[208](投稿)〈安倍=〉菅政権に批判的な学者を排除したことを批判された菅は、学術会議を行革の対象に

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① 首相、学術会議見直す考え 任命拒否 反発受けけん制
10/10 06:40 更新
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 菅義偉首相は9日、内閣記者会のインタビューに答え、日本学術会議の運営や組織の見直しに前向きな考えを示した。河野太郎行政改革担当相が行革の対象として検証すると表明したことを受け、「学術会議の役割に関心が集まっている。これを機会に会議の在り方が良い方向に進むようなら歓迎したい」と述べた。同会議の会員候補6人の任命を拒否した理由については、再び説明を避けた。 
 河野氏は同日の記者会見で、国費で賄う同会議の年間約10億円の予算や約50人の事務局定員を挙げ、「聖域なくしっかり見ていきたい」と強調した。予算執行を点検する「秋の行政レビユー」の対象とし、自民党が設置する同会議の在り方を検討するプロジェクトチームと連携する意向を明らかにした。
 インタビューで首相は、会議側が作成した105人の推薦名簿を「見ていない」と説明し、9月28日に決済した段階で99人だったと主張。一方、会員の任命に当たり「総合的、俯瞰的な活動すなわち広い視野に立ってバランスの取れる活動を行って、国の予算を投じる機関として国民に理解される存在であるべきことを念頭に判断した」とも語った。 
 学者個人の思想信条が影響することは「ない」と述べ、安倍晋三前首相からの引き継はなかったと言及。首相の任命を「形式的」とした1983年の政府答弁と任命拒否の整合性に関し、「解釈変更を行っているものではない」と繰り返した。
 学術会議の見直しが浮上したのは、「学問の自由」への侵害との批判を組織改革の議論でかわし、任命拒否に反発する同会議を牽制する狙いとみられる。首相は同会議の梶田隆会長との面会について「会いたいというのであれば、会う用意がある」と話した。(佐藤養助、吉田夏也)

② 元 会長2氏 拒否は「違法」 

 日本学術会議大西隆、広渡(ひろわたり)清吾両元会長は9日、学術会議が推薦した下院候補6人の任命を菅首相が拒否した問題に関する野党合同ヒアリングに出席し、任命拒否について「法律違反だ」と強く批判した。
 大西氏は2016年の会員の定年に伴う補充人事と、17年の定期人事で首相官邸の関与があったと証言した。日本学術会議法は、会員の推薦を「優れた研究または業績がある科学者」としている。大西氏は「研究業績が唯一の基準。違う基準が適用されたとすれば違法、遺憾だ」と強調した。
 広渡氏は「権限行使が首相の責任だ、というだけでは済まない。首相は国民に説明する必要があると指摘した。16年の補充人事を巡り、大西氏は官邸から途中経過の説明を求められたと説明。空席となる3ポストについて、それぞれ候補を2人ずつ優先順位を付けて説明したところ、官邸側は2ポストについて「(優先順位が)1番ではなく2番の方がいいのでは、と難色を示した」と語った。大西氏によると、理由の説明を求めても官邸側が明らかにしなかったため、会議内の手続きが進まず、補充を断念したという。
 17年定期人事では、改選数105人よりも多い人事案を官邸に提出。多かった数人分を残して人事案通りに任命された。大西氏は「会議の会員に選ばれることは、学問の表現の一つの手段。その機会を奪うことは学問の自由の制約にあたる」と訴えた。広渡氏は11年の3カ月、大西氏は11~17年、それぞれ各術会議会長を務めた。(分基祐)


任命拒否 行革にすり替え 批判回避へ「学術会議再編」
10/10 05:00

 菅義偉首相は日本学術会議の会員候補6人の任命を拒否した問題を巡り、9日のインタビューでも「総合的」「俯瞰(ふかん)的」と曖昧な表現を連発し、判断理由を明らかにしなかった。安全保障法制などに反対したためではないと説明するが、今のところ6人に具体的な問題点は浮かんでいない。
 一方で首相は行政改革による会議の見直しに言及。反発する学者らを抵抗勢力と位置付け、問題を別のテーマにすり替えたい思惑がにじむ。

