[219](投稿)全漁連、汚染水放出に強い反対

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 汚染水放出「壊滅的に」 全漁連 農水相に強い反対

① 全国漁業協同組合連合会(全漁連)の岸宏会長は16日、農林水産省内で野上農林水産省内で農水相と会談し、東京電力福島第1原発の汚染水の海洋放出に強い反対の姿勢を示した。
 岸氏は「風評被害の発生は必至。漁業に壊滅的な影響を与える恐れがあり反対だ」と強調。しかし、政府は月内にも海洋放出を決定する方針を固めており、漁業関係者の懸念は押し切られた格好だ。
 野上農水相は「風評を懸念されるのは当然」と全漁連の立場に一定の理解を示した。その上で、「復興に向けた漁業者の努力を妨げないことを最優先に、処理方法や風評対策被害対策を検討すべきだ」と述べ、全漁連の意向を関係省庁と共有する考えを伝えた。

② 汚染水の放出 韓国は「注視」
 韓国外務省当局者は16日、東京電力福島第1原発で汚染水を浄化した後の処理水に関し、日本政府が海洋放出をする方針を固めたとの一部報道について「国民の健康と安全保護を最優先に、日本側の汚染水処分に関する活動を注視する」との立場を示した。
 同当局者は「日本側は処理法をまだ決めていないと理解している」と指摘。これまでに日本側に「透明な情報共有と国際社会との意思疎通(の必要性)を強調し、周辺環境と人体への影響を最優先に考慮するよう要求してきた」と説明した。
 韓国メディアも強い関心を示し、YTNテレビは「(放出が決まれば)周辺国の非難や日本の漁業団体の反発は不可避とみられる」と報道。聯合ニューステレビも「韓国と中国をはじめ、周辺国の反発も予想され、日本政府の最終方針が注目される」を伝えた。

③ 核のごみどこへ 浜が壊れてしまう怖さ
 全道の漁協や道漁連は、後志管内寿都町神恵内村原発からでる高レベル放射性廃棄物(核のごみ
)の最終処分場選定に向けた文献調査に応じることに反対してきた。
 一番の理由は2011年の東京電力福島第一原発事故だ。風評被害が生じ、10年たった今も解決されておらず、日本の水産物を輸入しない国もある。北海道の漁業者は、消費者が思う以上に原子力に対するアレルギーを持っている。それに対する国の明快な答えはない。
 ただ、文献調査に応じるかは地域で結論を出す仕組みだ。寿都や神恵内にも漁業者がいる。地域にはそれぞれの経済があり、漁業の在り方も違う。地域として苦渋の決断をしたのであれば、その意見は大事にしなければいけない。
 一方で、全道の漁業者に不信感と不安感があることは間違いない。今の段階で風評被害は少ないと思うが、消費者は安全・安心を第一に選ぶ。そこにマイナス要因が生まれるなら、反対と言わざるを得ない。
 風評被害は本当に怖い。原発事故後、水産物は値段が下がる、売れないーと影響が全国に広がった。こんなことが何年も続いたら浜は壊れてしまう。福島の漁協は、いまだ復活していない。そういう危険が隣り合わせにあることはやってもらいたくない。
 国が原発事故で起きた問題を一つずつ解決しない限り、不安は消えない。福島ンタンクにたまり続けている処理水も、当時から海洋放出の話があり、全国の漁業者が反対したが、まさか10年近くたって同じ話が出てくるとは思わなかった。
 核のごみを地中に埋める処分方法についても、地下水の問題が絡む。ただ、核のごみをどうするかの検討や、科学的に研究する施設は必要で、自然に影響を及ぼさない処分方法が開発されることを願っている。
 北海道電力泊原発は安全を確保できれば再稼働するのだろうが、その根拠をつまびらかに説明する必要がある。水産物の加工にもエネルギーは不可欠で、再稼働には反対ではないが、風力や太陽光発電などにシフトしていくことも重要だ。
 核のごみ問題も、一人一人がそれぞれの立場で最良と思う決断をするしかない。今後も反対ありきではなく、浜を一つにまとめながら、われわれも原子力問題を勉強しないといけない。(聞き手・麻植文佳)
 
④  原子力ムラの思いはー
原子力ムラの思いは」というタイトルで、「原発は必要 揺らがない」という原発推進者と「安全神話の『わな』に」というタイトルで語る2人を対比的に書かれている「スコープ」という欄があります。

