[202](投稿)電力総連(全国電力関連産業労働組合総連合)の原子力についての考え方はそれでいいのでしょうか

f:id:new-corona-kiki:20201007060206j:plain
以下は北海道新聞の「読者の声」に投稿された「声」です。それを引用させていただきました。

核ごみ 電力総連は意見を 季節雇用社員 
宮越途希夫 69 (登別市

 『原発から生じる高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場の選定の調査応募を巡る議論では広く賛否の声が上がっています。
 「長崎の鐘」の著者で自身も被爆しながら被爆者治療に尽力した永井隆博士は七十数年前、原子力の平和利用を提唱しました。これからは人類のためにこそ原子力を使ってほしいというものです。
 しかし、遅々として進まない東京電力福島第1原発の事故処理や全国の原発で発生している核のごみを考えると平和利用への道はそう簡単ではないようです。
 電力総連という大きな組織があります。全国の電力産業労働者22万人が結集しています。
放射性物質の扱いを熟知している人たちも多いことでしょう。彼らは今の動きをどう見ているのでしょう。彼らこそ原発を巡る好ましい方向について国や電力会社などにモノを申すべきだと思います。
 労働条件の改善だけが使命ではないはずです。自らの意見を発信し、広範な議論を喚起してほしいと考えます。』

※※※ 骨川筋衛門のコメント

 電力総連の「立場」というべき文言が電力総連のホームページにありましたので、以下の電力総連ホームを見ていただきたいと思います。

電力総連ホーム > 私たちの考え > 原子力

 原子力
九州電力(株)玄海原子力発電所3号機におけるウラン・プルトニウム 混合酸化物燃料の使用に係わる事前了解について (2006.3.26)

 平成18年3月26日、九州電力 (株)玄海原子力発電所3号機のプルサーマル計画に対し、佐賀県玄海町は事前了解書を交付されました。

  電力総連は、
○  我が国は、エネルギー資源の大半を外国に依存している資源小国であり、国民生活、経済活動に欠かすことができないエネルギー資源を将来にわたって安定的に確保することは、極めて重要なこと
○  原子力発電所で使用した核燃料にはウランやプルトニウムといった資源が残っている。核燃料サイクルにより、これを有効に利用することで、将来にわたったエネルギー資源の安定的確保につながるものと考える
○  日本のエネルギー自給率の向上と国際的公約である核不拡散を両立すべく、使用済燃料を再処理し、プルトニウムの平和利用を進めることが不可欠
○  プルトニウム利用は、軽水炉による利用(プルサーマル)と高速増殖炉による利用を進めるべきと考える
との認識のもと、プルサーマル計画を推進してまいりました。

 今回、玄海3号機のプルサーマル計画に対し、地元の事前了解が得られたことは、これは、核燃料サイクルの一環であるプルサーマルの実現に向けた、意義のある一歩と受け止めております。
 電力総連は、これまでどおり労働組合の立場で、原子力発電の安全・安定運転に努めていく所存であります。 


以 上


 現在の玄海原発3号機は定期検査でしばらくは「停止」になっています。
 それは、下記のアドレスから部分的ですが見ていただきたいと思います。
 9月の18日から定期検査で停止しています。4基ある原発の1基のみ稼働中だそうです。
一部の燃料の入れ替えもするようです。

 https://www.asahi.com/articles/ASN9J72DNN9JTIPE009.html

玄海3号機、18日から定期検査 九電の運転原発1基に:朝日新聞デジタル - asahi.com
九州電力は16日、玄海原発3号機(佐賀県)の定期検査に18日から入ると発表した。テロ対策施設の工事の遅れで川内原発1、2号機(鹿児島県)を ...
www.asahi.com

 九州電力の労働者の中には「電力総連」に加入されているかたもいらっしゃると思ます。
 電力総連の考え方は、核の燃料で残っている「資源」であるウランやプルトニウムを取り出して、
核燃料サイクル」により、有効利用しようとしています。
 そして、プルトニウムの「平和利用」を進めるとしています。
 平和利用にするために「軽水炉」による利用(プルサーマル)と「高速増殖炉」による利用を手段としていると書かれています。

注:
プルサーマル とは
使用済燃料から、再処理によって分離されたプルトニウムをウランと混ぜて、混合酸化物燃料「MOX(モックス)燃料」に加工し、これを現在の原子力発電所軽水炉で使用することを「プルサーマル」といいます。
 
 これらの文言を読んで、違和感があるのは、これらは全部、電力会社が書いた「目標あるいは計画」ではないかと思えるものばかりです。
 現在、まだ多くの原発が稼働停止になっています。また、モックス燃料を軽水炉で使うことは、想定されていない原子炉で使うことは危険だという多くの原子力に関わる科学者の見解を無視して、再稼働を認めた国と求めた会社の意見を写し取ったかのかのように書かれていることです。

これが電力総連の今の姿です。
 ここで働いている労働者や周辺住民の方たちのことは毛ほどにも考えられていません。

 このような、国と電力会社の姿勢で、高レベル放射能廃棄物(核のごみ)を廃棄するということを想像するだけでも恐ろしいことです。

 電力総連の姿勢を批判し、①高レベル放射性廃棄物を作らない。② 高レベル放射性廃棄物を脆弱(ぜいじゃく)な地層に「埋葬」しないことが第一です。
 六ケ所村の高レベル放射性廃棄物の「お棺」さえ作れない、六ケ所村の工場は「死んだも同然」いや「死んでいる」わけで、これで、地層処分ができるでしょうか!!
 たとえ、脆弱な「お棺」ができても、壊れ、あるいは自然災害で破壊され、住民の皆さんに高レベル放射性廃棄物が襲いかかることは無視され、目に見えないだけで国・政府は「満足してしまう」にすぎないと思います。
 電力総連に加入されている労働者組合員の皆様、そして全国の労働者の皆様、人民・学生諸君の皆様、高レベル放射性廃棄物の安易な廃棄を、力を合わせて止めましょう!!