 「総合的、俯瞰的な活動を確保する観点から、ふさわしいと判断される方を任命してきた」。任命拒否の理由を問われた首相はこう繰り返した。約30分間のインタビューで、首相が「総合的」と用いたのは15回、「俯瞰的」は16回。記者から「国民に分かりづらい」と具体的に語るよう求められたが、「広い視野に立ってバランスの取れる活動を行う」などと曖昧な表現に置き換えただけだった。

  この問題は、なぜ6人が不適格とみなされたのかが最大の焦点だ。同会議は、日本学術会議法に基づき、これまでの研究や業績を判断基準として6人を会長に推薦した。それ以外での不適切な問題は現時点では見つかっていない。共通するのは、安倍政権下の安全保障関連法、特定秘密保護法、「共謀罪」法のいずれかに反対していた点だ。
 首相はインタビューで、判断基準に思想信条に入らないと述べたが、自民党幹部さえ「反政権の姿勢を公然と示した学者を許せなかったからだ」との見方を示す。首相がかたくなに理由を語らなければ、こうした疑念は残り続ける。
 説明の付かない問題が起きると、同じ答弁を繰り返して「議論の平行線」を演出し、ほとぼりの冷めるを待ったり、局面が切り替わるように画策するのは、安倍政権が得意としてきた世論操作の手法だ。
 今回も首相は会議への年間約10億円の予算措置などを挙げ「学術会議は省庁再編の際に相当議論があった」と、組織改革の必要性を発信し始めた。憲法で保障される「学問の自由」に対する政治介入の懸念という問題を、国民の同意を得やすい行革問題にすり替えようとする思惑が指摘される。
 政権の意向に反発する組織を「改革の抵抗勢力」に位置付ける手法は、小泉政権が行った郵政改革も想起させる。改革の対象に名指しされた学術会議の大西隆元会長は9日に出席した野党会合で「学術会議の今の問題と、今後どうあるべきかは違う」と批判した(藤本卓郎、鈴木誠

④官邸 会議への説明拒否 前会長証言 18年補充人事巡り
 日本学術会議が2018年に定年退職を迎えた会員の補充をしようとした人事で、学術会議の候補者案に難色を示した首相官邸に対し、学術会議が理由の説明を求めたが「言う必要はない」と拒否され、再三にわたり面会も断られていたことが9日、分かった。当時会長だった山極寿一前京都大学長が証言した。
 複数の学術会議関係者によると、18年9月に人文・社会科学系と生命科学系の男性会員2人が定年退職。学術会議は推薦する候補者を2人ずつ順位をつけて示したが、官邸は同意せず、人文・社会科学系の順位を入れ替えるよう要求した。
 山極氏は「自ら説明しようと事務局長を通じて、1年くらい何度も求めた」と証言。しかし官邸は「(同意しない理由を)言う必要はない。言わないから来る必要はない」と面会を拒否した。
 山極氏の前任の大西隆氏が会長だった17年の改選時は、105人の定員を上回る候補者リストを官邸に提出した。山極氏は取材に、6人が任命を拒否された今年はそうした対応を取らなかったと話した。その理由は「(官邸側から)文書で正式な要求がなかったと話した。当たり前の対応だ」とした。
 学術会議関係者によると、人事に関する官邸側の意向は口頭で伝えられていたといい、山極氏は「文書だと理由を説明を示さなくてはいけなくなるからだろう」と話した。
                       
