[209](投稿)入念に準備された二つの核ゴミ処分場候補

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①   
神恵内 核ごみ調査受諾 
  国からの申し入れに
 
【神恵内内、寿都経済産業省は9日、原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定に向けた文献調査の実施を後志管内神恵内村に申し入れた。高橋昌幸村長は同省幹部から申し入れ書を受け取った後に記者会見し、「調査を受ける」と正式に表明した。近く受諾書を同省に提出する。一方、同管内寿都町の片岡春雄町長は9日、処分事業を行う原子力発電環境整備機構(NUMO(ニューモ)、東京)を訪れ、文献調査の応募書を提出した。

 寿都は応募書提出
 
 国の同村への申し入れ書は梶山弘志経産相名で、「最終処分は、原子力発電の賛否にかかわらず、必ず解決しなければならない重要な課題だ」とし、村議会が文献調査受け入れを求める村商工会の請願を採択したことを踏まえて調査実施を申し入れるとした。

 高橋村長は村議会議員に受諾の意向を伝えた後の記者会見し、北海道電力泊原子力発電所の立地自治体に(4町村)の一つであることに触れ、「原発政策に密接に関わってきたという思いが村民にはある」と受諾の理由を説明した。国の交付金は産業振興や福祉、教育などに使うとした。11日に4地区で住民説明会を開く。

 片岡町長は文献調査の応募書をNUMOの近藤駿介理事長に提出した後、経産省に出向いて梶山経産相に応募したことを伝えた。

 町長は報告後、記者団の取材に、国とNUMOが調査の進捗状況の報告や交付金を使った地域振興策の検討のために呼びかけている「対話の場」を年内に設置すると述べた。その上で「人口が減って厳しい状況の中、産業をどう活性化していくかが一番大事な話だ」と、交付金の使い道の検討を急ぐ考えを示した。対話の場は国の政策や処分事業について学ぶ場にもなり、地元の産業団体や住民の代表者、町議、有識者らで構成する見通しだ。

 NUMOは近く、寿都町神恵内村での文献調査の実施を盛り込んだ事業計画の変更を国に申請する。経産省の認可を経て全国初の調査は年内にも始まる。処分場選定に向けた第一段階に当たる文献調査は約2年の予定で、受け入れ市町村にはそれぞれ最大20億円の交付金が支給される。



核ごみ「大義」強調の2首長 住民、賛同と懸念
10/10 01:30 更新
 【神恵内、寿都原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定に向けた文献調査が全国で初めて実施される見通しとなった後志管内寿都町神恵内村。両町村長は9日、それぞれ記者会見などで国の原発政策に協力することの「大義」を改めて強調した。ただ、地元ではその発言を額面通りに受け取る住民ばかりではなく、注文や批判の声も漏れる。

 「泊原発と歩んできた。村民にはほかの地域とは違う思いがある」。神恵内村の高橋昌幸村長は調査受諾を正式に表明した村役場での記者会見で、北海道電力泊原子力発電所(同管内泊村)から約15キロしか離れていない「原発立地自治体」として調査に協力するとの考えを強調した。

 元漁協の職員だった下出芳明さん(74)は、「泊原発で働く村民は多く、貴重な雇用の場になっている」と村長に賛同。「文献調査が始まれば国の職員や研究者の来訪が増えるかも」と期待した。

 だが、70代女性は「原発で地域が潤ってきたのは事実だが、全国にはほかにも立地自治体はある。『なぜ神恵内なのか』という疑念は晴れない」と指摘する。

 村長は風評被害への対応も含めて「最終的な責任はすべて私にある」と述べたが、元漁師の松館勝始さん(88)は「風評被害は止められるものではない。周辺のまちにも悪影響を与えるのにどうたいしょするのか」と疑問を呈した。

 一方、寿都町の片岡町長は梶山経産相との会談後、記者団に町内が賛否で割れたことへの対応を問われ、「ラグビーで言ったらノーサイド」と強調し、賛成派と反対派の和解を呼びかけた。

