[315](投稿)今日からGoTo停止

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菅首相、迷走するGoTo事業停止の重すぎる代償
事実上の「政策失敗宣言」、問われる首相の器
菅義偉首相がかたくなに推し進めてきた観光支援事業「Go Toトラベル」が12月14日、全国一斉の一時停止に追い込まれた。
菅首相は、持論である「コロナ感染防止と経済活性化の両立」にいったん白旗を掲げた格好だ。その背景には自らの「ガースー発言」大炎上をきっかけとした支持率急落があるとみられる。

メディアの最新の世論調査では、Go Toトラベルの停止を求める声が圧倒的多数で、自民党内からも「このままでは政権へのダメージが大きすぎる」(幹部)という不安と不満が噴出している。

菅首相指導力低下は不可避に
菅首相自身が官房長官時代から主導してきたGo To事業の方針大転換により、首相としての指導力低下は避けられない。野党側は「菅政権による人災」(共産党幹部)と厳しく批判しており、今後の展開次第では「トップリーダーとしての器が問われる事態」(自民長老)ともなりかねない。

政府は14日に開催した新型コロナウイルス感染症対策本部で、7月下旬以降、全国規模で実施してきたGo Toトラベル事業を、12月28日から2021年1月11日まで全国で一斉に停止することを決定した。12月27日までは、札幌、大阪両市に加えて東京都、名古屋市を目的地とする旅行が事業対象から除外される。事業を担当する国土交通省や観光業界は混乱を極めている。

菅首相は14日の対策本部で、「年末年始にかけて、これ以上の感染拡大を食い止め、医療機関などの負担を軽減し、(国民の)皆さんが落ち着いた年明けを迎えることができるよう、最大限の対策を講じることにする」と思い詰めたような表情で語った。

菅首相はこれまで一貫して「Go Toで感染が拡大したというエビデンス(証拠)はない」と主張してきただけに、「事実上、Go To政策運営の失敗を認めた格好」(閣僚経験者)だ。自民党内では「まさに泥縄。決断が遅すぎた」(同)との批判が相次ぎ、野党側は「Go Toトラベルによる感染拡大を政府が認めた」(立憲民主党幹部)と攻勢をかける。

菅首相の方針転換は、GoTo事業継続に対する国民世論の反対が12月中旬に拡大したことが最大の原因とされる。しかも、そのきっかけとなったのが11日の菅首相の不用意な発言だった。

菅首相は11日午後、インターネット動画の「ニコニコ生放送」に出演した際、視聴者に対し「みなさん、こんにちは。ガースーです」と笑顔であいさつした。「国民に親しみを持ってもらう狙い」(首相周辺)とみられたが、動画中継の画面には「今はそれじゃない」「余りにも無神経」など書き込みがあふれ、ネット上での大炎上となった。

菅首相の出演は、11日のコロナ分科会後に尾身茂会長が記者会見で「Go Toトラベルの見直し」を切々と訴えたのとほぼ同時進行だった。対談形式で国民に直接訴えるのが目的だったが、「完全にスベった」(民放幹部)のは間違いない。この動画は同じ時間帯の民放テレビ情報番組でも中継されていたが、居並ぶコメンテーターたちも苦笑と困惑を隠さなかった。

「不支持」が「支持」を初めて逆転
菅首相の出演は約30分間だったが、その中で「Go To一時停止」については「そこは考えていません。今日提言を受けたわけですから」と表情も変えずに語り、「いつの間にかGo Toが悪いことになってきちゃったんですけど、移動では感染しないという提言もいただいていた」などと「Go To悪者説」への不満もあらわにした。

この動画は瞬く間にインターネットで拡散。翌12日未明には立憲民主党蓮舫参議院議員が「いつの間にかGo Toが」発言をツイッターに引用し、「税金で旅行を後押しする政策を力強く進めてきたのは貴方の政権です」と投稿。さらに、ドイツのメルケル首相の「クリスマスで人々の接触が増えれば、祖父母たちとの最後のクリスマスになることもある」との言葉を引用し、「胸に響きます。国民に危機意識を伝える言葉です」と菅首相の不用意な発言と対比して批判した。

4月には当時の安倍晋三首相が自宅でくつろぐ様子を「コラボ動画」として発信して大炎上し、与党内からは「今回はそれ以上の国民的反発」(自民幹部)との声も相次ぐ。野党側は「菅さんはまさに、KY(空気が読めない)の典型」(立憲民主党)と批判を強めた。

当然、世論の反応は敏感で、12日の毎日新聞世論調査では内閣支持率が17ポイント下落の40%、不支持は13ポイント増の49%と、菅政権発足以来初めて、支持と不支持が逆転した。

