[189](投稿)住民説明会、容認が相次ぐ中、「僕たちの未来に関わる。時間をかけて話し合ってほしい」と神恵内村・小学生発言

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①核ごみ調査に容認相次ぐ 神恵内で住民説明会 村の応募現実味
09/27 05:00

 神恵内村の住民向けに核のごみの処分事業について説明する経済産業省資源エネルギー庁の吉村一元氏(左)ら=26日午後6時30分、神恵内村漁村センター(中川明紀撮影)
 【神恵内】経済産業省資源エネルギー庁原子力発電環境整備機構(NUMO)は26日、原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定に向けた調査応募の動きが出ている後志管内神恵内村で初の住民説明会を行った。質疑では住民から応募に理解を示す声が相次ぎ、高橋昌幸村長は傍聴後、「村民も一定の理解はしたのかなと思う」と記者団に述べた。残り4回の住民説明会でも容認論が相次げば、村は第1段階の文献調査の応募に動きだすとみられる。

 国と処分事業の主体となるNUMOが、調査への応募の動きが出ている自治体で住民説明会を行うのは、国が2017年に核のごみの地層処分の適地を示した科学的特性マップを公表して以降初めて。人口約820人の15%に当たる住民131人が参加した。

 村議の中でも「手ごたえがあった」(本間俊介・村議会総務経済委員長)と住民の理解が広まったとの認識が強まっている。高橋村長は、議会や住民の意向を尊重すると尊重するとしており、村議会が10月中にも応募を採択すれば、応募の是非の判断に踏み切るとみられる。

 説明会ではエネ庁の吉村一元資源エネルギー政策統括調整官、NUMO地域交流部の富森卓専門部長、同技術部の山田基幸部長が処分場建設地の選定手続きや核のごみの地層処分地層処分の安全性について説明した。

 質疑では住民11人が質問し、北海道電力泊原発(後志管内泊村)の立地自治体の一つとして国の交付金の恩恵を受けてきたことなどを理由に5人が「応募すべきだ」「応募してもよい」と容認する意見を述べた。国側は調査を受け入れた自治体について「全力でサポートし、交付金でしっかり貢献したい」と強調した。

 一方、安全性を疑問視する声や風評被害を懸念する意見も出た。国側は風評被害をなくし取り組みを徹底し、地域振興に努める姿勢を強調した。

 国とNUMOは25日には村議会向けの説明会を行った。住民説明会は残り4回を27~30日に行う。村議会は10月2日の総務経済委員会で商工会の請願の取り扱いを審議する。(内藤景太、久慈陽太郎)


② 核ごみ議論「早すぎる」 神恵内説明会

 【神恵内】経済産業省資源エネルギー庁と、原発の高レベル放射性廃棄の処分事業の主体となる

 原子力発電環境整備機構(NUMO)が26日、後志管内神恵内村で開いた初の住民説明会には131人が出席した。「本当に安全なのか」と応募に反対する意見が冒頭に出たものの、隣接地に北海道電力泊原発(後志管内泊村)がある原発自治原発立地自治体として「調査まではやむを得ない」などと応募を容認する意見が目立った。

 
 「説明はきれいなことばかり。危険なことはなにもないというが本当にそうなのか」。質問に立った男性の懸念に対し、NUMOの担当者は「リスクはいろいろあり、安全性の追求には終わりはない」と説明。使用済み核燃料を再処理して猛毒のプルトニウムなどを取り除いたとされる核のごみ、ガラス固化体について、「プルトニウムも若干含まれる」と回答。「ただ、量が少ないので核分裂して爆発することはない」と答えた。また、神恵内村には海底活断層もあるため、担当者は文献調査で「原子力規制委員会による泊原発の審査資料も対象にする」と説明し、理解を求めた。

 ただ、別の男性は「この説明会だけでは、リスクがあるかないか判断ができない。村議会にはリスクの部分を十分に説明してほしい」と求めた。

 終了後、参加した小学生は「村長は『子供は神恵内の宝だ』といつも言っていている。子供が嫌がる核のごみを持ってこようとするのは矛盾している」と話し「僕たちの未来に関わる。時間をかけて話し合ってほしい」。

 一方、参加者からは「人口が減っており、将来を考える文献調査までは一つの選択」と応募を容認する意見も相次いだ。

 説明資料では、海外の処分場予定地で約900人の雇用が創出されるとした事例も紹介。出席者からは文献調査に応募後、NUMOの事務所の設置や、職員が村に住み、住民登録するのかという質問も出た。NUMOの担当者は「調査地域に事務所を構える。文献調査はできるだけ多くの地点でやりたいため、すぐに全職員が移るわけではないが、処分場の設置が決まれば、160人以上いる職員の大部分はこちらに来る」と強調した。

 村内の観光施設で働く60代女性は「これまで原発関連の交付金をもらってきた村の立場上、絶対反対というわけではない」としつつ、「何もかもが早すぎる。準備が良すぎて村民がついていけない」と戸惑う。

 家族で参加した男性は「賛成の声が多くてびっくりした。もう流れができてしまっている。あれでは反対意見を言いづらい雰囲気だ」と語った。(山田一輝、川内大地)


③スピード決着狙う 賛成派村議

 説明会場では、村商工会から出された文献調査への村の応募検討を求める請願を審議している村議たちも質疑を見守った。

 「理解している人はいるんだなと感じた」村商工会長の上田道博村議は、説明会後そう語った。伊藤公尚議長は「住民からこうした(肯定的な意見を聞けたのは幸せ」と語った。

 ただ、村民や議員向けの説明会は、村議会が国やNUMOに要請してから、1週間ほどで開かれた。ある村議は「絵を描いていたと思う。あまりにも段取りが良すぎる。(賛成派は)スピードも重視していると思う」とみる。

