民説明会が始まる。

 核のごみは、使用済み燃料を再利用するため、プルトニウムを取り出す過程で生じる。国の核燃料サイクル政策がすべての前提だ。

 だが、その政策は破綻している。プルトニウムを大量消費する高速増殖原型炉もんじゅ廃炉となり、混合酸化物(MOX)燃料として利用するプルサーマル発電も導入が進んでいない。

 本来は、今後も核燃料サイクルを掲げるかという原子力政策のあり方を議論しなければならない。

 多額の交付金や調査途中に中止が可能かに関心が移れば、問題の本質を見誤る。国や道も含め大局的な議論を展開すべきだ。

 町民説明会は15日まで7回開く。片岡春雄町長は町内団体の意見も踏まえ最終判断するという。

 核のごみは放射能の極めて強い廃液だ。安全とされるレベルまで下がるのに10万年かかるとされ、ガラスと混ぜ固めた円柱形のガラス固化体として処理する。

 国は2000年、これを地下300メートルより深くに埋める「地層処分」することを法律で定めた。

 日本学術会議は12年に「千年以上先まで安全に保管可能かは現段階では予測できない」と見直しを求めた。ごみが際限なく増えぬよう上限を定めることも提言した。

 使用済み燃料は国内に計約1万8千トン分ある。暫定保管しながら稼働する原発を減らし、処分技術開発を図る選択肢もあるはずだ。

 気になるのは、この時期に処分場選定が持ち上がったことだ。

 約3年ごとに見直されるエネルギー基本計画は来年改定期を迎える。現計画は「核燃料サイクル政策の推進」をうたいながら「処分地選定調査に着手できていない」という事実を認めていた。

 寿都町が応募を検討するだけで、政策の延命を図ることができる。片岡町長は最終段階の精密調査まで「個人的にはいくべきだ」と話すが、期間は20年間に及ぶ。

 鈴木直道知事は4日の梶山弘志経済産業相との会談で「選定にかかる話は、国が主体となるのが望ましい」と求めたが、梶山氏からは具体的な言及はなかった。

 手続き論も大切だ。だが、こだわり過ぎると核心から外れる。

 再生可能エネルギーの主力電源化を図る中で、原子力政策をどう見直すか。将来展望も見据えた国民的議論こそが必要だろう。



※※※

原子力政策の在り方を見直すのが先です。原発を全面的に停止しなければ、いつまでも「核のごみ」は生産され、捨て場に困っていくだけです。

 今なぜ捨て場が急に浮上してきたのかは、ここに書かれている『約3年ごとに見直されるエネルギー基本計画は来年改定期を迎える。現計画は「核燃料サイクル政策の推進」をうたいながら「処分地選定調査に着手できていない」という事実を認めていた。』という事情で、『寿都町が応募を検討するだけで、政策の延命を図ることができる』という発想から生まれた産物です。そこに、「お金を集めるのがうまい人物」と評される「片岡寿都町長」が、自らから手を挙げたか、誰かに「推挙」されたかまでは分かりませんが、「核の高レベル廃棄物」の受け入れに手を挙げることになったと推測されます。

町長は、先のことは「若い人に任せる」などと、「無責任極まる」言辞を吐いています。そんな簡単な問題ではないはずです。この寿都町に住めなくなる人が出てきたら、お金は何になるというのでしょうか?残った人でお金を分け合って、住み慣れた町の外に「豪邸を立てて暮らす」とでもいうのでしょうか?

 原発の稼働政策がある限り、核のごみの産生は止まりません。原発の稼働に反対し、核のごみの埋め立て廃棄を中止することが、根本的な糸口になることは間違いないと思います。

 読者の皆様はどのようにお考えでしょうか?



 ◆◆◆ 核物質作らないこと第一に

  

      松尾馬生(まつおばしょう) 作


 批評禍 骨川筋衛門