[253](投稿)女川原発再稼動、地元同意

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※※※ 与謝野晶児のコメント
以下の記事は『時評日日』という題のブログの記事です。多様な時事問題について「記事」を集積されています。
その一部を引用させていただきました。

お読みになりたい方にお勧めいたします。
アドレスは以下の通りです。

『時事日日』
http://wapic.blog.fc2.com/blog-entry-3178.html

女川原発再稼働に、わたくし与謝野は反対です。読売や産経新聞の見出しは賛成の意思を表しています。
福島の原発事故はもう忘れられたかのようになっています。まだまだ、放射能の害は進行中です。

さらに、コロナ禍のなかで、その「第3波」のなかで、お金で「原発再稼働」を推し進めていく政府の手法は、北海道の過疎地を「核のゴミ捨て場」にしていく手法と同じです。

読者の皆様、労働者の皆様、学生諸君!!これらの国策に反対していこうではありませんか!!

女川原発再稼働地元合意をめぐるニュースと論調 20年11月12日
2020/11/12
19:41
【主張】女川原発の同意 グリーン社会への弾みに 産経新聞 20.11.12

女川原発同意 再稼働の歩みを着実に進めよ 読売新聞 20.11.12

女川再稼働に同意/事故の不安除く責務は残る(社説) 河北新報 20.11.12

女川原発再稼働 避難はまた置き去りか(社説) 信濃毎日新聞 20.11.12

女川原発再稼働 不安が拭えぬ知事同意(社説) 北海道新聞 20.11.12

女川原発再稼働「同意」 住民の不安を置き去りか(社説) 中国新聞 20.11.12

女川原発の再稼働へ 「金が落ちるならしょうがねえ」 住民避難の不安は残したまま 東京新聞 20.11.12

 東日本大震災で被災した東北電力女川原発の再稼働に原発が立地する宮城県、女川町、石巻市の3首長が11日、同意を表明した。周辺自治体の意見をくみ取ることに時間をかけず、原子力規制委員会の審査終了から9カ月のスピード判断。事故時の避難計画の実効性は置き去りのまま、震災の爪痕が残る地で原発が稼働へ突き進む。(小野沢健太、小川慎一)

◆とんとん拍子で進んだ地元同意

 「事前了解がなければ着手できない工事もある。このタイミングでないと支障があったのも事実」。村井嘉浩知事は45分の記者会見が終わる直前、スケジュールありきを否定しながらも、東北電の都合に合わせたことを事実上認めた。

 地元同意手続きはとんとん拍子で進んだ。県内の市町村長から意見を聞く場は、会談2日前にあったばかり。事故時の避難計画が義務付けられている原発30キロ圏内にある美里町の相沢清一町長が「県民に新たな不安を背負わせる」と反対を表明したが、少数意見として受け入れられなかった。

 早期の同意となった背景には、地元の商工会や漁協の要請も影響した。津波で800人以上が犠牲となり、人口減少が続く女川町では経済のてこ入れとして原発への期待が大きい。2年前には「福島みたいになりたくねえ」と語った同町の60代の男性漁師は、「金が落ちるならしょうがねえ」と諦めたように言った。

◆市民団体「慎重な姿勢まるでない」

 地元同意を得る手続きを巡っては、福島原発事故後に茨城県で大きな動きがあった。同意を得る「地元」の範囲が従来は原発立地自治体に限られていたが、日本原子力発電(原電)の東海第二原発については30キロ圏内の6市村の同意が必要と変わったことだ。

 原発事故が起きれば、影響は広範囲に及ぶ。茨城では震災後5年半にわたって原電と交渉し、18年3月に新協定にこぎつけた。

 宮城でも、地元の範囲拡大を求める議論があった。女川町と石巻市を除く30キロ圏5市町は、東北電と結んだ新協定で事前了解の権限を得ることを模索したものの実現せず。協定締結直後の15年春、村井知事は「立地自治体の判断で十分だと思う」と強調していた。住民投票の実施を求めていた市民団体役員の多々良哲さん(62)=仙台市=は「被災した原発なのに、慎重に判断しようとする姿勢がまるでない」と嘆いた。

◆避難計画の実効性は置き去り

 牡鹿半島の付け根近くにある女川原発。30キロ圏7市町には約19万9000人が暮らす。もし事故が起きれば、半島の住民たちは原発の近くの道路を使って避難せざるを得ない。

 ところが、災害時の孤立が頻繁に起きている。震災時は津波で主要道路が浸水。昨年10月の台風19号では冠水や土砂崩れが相次ぎ、女川町の一部が約17時間にわたって孤立した。

 人口が多い石巻市では車で西に避難しても、9割が避難先に到着するまで最長5日以上かかると、県は見込む。離島の住民計約570人は船で石巻港や女川港に避難する計画だが、石巻市は訓練をしておらず、担当者は「避難にどれくらい時間がかかるか分からない」と頼りない。市も女川町も避難道路の整備を求めているが、予算の裏付けもなく、いつ工事が始まるかすら決まっていない。

