[249](速報)北海道で感染拡がる

 
 新型コロナウイルスの新規感染者が過去最多となる236人が確認された北海道内で12日、離島初のクラスター(感染者集団)が北部の利尻島で判明した。医療体制が不十分な島では感染拡大への不安が広まり、島民からは政府の旅行需要喚起策「GoToトラベル」への批判の声も聞かれた。
 クラスターは利尻富士町の飲食店で発生。町内の50代男性は「ウイルスは島の外から持ち込まれる。感染が収まってからならまだしも、こんな状況でGoToを続けるのは都会から島にウイルスを送り込むようなものだ。感染防止と言っておきながら矛盾している」と憤りをあらわにした。
 同町商工会の担当者は「各店には消毒など感染対策をお願いしてきただけに残念。感染がどこまで広がるのか不安だ」と漏らした。利尻島の観光シーズンは夏。ハイシーズンは過ぎても島外からの観光客の姿もあり、不安を感じる島民もいるという。
 クラスターに関連した感染者は飲食店の従業員と客の計10人。12日までに公表された感染者を合わせ、島内の感染者は計14人となった。
 道などによると、利尻島には新型コロナ患者の受け入れ可能な病院は1カ所しかなく、病床も少ない。島外での治療が必要な患者は、海上保安庁など公的機関の船舶や航空機で搬送する計画。既に一部患者の島外への搬送を進めている。道保健福祉部の広島孝技監は「今回は順調だが、冬は(海のしけなどで)搬送がてこずらないか心配している」と話した。
 政府の緊急事態宣言下にあった4~5月、旅行客らに向けて「来島自粛」を求める声明を出すなど感染防止に努めてきた利尻島利尻富士町の田村祥三町長は「非常事態。住民には不安があると思うが、冷静な行動とより一層の予防策をお願いする」とのコメントを発表した。【岸川弘明】 毎日新聞デジタル版より引用  2020/11/13

※※※ 骨川筋衛門のコメント
 「GO TO キャンペーン」が引き起こした、コロナ禍の「人為的な第3波」は、大都市並びにその周辺地域はもちろんのこと、遠隔地の「憧れの北海道や沖縄」の「本土」も「離島」も脅かしています。
 冬の荒れた天候の時の海の怖さを知っている人たちは、船による漁はもちろん、船による交通を停止して、怒濤の波を避けます。
 時に、離島ではできない緊急手術とかになると、ヘリコプターで患者さんを運ぶこともありますが、ヘリコプターが安全かというと、そうではなく、危険が最も少ないと思われる瞬間を狙って、寸刻を争う患者さんに限って命がけで「搬送」するのです。
 まさに、今は第3波のコロナ患者さんの増加の時です。
 この時期に、いわゆる「不要不急」の「旅」は、自身にだけではなく、他者に新型コロナを感染させ、狭い地域に「猛威」を振るうかもしれません。
 3密を避ける・マスクをする・手洗いを綿密にするということは、「基本」ですが、これらは「絶対の安心」を保証するものではありません。マスクは、罹患者が他者へ感染させるのを、少し減らす可能性が高まる効果がありますが、完全ではありません。
 冬はウイルスが活発に活動しやすくなると言われています。乾燥し、寒い冬場にお店や旅館・民宿の部屋の「換気」を1時間に最低5分はするということも、なかなかできないことだと思いませんか?
 「GO TO トラベル」が「GO TO トラブル」にならないように、冬場はゆっくり自宅で、骨休めをしてください。昔の人たちは、雪に閉じ込められて、家の中で、冬場の仕事をしていました。現代にそのまま当てはめることは極めて難しいと思いますが、「他人(ひと)に感染させない」という思いやりが大事です。そのために、自分の行動はどうしたら良いかを考えてみていただきたいと思います。

 読者の皆様、労働者の皆様、学生の皆様、どのようにお考えになりますか?

ここで、斎藤茂吉の冬の短歌をご紹介いたします。
 
最上川逆白波のたつまでにふぶくゆふべとなりにけるかも

 斎藤茂吉の「紹介」は下記のWikipediaからご覧ください。
  https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%96%8E%E8%97%A4%E8%8C%82%E5%90%89

[追記]
 利尻島利尻富士町の飲食店で発生したクラスターでは、20~50代の従業員と客の計10人が感染。マスクの着用が徹底していなかった。離島のため、一部の患者は飛行機や船で島外の医療機関に搬送する。道保健福祉部の広島孝技監は会見で「冬に入れば搬送が難しくなる場合もあり心配だ。体制を強化していかなければならない」と話した。
 札幌市では新たに二つのクラスターが発生。専門学校では20~40代の学生18人と教員2人の計20人が感染。市立栄中学校(東区)では生徒8人の感染が確認され、一部学級閉鎖とした。道内の中学校でのクラスター発生は初めて。すでに確認されたクラスターでも新たな感染者が判明している。札幌市南区特別養護老人ホームドリームハウス」では、入居者1人の感染が新たに判明し、感染者は計57人に。北海道医療センターでは看護師1人の感染が新たにわかり、計13人となった。
 旭川市の吉田病院の関連では、新たに70代と90代の患者3人、看護師と介護職員6人の感染が判明。入院患者1人の死亡もわかった。同病院の感染者は計39人。滝川市の滝川中央病院では新たに患者3人の感染が判明し計12人となった。

 学校での感染判明も続いている。札幌市立東白石小と西白石小では、いずれも40代の男性教職員の感染が判明。市教委によると、市内の小中学校では12日時点で11校15クラスが学級閉鎖しているという。

 帯広市では市立明星小学校の児童1人が感染。15日まで臨時休校する。岩見沢市の道立岩見沢農業高校では生徒1人が感染し、23日まで一部を学級閉鎖する。

 ◇ 「爆発的に患者が増えている」「医療崩壊につながる」。道医師会の長瀬清会長と札幌市医師会の松家治道会長は12日、札幌市内で緊急会見を開き、危機感をあらわにした。  
 長瀬会長は各地でクラスターが多発している状況について「第3波に入っている状況だ」と指摘。道によると、医療機関でのクラスター発生はこれまでに16カ所にのぼる。松家会長は札幌市の医療が逼迫(ひっぱく)しているとし、「あと1週間今の状況が続くと医療崩壊につながる。イタリアやスペイン、アメリカのような状況が迫っている」と述べた。  
 両氏は「市民はできることをやってほしい」とし、マスクの着用や「3密」の回避、体調不良の際には早めのかかりつけ医への受診、そして不要不急の外出を控えるよう強く訴えた。  
 感染拡大につながりかねないと指摘される国の観光キャンペーン「Go To トラベル」について、長瀬会長は経済界への配慮をにじませつつ、「道が後押しをするようなことではない」「強く(見直しを)考えてほしい」と述べ、近く鈴木直道知事に申し入れを行うとした。  
 一方、鈴木知事は「Go To」キャンペーンの見直しについて、自らの立場を明らかにせず、「感染対策と経済活動の両立」を強調し続けている。12日の道議会決算特別委員会では、「Go To トラベル」事業から道が除外される可能性を問われると、「国が判断する」と道の認識には言及しなかった。赤羽一嘉国土交通相は10日の閣議後会見で、鈴木知事から「Go To」から道を除外しないよう要請されたと明かしている。同委員会ではその事実関係も問われたが、鈴木知事は明確には答えなかった。