[180](投稿)核ゴミ処分場、金で誘う政府

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① 核ごみ候補地「数十に」 鈴木知事、梶山経産相に要望

 鈴木直道知事が、原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定を巡る4日の梶山弘志経済産業相との会談で、国が事前に本格調査を行うべき候補地を数十程度の市町村に絞り込むべきだと要望したことが17日、道や経産省への取材で分かった。巨額の交付金を提示して市町村の立候補を募る国の手法は、住民の合意形成が得られないうちに市町村の応募を誘発し、地域の分断を招きかねないとして、手続き見直しを求めたものだ。
 4日の会談は後志管内寿都町が処分場選定の第1段階に当たる文献調査(約2年)への応募を検討していることを巡って行われた。
 関係者によると、知事は、文献調査は市町村の応募によらずとも国が主体的に行うことが可能で、国の責任で全国的な文献調査を進めて候補地を数十程度の市町村に絞り込むよう主張した。絞り込んだ候補地の中から、第2段階の概要調査(約4年)に進む市町村を選定することを念頭に、国に手続き見直しを求めたとみられるが、梶山氏は具体的に返答しなかったという。
 経済産業資源エネルギー庁は取材に「事前の絞り込みは相当な時間がかかる」と慎重な姿勢を示した。
 国は2017年、核のごみの最終処分場について、活断層の有無や輸送の利便性から沿岸を中心に国土の約3割を「最適地」とする「科学的マップ」を公表。一定の面積の「最適地」を含む市町村は全国で900余り(道内86)に上る。
 国は文献調査で20億円、概要調査で70億円の交付金を提示して市町村の立候補を募っているが、これまで応募したのは07年の高知県東洋町(直後に撤回)の1例にとどまっている。


核ごみ請願「検討慎重に」  継続審議の神恵内村議会
09/17 23:05 更新
 【神恵内】後志管内神恵内村の定例村議会(定数8)本会議で17日、原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定に向けた文献調査を巡り、村商工会が村の応募検討を求めた請願が継続審議となったことを受け、伊藤公尚議長と高橋昌幸村長が同日、記者会見を村役場で開いた。伊藤議長は請願の取り扱いについて、住民の意向も聞きながら慎重に検討を続ける方針を示した。
 伊藤議長は会見で、16日の総務経済委員会では全会一致で請願の継続審議が決まったと明らかにした上で「自分は(採決に)前のめりだったが、今後は慎重に意見を聞きたい」と話した。17日中に国と原子力発電環境整備機構(NUMO)に対し、住民説明会の開催を要請するとも説明。委員会では、説明会に応募に否定的な識者も招くかが議論されたが、「混乱を招きかねず、呼ぶべきではない」との結論に落ち着いたという。

  今後の審議の進め方については「説明会などで民意を把握し、最終的には議会で判断する」と強調。鈴木直道知事から、核のごみを「受け入れ難い」とした道の核抜き条例の順守を求められたことについては、知事に文献調査を止める権限がないことを前提に「文献調査までは(村)が自由に決めたい」と述べた。

 高橋村長は、応募に関する自身の見解は議会の審議後に明らかにすると説明。「議会の結論は重く受け止め、尊重する」と話した。

 定例会は同日、①請願の継続審議②国とNUMOに対し、最終処分について議会に説明するよう求めること③国とNUMOに対し、住民説明会の開催を求めることの3点を決め、閉会。継続審議になった理由は村民への周知不足などで、説明会などを経た後に改めて採択の是非を検討する。説明会は村内4地区での開催を想定している。


寿都町の説明会 財政の厳しさ訴え 磯谷地区で2回目

寿都】後志管内寿都町は17日、同町磯谷地区で、高レベル放射能性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定に向けた文献調査への応募検討に関する2回目の住民説明会を開いた。片岡町長は超財政の見通しの厳しさについて説明し、交付金を得られる応募への理解を求めた。

 説明会は非公開で、地区外の1人を含む住民17人が出席した。終了後、片岡町長は北海道新聞の取材に「町の財政状況が分かっていない人もいる」とし、今後、財政状況の説明会を町内各地区で行う意向を示した。

 磯谷地区では7日に1回目の説明会を開催。地区外の住民が質問を重ね、磯谷地区の住民が十分に質問できなかったとして、町に再開催を求めていた。


④ 知事「応募ドミノ」懸念 核ごみ候補地絞り込み要望

 鈴木直道知事が核のごみの最終処分場選定問題で、本格的な調査を行う候補地を数十程度の市町村に絞り込むよう国に求めたのは、市町村が巨額の交付金狙いで相次いで調査に手を挙げる「応募ドミノ」を懸念したためだ。

 知事は4日の梶山弘志経済産業相との会談で、巨額の交付金で市町村の応募を待つ手法について「冷静な議論ができるのか」と問題提起し、国が車体的に文献調査を進め、候補地を絞り込むよう訴えた。2007年に文献調査に応募しながら町を二分する対立に発展し、応募を撤回した高知県東洋町の例が念頭にある。

 知事は8月中旬、後志管内寿都町で応募検討の動きが表面化した当初から、交付金は応募ドミノを誘発すると心配していた。それが的中するように梶山氏との会談から1週間後には同管内神恵内村でも同様の動きが判明。両町村とも人口減少などへの不安が背景にあるが、道庁内では単に交付金目当ての「モラルハザード(倫理観の欠如)」を招くとの警戒感が強まった。

 ただ、知事の提案は、国が地方の同意なく、処分場選定の動きを加速させることにつながりかねない。

 一方、資源エネルギー庁は、処分場選定の調査に関心を示す経済団体などは全国に80あるとみる。だが、関心度には「濃淡」(幹部)があり、仮にこれら団体がある自治体から候補地を絞り込んでも地域で反発が出る可能性もあり、国は知事の提案には慎重だ。

 国は寿都、神恵内と続いた道内の動きが全国的に応募検討の呼び水になると期待する。この好機を逃さないため、自ら前面に出て地域の世論をいたずらに刺激するのは避け、あくまで市町村の「主体性」を促す姿勢に徹するとみられる。


※※※ 石川木鐸 コメント


 「国は寿都、神恵内と続いた道内の動きが全国的に応募検討の呼び水になると期待する。この好機を逃さないため、自ら前面に出て地域の世論をいたずらに刺激するのは避け、あくまで市町村の「主体性」を促す姿勢に徹するとみられる。」という国の策略に反対する読者の皆様、原発の再稼働反対・原発の廃棄を求める方々、高レベル放射性廃棄物(核のごみ)を「埋葬」することに反対する方々が一緒になって、当面の寿都町神恵内村の文献調査応募に反対していく運動を連帯しながら、多くの読者の皆様、労働者・人民の方々と共に、国の原発核燃料サイクルに反対する運動をもっと広げていこうではありませんか!!