[317](投稿)医療クライシス。医療従事者への冷たい視線

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<医療クライシス>コロナ患者転院、病院間で「小競り合い」 
運用できる重症対応病床が限られ
12/23(水) 16:38配信

 新型コロナウイルスの感染拡大「第3波」が襲う師走の日本列島。年末年始の帰省や大人数での会食自粛が求められる中、感染者の増加はやまず、奈良県内の医療提供体制は逼迫(ひっぱく)の度合いを増している。緊迫した現場で懸命に使命を果たそうと疲弊する医療従事者たち。一方で、陣頭指揮を執る県と現場の間には温度差も露呈する。【久保聡】

 今月2日、容体が悪化した新型コロナウイルスの入院患者が転院する際、ある「小競り合い」が起きた。  
西和医療センター(三郷町)に入院していた中等症の60代男性の容体が悪化。人工呼吸器の装着が必要となったため、同センターはより高度な医療環境が整う県立医大付属病院(橿原市)に男性を搬送した。  
付属病院は男性の受け入れに同意したはずだった。ところが病院到着後、男性に同行してきた若い専攻医(専門医研修中の医師)を、付属病院の医師はこう責めた。
「なぜ送ってくるのか。西和医療センターで重症患者の管理はできないのか」。専攻医は反論したが、医師は同センターの医療体制を批判した。  
県が示していた2日時点の重症対応病床は16床。だが複数の病院関係者などによると、実際に運用できていたのは約半数の9床だけ。16床には西和医療センターの2床も含まれていたが、医療スタッフが不足し、実際は運用できていなかった。付属病院でも重症病床を増やす準備を進めていたが、スタッフの確保に悩んでいた。  
さらに3日、県が重症対応病床が3床あるとしていた南奈良総合医療センター(大淀町)からも、重症化した50代男性が付属病院に搬送された。同センター職員が新型コロナに感染し、関連病院でも院内感染が起きるなどしてスタッフが不足、実際に対応できる病床は1床だけだった。南和地域の感染者も増えるなか、この1床を埋めれば万が一の事態に対応できない、と付属病院に搬送するしかなかった。  
県の発表によると、3日時点の重症患者は6人。中等症となった患者も含め10月26日以降、重症者は14人に上っていた。いつ重症となってもおかしくない患者も数十人を数え、まさに重症対応は「ぎりぎりの状況」(医療関係者)だった。  

PCR検査体制にも影響  
西和医療センターは常時10人近くの中等症患者が入院している状態だが、医療体制の逼迫を受けた12月中旬、重症患者1人を受け入れた。感染症専門医がいない限られた「マンパワー」の中、複数の内科系医師が手分けして入院患者の治療にあたっている。  
こうした状況下で、県は10日、新型コロナの入院患者を受け入れる医療機関の病床数を月内に約130床増やすと発表、医療機関に通知した。  
同センターも対応病床を27床から37床に増やす方針だ。ただ、病床を増やす分、入院患者の治療にあたる医師と看護師の確保は欠かせず、5月から続けている「発熱外来クリニック」の検査数を12月24日から減らさざるをえなくなった。  
幹部は苦しい胸の内をこう明かす。「重症、中等症、軽症の患者への対応と、発熱外来クリニックでの検査、これらをすべて続けることは不可能だ」(毎日新聞より引用しました)

※※※ 石川木鐸(ぼくたく)のコメント

医療の逼迫(ひっぱく)で、同時に、新型コロナの感染を恐れるあまり、医療機関の間で「コロナに罹患した患者さんを巡って摩擦」が起きています。
日本でパンデミック(世界中に広がる、症状も重篤となり、死者も多く出る感染症)を経験する機会(サーズやマーズと呼ばれる感染症)がこれまで「運よく」なかったため、パンデミックを抑え込めていません。ごく少数の国だけが、何とか抑え込みを継続させていますが。後手後手に回り、防護具も不足し、結核などに使っていた「隔離病棟」は、使用される頻度も極端に少なくなり、パンデミック対策を経験したことがない医師が多いからだと想像します。その負担が看護師さんに及んで、しかも、看護師さんが隣人から「石を投げつけられる」とか「子どもを保育園に預けるのを断られる」ということなども生じています。本当の相手は「新型コロナ」なのに、「医療従事者」に罵倒したり、石を投げつけるとは「コロナ恐怖・不安」に左右され、操縦されていると思いませんか?
「正しく恐れ、正しく防御」する、すなわち、石鹸やアルコール消毒をこまめにする、社会的距離を2メートル取る。外食などで食事のときは「話をしない」などを守ると、かなり「防御」できると言われています。それでも、今日、政府の後手後手に回った「つけ」が、広がっていますので、完全ではないこともあります。心無いことをした人も、明日は我が身に降りかかってくると思って言動・行動をしてほしいと思います。反面教師はガースーこと菅の5人以上での会食、しかも「はしご」をするということです。読者の皆様はどのようにお考えになられますでしょうか?