[193](投稿)揺れる町

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核のごみで揺れる町 高まる不満、町長は意欲変わらず

伊沢健司

2020年9月29日 20時51分

 「核のごみ(原発から出る高レベル放射性廃棄物)」の最終処分場を巡り、国の選定プロセスへの応募に前向きな町長と反対派住民が対立している北海道寿都(すっつ)町で29日、国の担当者が初めて出席した説明会があった。片岡春雄町長は終了後、報道陣の取材に、町議会全員協議会が開かれる10月8日に応募の判断をするか問われ「希望としたらそういう流れになってほしい」と意欲を示した。

 核ごみ処分場、突然応募を表明した寿都町 その訳とは?
寿都町長の「住民軽視」に町民反発 核ごみ処分場問題
 
 これに対し、反対派は町民の署名を集め、町長の姿勢が「住民軽視だ」としてリコール(解職請求)も視野に入れている。

 寿都町では8月中旬、片岡町長が国の処分場選定プロセスへの応募検討を表明。片岡町長は核のごみの議論に「一石を投じる」とし、3段階ある選定プロセスの第1段階の「文献調査」への応募を検討していると明かした。2年の調査期間で最大20億円の交付金が得られることも理由に挙げた。

寿都町の住民説明会、運営混乱 専門的質問に答えられず
 
 突然の表明に町内では戸惑いが広がった。町は9月上~中旬にかけ各地で住民説明会を開いたが、多くが参加した10日の説明会では反対意見が続出。専門的な質問に町長は答えられず、住民の不満が高まった。

 こうした事情から、29日の説明会には経済産業省資源エネルギー庁原子力発電環境整備機構(NUMO)の担当者が町の要請で出席。処分場の安定性などについて説明した。

町の人口の4分の1の署名を集めても…
 
 エネ庁放射性廃棄物対策課の那須良課長が、3段階ある選定プロセスの第1段階の「文献調査」(2年、交付金最大20億円)だけでは処分場の選定に直結しないと強調。第2段階の「概要調査」、第3段階の「精密調査」へ進む際は「知事及び市町村長の意見を聴き、これを十分に尊重」すると定めた法律を紹介し、「意見に反して進むことはない」と説明した。

 会場からは「国に都合のいいように法律、解釈を変えたりするのは絶対にないのか」「住民が嫌だと言っているでしょう。どれだけ嫌だという声を出せばいいのか」といった疑問や批判が相次いだ。

「バッシング覚悟」「国は喜ぶ」北海道寿都町長は語る
 
 このほか、町の担当者が、町の財政状況について説明し、新型コロナウイルスの影響で税収減が見込まれることを説明した。住民からは「町長は町の財政が今にも破綻(はたん)しそうだとして、(文献調査への応募による)交付金が必要だというが、財政危機はどこでも同じでは」との声が出た。片岡町長は「新型コロナウイルスの影響で飲食店や水産加工業で売り上げが減っている。今は国の補正予算で何とかカバーしているが来年度以降はわからない」と厳しい財政状況を強調した。

 また、町商工会の金子光司会長は賛成の立場から「コロナの影響は到底予測がつかない。町の財政の話を聞いて、厳しさを身にしみて感じている。文献調査で20億円、概要調査で70億円。この交付金をつかって産業、教育に使うべきだ」と発言した。

原発近く、処分場を誘致する村 「アレルギー少ない」
 
 寿都町議会では30日、全員協議会が開かれる。住民説明会に出席したエネ庁の担当者が改めて最終処分場や選定プロセスについて説明する。10月5日には、町が地元の産業団体の会員を集めて、文献調査への応募に理解を求める。8日には再び町議会全員協議会が開かれ、今後の対応を議論する。

 片岡町長はこれまで、応募するかどうかについては「議会に諮りたい」としてきた。ただ、反対派が求める住民投票は否定しており、10月中にも応募について判断したい意向だ。今後は議会での議論も焦点になる。

 反対派は町の人口(約2900人)の4分の1を超える800人近い署名を集めたという。にもかかわらず、署名活動などが反映されず、町長の判断で応募が決まりかねないことを問題視し、片岡町長のリコールや住民投票条例の制定請求も視野に入れている。

 北海道では寿都町のほか、同じ後志(しりべし)地域の神恵内(かもえない)村でも応募検討の動きがある。村では商工会の請願を受けて村議会が議論し、やはり国やNUMOが住民説明会を開いている。説明会は30日まで行われ、その後10月2日の村議会委員会で請願を採択するかが議論される。(伊沢健司)


核ごみ調査「透明性高い議論を」 2町村に対し道議会決議へ
09/30 05:00
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 道議会全会派は29日、高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定に関し、後志管内の寿都町神恵内村で応募検討の動きがあることについて、両町村に対し、核のごみを「受け入れ難い」とする道条例の趣旨を踏まえ透明性の高い議論を求める決議を行う方針で一致した。民主・道民連合などが求めた「条例順守」を明確に求める文言は盛り込まない方向。定例道議会最終日の10月2日に決議案を提出、全会一致で可決される見通しだ。

 決議案は「最終処分場を巡る議論は、地域に修復困難な亀裂をもたらすことが懸念される」とし、「(道)条例の趣旨を十分踏まえ、客観的な根拠に基づく冷静な議論が、透明性の高い形で行われることを求める」としている。関係者によると最大会派の自民党・道民会議と、公明党が「条例順守」の明記を受け入れなかった。
                

※※※ 石川木鐸のコメント

①では、推進派の町長側と反対派の意見は割れて、リコールもあり得ると発言している町民の方がいることが分かります。

②では、推進派である自民党公明党はもちろん寿都町でも神恵内村でも、両方でも良いわけで、道の条例に反するということには歯牙にもかけないで「条例順守」を受け入れません。
 煙草を適切に喫することにさえ、抵抗する議員がいるわけで、核のごみであろうが自分の属する党の
意思に背くわけにはいかないということは、考えなくても分かります。

 しかし、「核のごみ=高レベル放射性廃棄物」を受け入れるという「極めて恐ろしい禍根を子々孫々に残すことになる」ことについて、じっくり考えた方が良いと思います。

読者の皆様、労働者・人民の皆様はどのようにお考えになりますか?