さらに、14日に公表されたNHK世論調査でも内閣支持率は14ポイント下落の42%となり、菅首相に追い打ちをかけた。Go Toトラベル自体については、停止や中止を求める声が毎日調査で67%、NHK調査で79%に達した。

今回の菅首相の方針転換は「まさに世論に抗しきれなくなった結果」(自民幹部)だ。14日夜、官邸で記者団の取材に応じた菅首相は、「年末年始は集中的に対策を講じられる時期だと思い、『Go Toトラベル』を全国で一旦停止することを自ら決断した」と平静さを装った。ただ、記者団が「緊急事態宣言は検討しているか」と問いただすと「してません」とそっけなく答え、踵を返すように立ち去った。

自民党「観光族」の間に渦巻く不満
そもそも、政府が「勝負の3週間」と位置付けた11月下旬から、菅首相に提言する役目の分科会メンバーからは「このままGo Toを続ければ、感染拡大が止まらず、トータルでいえば経済への悪影響も大きい」(経済専門家)との声が相次いでいた。併せて、決断を委ねられた格好の都道府県知事からも政府の迷走への不満が噴出。「政府は小出しの対応でしのごうとしたが限界に達した」(閣僚経験者)のが実態とみられる。

その一方で、自民党内には「急ブレーキをかければ飲食店がバタバタつぶれる」(若手議員)と、Go To停止の決断を疑問視する声も少なくない。いわゆる「観光族」と呼ばれる議員の間では「菅首相が自分ファーストで勝手なことをした」(有力議員)との不満も渦巻く。

観光族のドンは、菅首相とタッグを組む二階俊博幹事長だ。菅首相は14日夜、その二階氏と銀座のステーキ店で会食した。しかし、プロ野球ソフトバンク王貞治球団会長や有名タレントも同席し、「Go Toトラベルは誰も話題にしなかった」(出席者)とされる。「菅、二階両氏とも腫れ物には触れない」(自民長老)というわけだ。

気象庁の天気予報によると12月中旬から列島に強烈な寒波が襲来するという。多くの医療専門家は「寒波で空気も乾燥していれば、Go Toを止めても感染拡大は収まらない」と口をそろえる。菅首相は事業停止の出口となる1月12日以降の対応については口を濁すが、政府部内では「全国的な仕事始めで人の移動が活発化する12日以降のGo To再開は、リスクが大きすぎる」との不安も広がっている。

14日夜に記者団から「首相にとっての今年の漢字」を問われた菅首相は、「私自身は『国民のために働く内閣』と銘打っています。ですから働く『働』という字です」と答えたが、口の悪い野党議員は「自分のためにしか働かない」とくさす。自民党内には「年明けに事態が悪化していれば、衆院解散どころか、菅首相の早期退陣論も浮上しかねない」(長老)との声も広がっている。東洋経済オンライン(12月21日(月))より引用

※※※ 石川木鐸(ぼくたく)のコメント
「勝負の3週間」は、大敗でした。
それで「政府は14日に、『7月下旬以降、全国規模で実施してきたGo Toトラベル事業を、12月28日から2021年1月11日まで全国で一斉に停止することを決定した』。事業を担当する国土交通省や観光業界は混乱を極めている。」というのが現状です。しかし、ガースーは、まだ「エビデンスはない」と言い張って逃げています。「エビデンス(証拠)」は、支持率の大幅な下落に表れています。「観光」派閥・二階も苦い顔をしていることでしょう。所詮、ガースーも二階も、コロナウイルスには敵(かな)わないということが「証明された」すなわち、ガースーの好きな「エビデンス」が出たのです。でも、まだ捨てきれないので、1月11日までの期限付きにしています。そして「再開」を狙っています。感染は一時しのぎでは、多少の下降曲線を描いても、いずれ欧州と同じく感染拡大は免れません。それで困るのが「医療の逼迫(ひっぱく)」です。しかも、看護師の辞職を引き起こしています。人手が全く足りません。ますます、現場は「困窮・極度の疲労に陥り、戦線離脱」という結果を招きかねません。近所から看護師さんに石礫(いしつぶて)を投げる心無い人たちがいます。病院経営者は、看護師さんに対して、賃金カット、ボーナスカット…を行うところもあります。このような事態を見過ごしていては、ますます、支持率は下落の一途を辿ることでしょう。心静かに年末年始が過ごせるでしょうか?ただ引きこもっていては、看護師さんの・ご家族の心身が「衰弱」していくばかりです。欧州から、強毒のコロナが入ってきたらどうなることでしょう。これまでの「水際作戦」も、穴だらけでした。先が思いやられます…夜会をしたり、賄賂をもらう議員、補填を疑われている元首相…課題はまだまだ積み上がっていっています。ガースの「逃げの答弁」では、到底、「意義のある対策」は、できないのではないでしょうか!? 読者に皆様はどのようにお考えになられていますか?