 以上は北海道新聞北海道新聞デジタルからの引用です。

※※※ 骨川筋衛門のコメント
 基本的に、「官邸主導の政治」は前政権と変わっていないことが分かります。むしろ、露骨に「官邸主導の政治」色が前面に出てきています。
 誰もが、首相になれば、殊勝な・インパクトの強い?「自分」をアピールしたくもなりますよね。
しかし、もともと、安倍の下支えをしてきた「左遷を旗印にしてきた田舎役者」なので、前政権と変わりがない陳腐な「弱い者いじめ」を繰り返すことから始めました。
 これが、前例に従わない、新味のある「政策」だそうです。しかし、誰もが疑問に思っていることは一つです。どうして、「この6人」が排除されたのかと聞かれても、答えられないことだということです。政治家に学問の優劣が分かるわけがありません。しかも、日本学術会議の秀でた・優れた業績ある人を選ぶという難しい選択を「政治屋風情」にできるわけがありません。官僚でももちろん分からないでしょう。分からないからこそ、日本学術会議の一員たる専門家・研究者が必要なのです。
 これは、菅官邸にとっては「不都合な真実」かもしれませんが。
 だから、「どうしてこの6人」を拒絶したのかを言えないのです。「行政改革の一環としてやる」、「閉鎖的」だからやる、「前例打破」であるとかしか言えない「下のまたその下の下策」というしかありません。「菅官邸にとっての『不都合な真実』」は、もう「バレバレ」ですね。
 これに、「学問の自由」を対置しても始まりません。すでに、菅政権は「独裁政権」だというべき「政権」で、先ずは足元の「清掃」から初めて、派閥で込み合っている「自民党の清掃」までやろうと考えている可能性もあります。
 自分が出ては困ることを、河野太郎行政改革担当相に「行革の対象として検証」させてみるなどの手を駆使して、秀でた学者で、菅政権に同調しない優秀な学者・研究者を、菅が手馴れている手法・処方である「官僚に対するいじめ・左遷」の手管(てくだ)を手始めに使っているのです。
 10億円投入しているから特別公務員というのも、ケチ臭いですね。事務職50人はおそらく常勤ですから、学者・研究者と給与を比較すると、年俸は学者・研究者よりもすっと高いはずです。しかも国際学会などの開催のために、拠出するお金もばかになりません。(ウィキペディアを参照ください)

 本業が学者・研究者である方たちは、在籍する大学や研究所などからの給与で飯を食っているので、日本学術会議からでている「給与」は、僅(わず)かなものです。「職責は重い」けれども、支給される「給与」は「薄給」で、交通費とかで消えてしまうくらいのものです。不足分が出れば「自費」で、手弁当で、各学会の応援や講師などや裏方を務められていると思います。
 実際、ある「教授」にインタビューしてみて分かりましたが、(皆様も、今は大学に行っていない学生さんたちも、身近な『優秀な』教授にインタビューすると分かると思いますが)、日本学術会議に選ばれていなくても、「教授」職等に就くと、同じ領域でもたくさんの学会・研究会があり、到底、そこから支給される諸経費(弁当代・交通費)では、お金は不足してしまい、自費で、ボランティアで学会を支え、指導に当たり、時に演者がいなければ講演まで引き受け、大学では教鞭を取ったり、研究所では後輩の研究者と議論をしたり、論文を書いたり、後輩の論文・研究の指導したりするという多忙な生活を送り、しかも、もちろん家庭にもお金を入れなければならず、一家は成り立たなくなるほど厳しいと聞きました。
 
 養老孟司さんはご存じですよね。彼の著書に、40代になってから結婚されて、お嫁さんが貯金通帳をみて、「東大の先生って、給料が安いのね。貯金もほとんどないのね」と言われたという話が書かれています。
 ーまた、彼は、どうしても性能の良い顕微鏡が欲しくて、今の文科省(昔の文部省)に、これこれの研究に必要なため、〇〇円の■■■顕微鏡が必要なので、購入申請書を出すと、もし、その申請書が通ったとしても、来年度の文科省の予算に組み込まれないと購入されないので、今すぐ研究のために欲しいと思って、自費で百万円以上する顕微鏡を購入したことも書かれていました。今のお金だといくらになるのでしょうね。そのくらい、研究者・学者は恵まれていないのです。

 横道に逸(そ)れましたが、是非、「ウィキペディア」で「日本学術会議」の項と「日本学術会議」のホームページをご覧ください。直近の菅官邸の言っていることの「真偽」のほどが分かります。

 読者の皆様、労働者の皆様、その家族の皆様、学生の皆様、みんなで一致団結して、
菅官邸の『独裁政治』の「始まりの芽を摘むために」、『独裁政治』に反対していきましょう!!

 このブログの投稿【207】の小生の下記のコメントを参照していただければ幸いです。⇩
[207](投稿)「学問の自由」という標語だけでは学者諸氏の自由は守れない