 原発稼働はしなければならないと、北海道大学の名誉教授(原子力工学)奈良林直(ただし)氏は今も言います。(2020・10・17の北海道新聞
 「温暖化で人が住めない地球にするより安全性を高めて原発を使うべきだ」…「飛行機だって何機も墜落してたくさんの人が死んでいる事故の教訓をきちんと組み込んだ対策を取ればいいのです」と言う。
 原発が稼働しなかったけれど、日本の電力は賄われてきていました。温暖化は、原発を稼働させるときにも、たくさんの石油製品を使い、その製品を作る過程で電気を使い、石油製品のごみを廃棄するときにも二酸化炭素をだします。二酸化炭素は、世界の林をつぶして建物を作ったりして二酸化炭素を利用してくれる森林を消滅させる、同じく、森林火災で二酸化炭素を増やし、二酸化炭素の吸収量を顕著に減少させています。
しています。車を、重機を使い石油(ガソリンの類)を燃やし二酸化炭素を排出します。汚染水で人類の生存を脅かすことと飛行機事故とを同じ平面に並べて、原発も飛行機も「対策」すれば、「大丈夫」ということを平気で言える「異常な信念」には、「恐れ入る」しかありません。怒りを通り越して唖然とします。
 もう、一人は、11年に「原発推進者の無念」という書を出した「元日本原子力発電理事で当時は日本原子力産業協会の参事だった」北村俊郎氏(75)は、事故直後から長期の避難生活を余儀なくされた。「まさかメルトダウン炉心溶融)が起きるなんて思いもしなかった。自分自身、安全神話にどっぷりつかっていた」、「無念です」と。「国の支援という名の国民負担のもとに結束しないとやっていけない、シマウマの群れのようなもの。いずれ行き詰まるでしょう」と言う。

 また、事故当時の原子力委員会で委員長代理を務めた長崎大核兵器廃絶研究センター教授の鈴木達二治郎さん(69)は「原子力ムラの感覚は全くずれている。被災者の立場に立てば、原発なんて本当にどうしても必要でない限りは動かしたくないと思うはずだ」と話した。
 原子力の専門家ながら原発に反対し続けた元・京大原子炉実験所助教小出裕章さん(71)は、「私自身、原子力にかかわった人間として福島の事故に責任がある。今も原発推進に旗を振り続ける人は、私に言わせれば犯罪者です」と語った。(本文を、意味を変えないようにしながら、引用させていただきました。石川木鐸


以上は、2020・10・17の北海道新聞からの引用です。

※※※ 石川木鐸(ぼくたく)のコメント

 (全漁連)の岸宏会長が、「風評被害の発生は必至。漁業に壊滅的な影響を与える恐れがあり反対だ」という主張で、「東京電力副島第1原発の汚染水の海洋放出に強い反対の姿勢を示した」けれども、農林水産省(と背後にいる政府)に、「処理方法や風評対策被害対策を検討」するからと押し切られ、早ければ今月にも海洋放出される懸念が生じています。
 「風評被害」と言いますが、実際は、人間を含めたあらゆる「自然界」に、多大なる影響を与えると考えます。一応、国が出している資料では、日本では(国によって異なりますので)、1人の人が1年間に、宇宙から浴びる放射線、地面から浴びる放射線、食物から取り入れてて浴びる放射線は、合計2.1ミリシーベルト(これは、国の資料です。資料の種類、年代、誰が主体となって作成したかによって異なります。私見では年間1ミリシーベルトだった資料をかつて見ています。(ウランを取るため採掘していた「人形峠」の資料にもそう書かれています)。
 各原発から排出される2次冷却水から漏れ出る放射性汚染水等は、海洋に不断に流されています。
 誰にも政府は、言いませんが。
 原発が海の傍に作られたり、川の傍に作られるのは、原発内で使う水を核反応でできる熱を利用して沸騰させ、その沸騰水を次の2次的装置の中の熱交換器にある水を沸かし、その2次沸騰水でタービンを稼働させて電気を生み出すわけなのだからです。
 原発で電気を作るとき、沸騰水に含まれる核物質の放射線が配管を劣化させ、配管にピンホールを多数生み出し、そこから漏水した水に放射性物質が含まれ溜まります。それを排除するために、各原発では海底に長い管を敷設し、そこから放射性物質を含んだ汚染水を海水の中に投棄していました。同様のことが世界の原発で生じているわけです。
 ですから、かつては人が自然界から受ける放射能線量が1ミリシーベルト/年であったのが、現在では2.1ミリシーベルト/年に上限を高くすることをしなければならなくなったと推定しています。

 2次的に使った湯が冷えるとまた再利用し、1次沸騰湯で冷えた2次水を再度熱交換器で沸騰させてに再びタービンを回す構造になっています。2次的な水も放射能を持ち始め、それで配管にピンホールができ、そこから水漏れします。それが溜まると海や川に流します。汚染水はずっと原発ができてからの産物です。それは原発に携わってきた人たち・原子力ムラの「秘密」でした。今は、秘密にはできないので、議論になっていますが、ともかくも海水で薄めるとか、空中に蒸発させ、薄めて地上に散布する蛮行だけはやめて欲しいものです。

読者の皆様、労働者の皆様、ご家族の皆様、学生諸君はどのようにお考えですか。
一致団結して、この蛮行や原発稼働や核のごみの地下埋葬に反対していきませんか!!

 

放射能を多く蓄えた食べ物やウランがある人形峠(にんぎょうとうげ)(これについては、以下のアドレスでご覧ください。http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/Ningyo-toge/KankyouD.html