[257](投稿)討論ならぬ討論

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(社説)菅首相の答弁 「対話」の放棄に等しい
都合の悪い質問には答えない。どのように聞かれても、用意されたペーパーの棒読みを繰り返す。政治家として、自らの言葉で語ることもほとんどしない。これでは議会政治の根幹をなす「対話」の放棄と批判されても仕方あるまい。
就任後初めて臨んだ臨時国会での菅首相の答弁のことだ。例えば日本学術会議の問題をめぐり、こんなやりとりがあった。
「(任命を拒否された6人に学ぶ)学生さんが就職に影響しないかと不安に思っている。その責任をどう考えるか」
「学術会議が国民の期待に応えるためには、そのあり方を考える必要もある」
全くかみあっていない。
重ねて問われても「個人については申し上げないことになっている」。その後ようやく「あってはならない」と付け加えたが、質問のポイントをくみ取っていれば、こんな受け答えにはならないはずだ。
首相が所信表明演説で打ち出した「2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにする」という方針をめぐっては、こんな具合だった。
首相は原発の活用を選択肢として認めている。ならば、新増設はありうるのか。立憲民主党枝野幸男代表が角度を変えて何度も質問したが、首相は「現時点においては想定していない」の一点張り。
野党につけいる隙を与えまいということなのだろうが、これでは脱炭素社会の実現に向け、与野党で知恵を出し合う建設的な議論にはつながらない。
朝日新聞の集計では、衆参両院の代表質問と予算委員会の計7日間で、首相が「お答えを差し控える」などと、事実上答弁を拒んだのは計62回。テーマ別では学術会議問題の42回が最も多い。「いま申し上げた通り」「官房長官が答えたことと一緒」などと、説明を省略することも珍しくなかった。
「お答えを差し控える」答弁は安倍前政権時代に突出して増えたという。同時に、質問をはぐらかし、自説を滔々(とうとう)と述べる安倍氏の姿勢が、国会論戦の形骸化に拍車をかけた。
首相の流儀は異なるが、丁寧な説明を欠き、論戦を嫌う傾向は一層強まったようにもみえる。こんな首相の国会への向き合い方を、与党が「安全運転」と受け止めているのも驚きだ。立法府の行政監視機能の立て直しなどおぼつかない。
今国会は残り3週間。第3波ともいわれるコロナの感染拡大への対応や外交防衛政策など、課題は山積している。予算委の集中審議や昨年6月以来となる党首討論を開き、議論を深めるべきである。2020/11/14 朝日新聞デジタル版より引用

※※※ 与謝野晶児のコメント
 学術会議に噛みついたまでは、「威勢が良かった」?と見えた菅も、書かれたペーパーを棒読みと言われ、野党との討論では、「かみ合わない」と言われ、逃げ一辺倒で、同じことを繰り返す「自動人形」のように言われ、自民党幹部からも、杉田の喚問などすれば、「危うい」と言われている有様です。「答えは控える」を繰り返して、自分自身が情けなくはないのでしょうか?
 誰かに示唆され、指南を受けてからしか「議論」をできない「首相」は、「アベ」譲りだとも言われています。
 これでコロナ対策などできるはずもありません。デジタル庁も判子をなくすのも防衛問題も、「自己防衛・自己保身」が先に立っていては、ただの標語ではないかと思います。
 おそらくは、次の首相人事が、自民党内ですでに始まっていると思います。このような事態だから、やっと「感染対策の専門家」も表に出てきたのでしょうね。
 しかし、営業は夜10時までという半端な事しか言えない状態では、経済もコロナ対策も、先行きが全く危ういというしかないですね。

 読者の皆様、労働者の皆様、学生の皆様、この菅の「やり取りの有様」をどのようにお考えになりますか?
11月14日