 村議の賛成派が議論を急ぐのは、時間をかけることで、村内の反対意見が広がることを懸念するためだ。別な村議は「時間がかかるといろんな意見、反対派がくるのを一番嫌がっている」と明かした(久慈陽太郎、山田一輝)


④「失敗」回避へ低姿勢 NUMO(原子力発電環境整備機構)

 経済産業省資源エネルギー庁とNUMOは神恵内村の住民説明会の冒頭、予定していた45分の間の質疑について、「質問があれば延長する」と低姿勢に徹した。質疑応答の序盤には、文献調査応募に反対する住民の再質問を遮ろうとした司会者を制し、「ぜひ、ぶつけていただければありがたい」と質問を促す場面もあった。

 風評被害への対応でも「いわれのない中傷で、そうでないんだと広く全国で知ってもらう取り組みを徹底する」と強調し、観光PRなど地域振興に力を入れる姿勢も前面に出した。

 低姿勢に徹するのは、高知県東洋町が調査に応募しながら住人の反対で撤回を余儀なくされた2007年の「失敗例」があるだけに、地域の反対世論を刺激したくないとの思いがある。

 応募検討に名乗りを上げた後志管内寿都町が住民の反対世論に直面する中、続いた神恵内北海道電力泊原発(後志管内泊村)が立地する自治体の一つとして国の交付金の恩恵も受け「小さな村で、表だった反対世論を聞かない」(エネ庁幹部)との期待感もある。

 神恵内村を調査応募に導けば、寿都町など他市町村の呼び水になる可能性もあり、30日までのころ4会場で開く説明会でも慎重に対応する考えだ。(内山岳志)



※※※ 骨川筋衛門のコメント

 以上の4つの北海道新聞の記事で、第1回目の神恵内村の「住民説明会」の様子が良く分かります。

 国やNUMOは、いかに「高レベル放射性廃棄物」を地層の下に「早くお棺に入れて埋葬したいか」も良く分かります。原発の怖いほどに増えている核の廃棄物は、ガラス固化体として作り、金属で被覆して、さらに「粘土」のようなものでさらに覆(おお)って、地下300メートルに埋葬しないと、各原発に余りある核の高レベル放射性廃棄物が溜まりに溜まって、置き場もないくらいになって困っているからです。

 ガラス固化体にしてさらに被いを増やして棺を作っても、その近くにいると、たった20秒で致死してしまう強烈な放射能を発するのが、高レベル放射性廃棄物です。


 「ウラルの核惨事」というのをご存じでしょうか? まだ、核の廃棄物が一定以上集積すると「重大な核爆発」を生じるということが分からかった1957年のソ連で起こった核爆発事故で、これまでの3つの核の大事故の中に数えられています。(チェルノブイリ原発事故、福島の原発事故、ウラルの核惨事)


以下に「ウラルの核惨事」のアドレスをお示しいたします。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%83%A9%E3%83%AB%E6%A0%B8%E6%83%A8%E4%BA%8B


ウラル核惨事 - Wikipedia
ウラル核惨事における核施設. キシュテム事故により汚染された地域(東ウラル‭). ウラル核惨事(ウラルかくさんじ、ロシア語: Кыштымская авария )は、1957年 9月29日、ソビエト連邦 ウラル地方 チェリャビンスク州 マヤーク核技術施設で発生した原子力事故(爆発事故)。
ja.wikipedia.org

さらに、

 以下のアドレスからこれまでの核の大惨事の事故ご覧ください。これには、上記に書かれた福島の原発事故は入っていませんが、チェルノブイリの事故やスリーマイルなどなどの事故などともくらべ、よく読んでいただければ、「核のごみ」といえど、ばかにしているとひどい目にあいます。

http://www.nuketext.org/kids/accident/accident1.html

原子力の事故1 - nuketext.org
 原子力発電所などに大きな事故がおきたら、わたしたちの命や生活はどうなるでしょうか? 人体や生物の命に害をあたえる放射線放射性物質が環境にまきちらされます( 図1 )。
www.nuketext.org
 お金は、大事だと思います。でも、命と引き換えにしても良いのでしょうか?一時の雇用も生まれますが、仕事が終われば、監視作業だけが残るだけです。一時金は村に入り、今現在のコロナ禍で、一時金は調査金から住民の方にも配布されると思いますが、子々孫々は村に残ってくれるでしょうか?お嫁さん、お婿さんは来てくれるでしょうか?人口減少は止まるでしょうか?
 村の繁栄は、このようなお金だけで永続するのでしょうか?
 小学生の姿が目に浮かびました。参加した小学生は「村長は『子供は神恵内の宝だ』といつも言っている。子供が嫌がっている核のごみを持ってこようとするのは矛盾している」と話し「僕たちの未来に関わる。時間をかけて話し合ってほしい」と。この小学生の子供の要望に応えるために大人たちはもっと「核のごみ」の怖さを正しく恐れることが必要だと思います。

 また、物事の進み方に疑問を呈する村議さんがいます。水面下で、計画が練られていたと考えてもおかしくないことです。高知県東洋町の教訓を生かして、計画が破綻しないように秘密裏にしたい理由があり、良く練ってから実行された、初手の「説明会」です。
 
読者の皆様、労働者、人民の皆様、北海道の片隅のことではなく、わがこととして考えてみて下さいませんか!!