[222](投稿)「政権批判の人は困る」と杉田官房副長官

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杉田氏、任命拒否深く関与 :安保法、特定秘密保護法を推進 

① 学術会議問題 野党、違法性や首相説明を疑問視  

 菅首相日本学術会議の会員候補6人の任命を拒否した問題を巡り、官僚トップの杉田和博官房副長官が深く関与してきた実態が浮かび上がった。6人を除外する人事案の作成は杉田氏が担った可能性が強まり、野党は首相が推薦に基づき会員を任命するとした日本学術会議法に反していると批判。杉田氏は安全保障関連法や特定秘密保護法などに深く関わってきただけに、これらに反対した6人の会員候補を除外したわけでないと主張する首相の説明を疑問視する声も強まっている。
 「首相が一人が一人チェックしていたわけでなく、事務方に任せていた」。加藤勝信官房長官は13日の記者会見で、学術会議の会員の人選について「最終的には首相が決裁し、決めている」としながらも、事務方に原案作りを委ねていたことを明らかにした。
 杉田氏は警察庁で主に公安・警備畑を歩み、内閣の情報機関である内閣情報調査室(内調)のトップや内閣危機管理監を務めた。第2次安倍政権発足以来、官房副長官として官邸主導の官邸運営を下支えし、警察、内調時代に培った情報収集力で菅氏の信頼を得た。
 政府関係者によると、杉田氏が学術会議の会員選びに関与し始めたのは2014年ごろ。17年には官邸の窓口として交代会員105名を決める際、学術会議に定員より多い候補の名簿を出すように要求した。
 今年の改選では、官邸側が定員を上回る候補者リストの提出を求めたのに対し、学術会議が「事前協議に応じなかった」として介入を強めた。杉田氏は推薦された105人のうち、複数人を除外する案を固め、決裁文書を起案する前に首相に口頭で伝えたという。
 候補の氏名などは伝えなかったとされ、首相が推薦者名簿を十分に吟味せずに提案を受け入れた場合、推薦に基づき首相が会員を任命するとした日本学術会議法7条に反することになりかねない。立憲民主党枝野幸男代表は13日の党会合で「首相が判断しないで、他の人が判断したということになれば適法性が疑われる」と指摘した。
 杉田氏は安倍政権下で安保法や「共謀罪」法などの制定に深く関わった。13日の野党ヒアリングでは「政権は安保法などに学者がすごい反対したので学術会議に手を突っ込みたかったんだろう」と批判の声が上がった。首相が9日のインタビューで、会員の任命の是非について思想信条は関係ないと述べた発言にも疑念の声が出ている。
 立憲民主党福山哲郎幹事長は13日の記者会見で「首相や官房長官が説明すればするほど泥沼に入りこんでいる。杉田氏には国会に出てきて、説明する必要がある」と指摘した。

② 杉田氏「政権批判の人は困る」
 
 日本学術会議に関する野党合同ヒアリングが13日、国会内で行われ、前川喜平元文部科学事務次官が出席した。前川氏は次官時代の2016年に文科省の審議会の委員候補を杉田和博官房副長官に提示した際、「こういう政権を批判するような人物を入れては困る」として、一部候補の差し替えを指示されたことを明らかにした。
 前川氏によると、問題視されたのは文化功労者を選ぶ文化功労者選考分科会の委員候補のうち2人、1人は安全保障関連法に批判的だったという。杉田氏から「官邸に持ってくる前にちゃんチェックすべきだ」と指摘され、2人を差し替えて了解を得た。
 文科省人事課によると、分科会委員は、文科相閣議に報告し、閣議了解で決まる。官邸への報告は慣例で行っていたといい、前川氏は杉田氏の対応に違法性はないとする一方で、「学術会議の場合はれっきとした法律があり、推薦されたものを任命しないのは原則許されない」と批判した。

                        以上は北海道新聞2020・10・14から引用しました。

※※※ 骨川筋衛門のコメント
 
 「日本学術会議」問題は、安倍政権の時から始まっていて、今回は菅の裏に杉田が実働部隊として調査と排除を進言していたということが分かり、人物採用の可否基準は「政府の方針に反している発言や行動をしているか否か」ということであり、菅や加藤の「逃げの説明・変転する説明」の「真実」が確証されたということですね。
 杉田は、いわば「麻薬取り締まり犬」で、官邸にとっては「重宝されていた」と言うことですが、極めて優秀な学者揃いの「日本学術学会」を敵に回した安倍や菅谷や杉田などは、安易に、学術会員が屈服すると思っていたのでしょうね。
 しかし、学術会議の会員の矜持をきちんと持ち、知恵者が多くいる会であり、安倍に難癖をつけられた時には、候補者を入れ代えず「欠員」にして「抵抗した」ということが分からなかったのでしょうね。前川氏が言っていた「菅も安倍も法学部なのに、教室で居眠りでもしていたのでしょう」と言う意味のことを言われるくらいしか、「日本学術学会」に関する「法律」の適用を知らなかったのでしょうね。もちろん杉田も。知っていたとしても、「無視する」ことを、もとより「本分」としているのでしょうね。
 このような人物たちが国家の「首相」であり、「官房長」や「官房副長官」では、先行きが暗いですね。まさに「過ぎたるは猶(なお)及ばざるが如し」で、やりすぎた杉田は、「杉田(すぎた)るはなお及ばざるがごとし」となりましたね。これからの官邸の面々、とりわけ菅はどうするのでしょうね。
 もちろん、「反省」などはしません。「反省だけなら猿でもできる」というCMもありましたね。「ちょっと、しくじったけれど~~」、これからどうするかを考えているでしょうね。でも、「法に背くことだとは、毛ほどにもおもっていなかったな~~」、あるいは「ここまで大ごとになるとは思ってもみなかった」とか、「学者・研究者はここまで反撃に出るとは…」というところでしょうか。「独裁者」気分もここまでで終わりにした方が良いでしょうね。

 話は変わりますが、14日の新聞の片隅に「国民のために働く」というキャッチコピーの自民党・菅のポスターが出ていました。印刷所が文章を間違えたかと思いました。「自分のために国民が働く」というのが「本音」だったと思いますが。

 読者の皆様、労働者の皆様、ご家族の皆様、学生の皆様、日本学術会議の力強い抵抗をわがものとして、人を踏みつけたり、派遣労働者の首切りを見過ごしたり、高レベル放射性廃棄物(核のごみ)を私たちに押し付けたり、原発の再稼働を許したりする独裁政権の政策に対して、一致団結して、反対の声を上げて行きませんか!!