女川原発の同意 再稼働に歯止め利かなくなる恐れ <解説 小川慎一> 東京新聞 20.11.12

 東日本大震災の発生からちょうど9年8カ月、宮城県知事が東北電力女川原発2号機の再稼働に同意した。原子力規制委員会の新規制基準「適合」からわずか9カ月で、被災した原発が再稼働の条件を整えた経緯を振り返ると、2つの重要な点を無視できない。

 1つは、政府の原発再稼働推進に歯止めが利かなくなる可能性が高まった。女川原発津波により一部電源を失ったものの、東京電力福島第一原発のような過酷事故をぎりぎり免れた。

 傷だらけとなった原発への不安の大きさは、住民投票の実現を求める署名が11万人以上となったことが物語る。それでも、立地自治体の首長は再稼働のお墨付きを与えた。同じく津波被災した日本原子力発電の東海第二原発茨城県)や、事故当事者である東電の柏崎刈羽原発6、7号機(新潟県)にとって、再稼働への「良い前例」とされることは避けられない。

 もう一つは「地球温暖化対策で温室効果ガスを排出しない原発が必要」という説明が、首長や議員にじわりと広がっている点だ。「2050年の温室効果ガス排出実質ゼロ」を打ち出した菅政権は、原発を温暖化対策に位置付けており、これに呼応する形である。

 だが、振り返るべきだ。住む場所を奪い、広い地域を放射能で汚染した福島第一原発事故は10年たっても、収束作業の終わりが見えない。そうしたリスクをはらむ原発の選択は、将来世代への責任放棄でしかない。(小川慎一)

4000人超が今も戻れず 南相馬原発避難者、隣県の再稼働計画に「なぜ」 河北新報 20.11.12

 当たり前の日常が東京電力福島第1原発事故で暗転して9年8カ月。「なぜでしょうね」。南相馬市から避難し、関東地方を経て仙台市に暮らす40代女性が語る。11日、東北電力女川原発2号機(宮城県女川町、石巻市)の再稼働に示されたゴーサインに、避難者の苦難が忘れられたような寂しさを感じる。
 東日本大震災の翌日、2011年3月12日午後7時ごろ。津波被害を免れた高台の自宅で、夕飯の支度をしていた。不意にサイレンが鳴り響き、地域の全世帯を対象に避難の指示が出された。
 「何が起きているの?」。夫、小学生と園児の子どもたちと着の身着のままで車に乗り、大渋滞の中を福島市方面へと向かった。夜中に関東の親族から逃げて来るよう電話があり、今度はひたすら南下した。
 数日後、親族方で見たテレビの映像に衝撃を受けた。自宅から20キロほどの場所にある福島第1原発の建屋が爆発していた。
 南相馬での暮らしは豊かな自然と共にあった。住み慣れた自宅からは海が見えた。山では新鮮なタケノコやキノコが採れた。春には川沿いの桜並木がピンク色に染まり、夏に相馬野馬追を楽しんだ。
 地域が警戒区域に指定される直前、家族4人はわが家に足を運んだ。「おうちがあった」。自分の家がなくなったと思い込んでいた子どもたちが大泣きした。そこで告げた。「ごめんね。ここには帰って来られないからね」
 都会での日々になじめず、およそ半年で関東を離れた。放射能への不安や生活環境などを考慮し、新たな移転先に仙台を選んだ。空気の匂いがどこか南相馬と似ていた。
 子ども2人は友人や周囲の支えもあり、仙台での暮らしに順応していった。思春期を迎えた今、「人を助けられる仕事がしたい」と思い描いているという。母親として願う。「これから何かあってもくじけないでほしい」と。
 いつか夫と古里に戻りたいとは思う。ただ、知り合いが相次いで亡くなったことが気に掛かる。心筋梗塞脳梗塞、がん…。原発事故との関係が分からず、不安が消えない。
 南相馬では今も4000人超が避難生活を続ける。隣県の宮城で粛々と進む再稼働計画を、女性は案じる。「福島の人たちが大変な思いをしているのに。恐ろしいことだと思います」