 だが、町内の主婦は(59)「スポーツと同じとは思えない。賛成と反対の住民はそう簡単に握手できないのに、自分の決断を満足げに話す様子を見て情けなくなった」と話した。無職大滝登さん(78)も「勝者の論理で『もう次に進むんだからいいでしょう、賛成反対は議論するな』ということかと感じた。ラグビーに失礼だ」と批判しつつ、「調査が始まり以上、賛成派はより深く学ぶべきだし、反対派も疑問点や不安を訴え続ける必要がある。ここが終わりではない」と強調した。


③ 
核のごみどこへ 2町村 国と共同歩調 
神恵内 受け身演出 批判かわす

 経産省神恵内村に対し原発から出る核のごみの最終処分場選定に向けた文献調査を申し入れた9日。
 記者会見した高橋村長は受諾を表明しつつ、「国の申し入れのことは、あまり考えていなかった。議会の議決を尊重する立場だった」 国とは関係なく、村は独自に応募の是非を検討してきたー。こう説明した村長だが、実際は国と村が調査に向け、道筋を「あうんの呼吸でで整えてきた。

 村議会が本会議で文献調査への応募を求める請願を採択したのは8日。村長は議会の判断を「尊重」すると強調しつつ、応募の表明は見送った。そして9日、経産省幹部が間髪を入れず、村役場を訪れて調査実施を申し入れ、国の要請を受ける形で調査に進む流れができあがった。

 申し入れ書の受け渡しにかかった時間はわずか5分。経産省幹部は、「村議会の請願を踏まえた」と説明したが、同省は調査実施の見込みの確認作業も採択前日の7日までに終え、村側に足並みを揃えた。

 「核燃料サイクルを完結させる必要がある」「交付金は20億円と言われているが、そんなに重要視していない」。高橋村長は会見でこう強調し、北海道電力泊原発自治体(4町村)の一つとして、核のごみに向き合う責任感にも言及した。

 ただ商工会が応募を求める請願を提出し、村議会の採択を受け、国が、調査に実施を申し入れるーという一連のプロセスの中で、村長は、寿都町長とは対照的に受け身の姿勢を取り続けた。

 脳裏には2007年に文献調査に応募しながら住民の反対で撤回した高知県東洋町の例があった。

 「東洋町の町長は辞任に追い込まれた。国が必要性を訴えるべきで、自分からやるという話ではない」。昨秋、高橋村長は周囲にこう漏らしていた。

 村長をよく知る後志管内の首長経験者は「高橋さんは数年前、最終処分場を誘致したいと話していた」と明かす。核のごみ処分場誘致は村商工会有志らの10数年前からの悲願だった。ただ国策である以上、実現への負担は国に背負って欲しいー。調査受け入れが決まるまでの1か月間弱、全面に出なかった姿勢はそんな思いが見え隠れする。

 「手を挙げる方式は自治体の負担が非常に大きい。(国が)申し入れをしっかりやるのが基本だ」。

 経産省幹部が9日、村役場で語った言葉は、まさに高橋村長の意向通りだった。


④ 
寿都 「貸し」狙う

 片岡町長が8日に文献調査への応募を表明した寿都町もまた、国と歩調を合わせてきた。

 「お会いしたかった」。

 自ら上京し、9日に梶山経産相に応募を伝えた町長は開口一番こう述べ、経産省との連携強化に意欲をにじませた。念頭にあるのは、新たな財源として期待する洋上風力発電施設の実現だ。

 町内には11基の風力発電施設があるが、新たに導入することを目指す洋上風力発電で国の「有望な区域」に指定されれば、より高い価格での売電が可能になる。

 「国に貸しを作ろう」「対価としていただくものはいただく」。8月に非公開で町議会全員協議会でも、町長は本音を赤裸々に語った。最終処分場選定を巡る議論に一石を投じれば国は必ず感謝する。町民の反発を押し切り、応募を急いだ背景にはこうした読みもあった。

 特定放射性廃棄物最終処分法が2000年に施行されて以降、調査に応募したのは07年の東洋町のみ。国や原子力発電環境整備機構(NUMO)には「2町村で同時に調査が始まれば、他の自治体も応募しやすくなる」(関係者)と期待感がある。

