[223](投稿)寿都町長は住民投票を拒んだ

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① 核ごみ住民投票 応募前に民意の把握を
 高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定を巡り、第1段階の文献調査へ応募する後志管内寿都町で、町民グループがその是非を問う住民投票条例の制定を求める署名を町に提出した。
 片岡春雄町長はきょうの町議会全員協議会で、議員の過半数が賛成することを踏まえ、応募を表明する見通しだ。文献調査前の住民投票の実施は、不要との考えを示している。
 町民グループは「賛否の過半数住民投票でしか分からない。応募の強行は許されない」と訴えている。地域の将来に重大な影響を及ぼす問題だけに、町が開いた住民説明会では反対論が続出した。
 町長は応募の前に民意を把握しなければならない。そのうえで最終判断するべきだ。
 町民グループはきのう、有権者の50分の1(51人)以上にあたる214人分の署名を集め、条例制定を請求した。地方自治法では請求を受理すると、首長は条例案を提案すると定めている。
 町民グループは、町議会にも制定を求める請願を出した。審議開始は数週間後とみられる。
 町内の民意を正確に把握するためには、条例を制定し、住民投票を実施するのが有効だろう。町長は少なくともその結果が出るまでは判断すべきではない。
 自治体の政策判断に民意を反映させる補完手段として、住民投票がある。首長の判断に異論がある場合、各地で実施されている。
 新潟県巻町(現新潟市)で1996年、原発建設の是非を問うた際は反対が多数を占め、東北電力の計画凍結につながった。
 片岡町長は当初、文献調査について「51%が反対すれば断念する」と述べていた。ところが今月に入ると「肌感覚では過半数の賛成を得られている」と述べ、応募にかじを切った。
 首長の「肌感覚」で民意を測り、意思決定できるなら、議会も条例も不要となり、地方自治は独裁化する。
 鈴木直道知事はきのう、同管内神恵内村で高橋昌幸村長と会談し、核のごみを「受け入れ難い」とする道条例の趣旨を踏まえ、文献調査に応募しないよう求めた。
 村長はきょうにも、応募を表明する意向を固めているとみられ、物別れに終わった。
 知事は町長に対しても同様の考えを伝えている。  
 両町村長は地元の利害だけでなく、北海道全体の影響を考慮した意見にも耳を傾けるべきだ。

②北海道 滝上町でも 核のごみの最終処分場についての勉強会が開かれていた
 いわゆる“核のごみ”最終処分場選定について、寿都町神恵内村のほかに、北海道オホーツクの滝上町でも勉強会が開かれていことが分かりました。
(勉強会を開催した代表 中津一夫さん)「滝上の地盤の安全性が科学的に証明してくれるのであれば、そして核なしでやってくれれば話を聞きたいということで」勉強会ではNUMO原子力発電環境整備機構の担当者を招いて、処分場選定に向けた文献調査の段取りなどの説明を受けたということです。
 国が示した「科学的特性マップ」では滝上町は内陸部にあり「輸送面で好ましい地域」にはほとんど該当していません。“核のごみ”処分場について滝上町の長屋栄一町長は「文献調査の応募などは全く考えていない」としています。


※※※ 骨川筋衛門のコメント
①は10月8日の北海道新聞デジタル版からの引用で、現在、文献調査は応募することになりましたが、町長と町議会や商工会が「NUMO(原子力発電環境整備機構)」や経産省と内々に核の処分地をすでに秘密裏に決めていて、手打ち式だけをやりにNUMOの役人たちが来ました。神恵内村も同じです。
 ②は、鈴木北海道知事も案じていたように、各市町村でも同じく、同調して、核のごみ処分地の「文献調査」のカネ目当てで、次々と手を挙げる算段をするのではないかと恐れていましたが、それが、単なる杞憂ではなくなりました。オホーツク方面の山の中の町「滝上町」でも、住民がすでに「勉強会」を始めたというニュースが流れました。
 しかし、高レベル放射性廃棄物は、近くにいると20秒で死に至るほどの強烈な放射能を放出する「物体」なので、特別な船を作り、完全に隔離し、ロボットを遠隔操縦するような具合に、遠隔操縦して、放射能を人に近づけないようにしないとダメな代物で、ちょこっと勉強して、350メートル以下に埋め立てればよいというわけにはいかないわけです。その強烈な「殺傷能力のある」高レベル放射性廃棄物を、あなたは子々孫々、後世に残していいですかと問われているのです。
 現在でも、原発が稼働しているところで、廃棄物はどんどん生まれています。増える一方です。福島の核の残骸やまだまだ水で冷却していかなければならないメルトダウンした高レベル放射性廃棄物があります。福島第1原発には3号機の原発に、燃料棒が残っています。これも地震津波が来れば、一塊(ひとかたまり)になり、爆発し、大量の放射性物質が遠隔地まで飛散します。
 せっかく、「復興してきた」という「幻想」を抱かれている人には「幻滅させること」になりますが、これは申し訳ないと思いますが、まだまだ復興までは遠い遠い道のほんの端緒だと、現在の住民の方たちやかつては住民であった方たちに、自分たちが味わった災害と原発事故の極めて厳しい現実とこれまでの経験を、北海道や日本全国の人々、世界の人民の方々に発信してほしいと考えます。
 二度と、同じ苦しみを味あわせないようにこれまでの経験を今生きている人たちに、そして、これから成長していく人・生まれてくる人にも伝えてほしいと思っています。
 そのためには、いまだ、コロナ禍の最中(さなか)にありますが、読者の皆様、全国の労働者の皆様、そのご家族、学生諸君は一致団結して、原発稼働・再稼働に反対し、核のごみの海洋投棄に反対していきましょう!!