女川原発再稼働同意 妥協の産物、あまりに早計 河北新報 20.11.12

 【解説】東北電力女川原発2号機の再稼働を巡り、村井嘉浩宮城県知事が東日本大震災の月命日に表明した「地元同意」は、消極的な容認の積み重ねにすぎない。政府から3月に再稼働への同意を要請されて8カ月。過酷事故を起こした東京電力福島第1原発の隣県として、人命と財産を守るべき県政トップとして、あまりにも早計だ。
 2号機は震災の揺れと津波で被災し、福島第1原発と同じ沸騰水型炉でもある。安全性について、より慎重な検証が求められるはずだが、原子力規制委員会の審査合格と、それを追認した県有識者検討会の報告を基に結論を急いだ。
 重大事故時の広域避難計画の実効性も課題山積。立地2市町が求める避難道路の確保、原発30キロ圏の約20万人を受け入れる県内31市町村の不安など枚挙にいとまがない。
 「原発がある限り事故の可能性がある」。村井知事は避難計画の改善を続ける必要性を繰り返すが、東北電の安全対策工事が2022年度まで続く中、なぜ生煮えのままゴーサインを出すのか。
 村井知事が意見をまとめる際の強引な手法も目立った。9日の市町村長会議は反対派だけでなく、賛否に悩む首長もいたが、知事は会場の拍手をもって「総意」とし、わずか2日後に同意。単なるセレモニーにおとしめた。
 再稼働を容認した女川町議会、石巻市議会、県議会も「もろ手を挙げて賛成の人は少ない」(ベテラン県議)。「原子力エネルギーは国策」を言い訳に「やむなし」との声が大勢を占めた。本音ではない、妥協の産物による拙速な決断は将来に禍根を残しかねない。(報道部・布施谷吉一)

宮城知事、女川原発再稼働に同意 福島第1と同型で初 河北新報 20.11.12

 村井嘉浩宮城県知事は11日、東北電力女川原発2号機(宮城県女川町、石巻市)の再稼働に同意すると表明した。須田善明女川町長、亀山紘石巻市長と同市内で3者協議後、記者会見で明らかにした。近く梶山弘志経済産業相と会談し、正式に伝える考えで、再稼働を巡る「地元同意」の手続きが完了する。
 東日本大震災の揺れと津波で被災した原発で、事故を起こした東京電力福島第1原発と同じ沸騰水型炉の再稼働への地元同意の表明は全国で初めて。
 3者協議は非公開で約30分行われた。記者会見で村井知事は電力の安定供給の重要性や原発の安全性を認めた上で、「東北電や国にしっかりと対策するよう求めることを(3者で)確認した。苦渋の決断だった」と述べた。協議の直後、梶山経産相に電話で同意の意思を伝達したという。
 知事と2市町長は、東北電との安全協定に基づき、施設の新増設や変更に対する「事前協議」に了解する方針も明らかにした。
 須田町長は、重大事故時に避難路を兼ねる道路整備に、県が前向きな姿勢を示したと評価。「原発の安全と防災対策の実効性向上が(事前了解の)前提だ」と強調した。亀山市長は「原発を視察し、安全性を確認した。(再稼働を容認した)市議会の意思を尊重した」と説明した。
 女川原発2号機は2月、原子力規制委員会の審査に合格。政府は3月、村井知事に地元同意を要請した。東北電は安全対策工事を終える2022年度以降の再稼働を目指す。
 東北電は「再稼働へ重要な判断がなされ、重く受け止める。引き続き安全性の向上に取り組むとともに、分かりやすく丁寧な情報発信に努める」との談話を出した。

女川原発再稼働、最大のヤマ場越える 認可・安全工事残すのみ女川原発再稼働、最大のヤマ場越える 認可・安全工事残すのみ 河北新報 20.11.12

 今年2月の審査合格から8カ月余り。東北電力女川原発2号機(宮城県女川町、石巻市)の再稼働は、最大の障壁の一つだった地元自治体の同意を取り付け、今後は国の認可や2022年度完了予定の安全対策工事といった技術的なプロセスを残すのみとなった。東日本大震災東京電力福島第1原発事故から丸10年を前に、被災原発の再稼働が一気に現実味を帯びる。
 宮城県と2市町は11日、政府から要請があった「地元同意」に応じると同時に、東北電が安全協定に基づき申し入れた「事前協議」に了解することを決定。近く政府と東北電に伝達することで、再稼働の前提となる地元側の手続きが終結する。
 原子力規制委員会による新規制基準適合性審査は2月、基本設計に当たる「原子炉設置変更許可」の合格でヤマ場を越えた。今後は残る「工事計画」「保安規定」でそれぞれ認可を得るための審査が続く。
 今後のスケジュールは安全対策工事の進捗(しんちょく)が左右する。東北電は4月、完工時期を20年度から22年度に延期。海抜約29メートルへの防潮堤かさ上げ、原子炉格納容器の破損を防ぐフィルター付きベント(排気)装置の設置といった新基準対応の工事費は3400億円程度に上る。
 工事計画認可から5年以内にはテロ対策施設「特定重大事故等対処施設」の整備が必要で、工事費はさらに膨らむ見通しだ。
 女川2号機は福島第1原発と同じ「沸騰水型炉」。同型の日本原子力発電東海第2原発茨城県)、東電柏崎刈羽原発6、7号機(新潟県)も審査に合格しているが、どちらも地元同意の手続きが進まず、再稼働のめどは立っていない。