 特に神恵内村に対して行った国による「申し入れ」方式は、東洋町の失敗を踏まえ、「上から目線」(関係者)の対応を改善する狙いで15年に新たに導入された手続で、経産省幹部は「応募と申し入れの両方でノウハウを蓄積できる意義は大きい」と語った。



核ごみ調査 申し入れ方式を積極活用 経産省方針
10/10 05:00
 
【神恵内】小沢典明経済産業省首席エネルギー・地域政策統括調整官は9日、核のごみの最終処分場選定を巡り、住民の理解が進んだとみなした市町村に国が文献調査を申し入れる方式を今後、積極的に取り入れる考えを示した。後志管内神恵内村に調査を申し入れた後、記者団に答えた。

 市町村が自ら応募する「手挙げ方式」の場合、住民の賛否が割れて混乱するなど「自治体の負担が非常に大きい」として「申し入れをしっかりやっていくのが基本だ」と説明した。一方、同管内寿都町が自ら応募したことについて「町長は手を挙げたい意向が強かった」と述べ、首長の意向などによって二つの方式を使い分け、調査地追加につなげたいとの考えを示した。

 以上は北海道新聞北海道新聞デジタルからの引用です



※※※ 石川木鐸(ぼくたく)のコメント

 10月9日の北海道新聞では、「寿都核ごみ応募表明」と「神恵内きょう受諾」の見出しで、寿都神恵内村の動きと、経産省と関連機構のNUMOの動きが「年内にも調査開始」と書かれ、NUMOは、「2カ月後認可見通し」とも書かれていました。

 また、「核ごみ マチ分断懸念」「進めば進むほど溝」「交付金『一時的に潤うだけ』」ともあり、「周辺首長 困惑広がる:蚊帳の外・説明ない・断層帯ある」という記事も掲載されていました。

 同時に、「道民」にたいしては、「北海道全体に風評被害が広がる」という不安を生み出しています。

 極めて迅速に「文献調査」を受け入れるように要請するとともに経産省とNUMOの素早い受け入れと行動は、推測していたように、水面下ですでに「核のごみの地層処分」を国が受け入れる準備をしていたからですね。

 特に神恵内村に対して行った国による「申し入れ」方式は、「東洋町の失敗を踏まえ、『上から目線』(関係者)の対応を改善する狙いで15年に新たに導入された手続」により、より素早く水面下で、「高レベル放射能廃棄物」という、「近づけば20秒で死に導く冥府の魔王」を受け入れ安くさせる前提も作っていました。神話で「プルトニウム」は、まさに「冥府の王」と呼ばれるものです。日本では「閻魔大王」ですね。地獄の王様です。

 受け入れ側も、住民投票をやらず、住民の選択の余地をなくして、議会や商工会という「おえらいさん・商売をして雇用する社長さんたち」で作っている「秘密のサークル」だけで、話を進めなければ、このように迅速に事は運ばないということも、経産省の「教訓」として得たことでしょうね。

 しかし、おそらく、拙速な判断と行動は、福島原発放射能の影響を受けている人たち、日本中の原発を抱えている人たちにも「反面教師としての教訓」を与えたことでしょうね。

 「国の政策」を「信じない」という傾向を「教訓」として与えたことになりますね。

 

 話は別稿にしたいと思いますが、「日本学術会議」の「解体と再編成」を狙っている菅のやり方は、まさに「上から目線」で、「権力をもって口を封じる」下策ですね。

 多くの種々の分野の優れた才能を持っている人々を、自分の「下僕」と扱う、あるいは「魔女狩り」をする「野蛮な統領」の「スガオ」を見たことになります。早く分かって良かったかもしれません。

 騙(だま)されないように、正しく五感を研ぎ澄ましましょう。

 国の諸政策にも、原発や核の廃棄物にも鋭く目を配りながら、研究し、対策を考えましょう。

 このような事は、一人だけではできません。

 読者の皆様、労働者の皆様・その家族の皆様、学生の皆様、一致団結して、

 国の悪策・下策を批判し、跳ね返そうではありませんか!!