[362](投稿)「経済」を封印した所信表明演説

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首相、経済重視を封印 施政方針演説 支持率急落受け転換 既存の感染防止策列挙
 菅義偉首相は18日の施政方針演説で新型コロナウイルス対策に全力を挙げる姿勢を強調し、「経済の両立」という言葉を封印した。感染対策の「後手」批判と内閣支持率急落で、経済重視の旗を降ろした格好だ。だが野党は政府のコロナ対策に批判を強め、通常国会でも厳しく追及する方針。ワクチン接種の開始時期なども絡み、政権の命運を左右する150日間になる。

 「再び制約のある生活をお願いし、大変申し訳ない」。首相は施政方針演説冒頭でこう切り出し、医療従事者に対して「厚く御礼申しあげる」と頭を下げた。

 昨年秋の臨時国会所信表明演説では、発足直後の高支持率を背景に、安倍晋三前首相が好んで使ったエピソードや故事を使わず、個別政策を具体的に列挙しアピールした。あれから、わずか4カ月。支持率急落の中で臨んだ18日の演説は、中身が大きく変わった。

 象徴は「コロナ対策と経済の両立」の表現から、「経済の両立」という言葉が消えたことだ。テーマ別でコロナ対策に最も多い時間を割いたが、大半は飲食店への営業時間短縮要請など既存の感染防止策の列挙で、目玉政策として打ち出した「GoTo キャンペーン」にも触れなかった。

 報道各社の最近の世論調査内閣支持率は急落。政権の「危険水域」である30%割れ目前のケースや、不支持が支持を10ポイント以上、上回ったケースもある。首相は周囲に「経済の両立はいったん休み、コロナ対策にかじを切るべきだと思った」などと焦りを漏らした。

 ただ、感染拡大はなかなか収まらない。昨秋の所信表明では「爆発的な感染拡大は絶対に防ぐ」と自信を持って語った首相も、今回は「感染を抑え、減少傾向に転じさせる」と述べたのみ。東京都などは既に国基準の「ステージ4(爆発的感染拡大)」相当に達しており、野党からは「政治責任を問われる事態を避ける狙いだ」と批判が上がる。

 コロナ対策を強調する一方、批判が根強い言葉や話題には一切触れなかった。長く社会像として掲げてきた「自助・共助・公助」は、「安心と希望に満ちた社会の実現」に代わった。日本学術会議を巡る任命拒否問題にも言及しなかった。

 「国民の食いぶちをつくっていくのが、おまえの仕事だ」。首相は演説の終わりに、師と仰ぐ梶山静六官房長官からもらった言葉を引用。そして「国民のために働く内閣として、全力を尽くす」と強調した。

 その「全力」の一つがワクチン接種だ。施政方針演説の中でも「できる限り、2月下旬までに接種開始できるよう準備する」と強調。そして18日夜、ワクチン接種の調整役として河野太郎行政改革担当相を起用すると急きょ発表した。次の首相候補と人気の高い河野氏起用し、政権浮揚を図る狙いもあるとみられる。

 だが野党の受け止めは厳しい。立憲民主党枝野幸男代表は演説について「100年に1度と言ってもいい状況なのに危機感が全く感じられなかった」と語り、国会で追及を強める構えだ。(石井努、鈴木誠

( 01/19 10:20 北海道新聞デジタルより引用しました)。

※※※ 骨川筋衛門のコメント

 見出しにもあるように、菅総理は「経済とコロナ対策」の「両輪」をいったん引きました。最近の「支持率の急落」を受けての「変わり身」の「速さを重視」したわけです。

 しかし、昨秋の所信表明演説では、「爆発的な感染拡大は絶対に防ぐ」と言っていましたが、このたびは「感染を抑え、減少傾向に転じさせる」とトーンダウンしています。東京都などは既に国基準の【ステージ4(爆発的感染拡大)】相当に達しており、野党からは「政治責任を問われる事態を避ける狙いだ」と批判が上がっています。

 「長く社会像として掲げてきた『自助・共助・公助』は、『安心と希望に満ちた社会の実現』に代わった。日本学術会議を巡る任命拒否問題にも言及しなかった」と言われています。私も急に「日本学術会議」問題を口にしなくなったと言っていましたが、ガースーも「それどころではない」とやっと気づいたのでしょう。

 だからと言って、「安心できる社会・希望の持てる社会」をどのようにして作るのかは、「国民の食いぶちをつくっていくのが、おまえの仕事だ」と梶山氏に言われたことを引き合いに出すだけで、今困っている多くの人民の「食いぶち」をどのようにして、「公助」するのでしょうか?空手形だけでは今日も食えない人たちが大勢いることに気づいて、「先手」を打たねばなりません。コロナ感染症も、今からでも「妙手」を打たねばなりません。

 ワクチンは、効果が出るとしても、効果が出るのは、まだまだ先の話です。「医療の逼迫・崩壊」をどのように食い止めるのかが語られないと実現しないと思います。

 それゆえ、このブログに、「ペンギンドクター」が、松本市の例を挙げて「医療体制の仕組み作りの転換」を示してくれています。それを見倣(みなら)ってみてはいかがでしょうか!!

 読者の皆様、労働者の皆様、学生の皆様はどのようにお考えになりますでしょうか?