[395](投稿)旭川医大院長の会見

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旭川医科大学(北海道旭川市)で、吉田晃敏学長の新型コロナウイルスに関する不適切な発言や、コロナ患者受け入れを巡る学長と旭川医大病院長との対立が相次いで明らかになった問題で、院長を解任された古川博之氏が1日会見した。古川氏は解任理由は不当だとし、処分の撤回を要請。14年近く学長を務める吉田氏のガバナンス(組織の統治)も批判した。

 旭川市役所で会見した古川氏は、解任理由に反論する文書を公表。昨年4月の全学説明会の模様を録画し、職員に見せたことは認めたが、学外には「漏洩(ろうえい)はしていない」と否定。学長の不適切発言があった11月の大学運営会議の録音・録画はしていないという。

 しかし、大学の顧問弁護士からは「会議に出た他の出席者がみな否定した。(漏洩したのは)あなたしかいない」と言われたといい、「解任ありきの判断」「状況証拠だけでは有罪にならないのは裁判では常識」と批判した。

 また、吉田病院のコロナ患者の受け入れを巡る問題では、同病院でのクラスター(感染者集団)発生前の昨年11月1日時点で病床を用意できており、受け入れは可能だったと主張。受け入れを拒んだ吉田学長が院長辞任を求めた発言については「パワハラがあった事実は変えようがない」と述べた。

 吉田学長との関係については、「(自身の)院長就任は学長の推薦だった。蜜月の時期もあった」とし、「新型コロナの対応で(吉田学長の)本質が明らかになり、(関係が)一気に遠ざかった」と話した。

 旭川医大では2019~20年にも、2教授が他の病院への医師派遣を巡る多額の報酬や、製薬会社から不正な報酬を得たことが明らかになり、吉田学長が謝罪する事態となった。同大で不祥事が相次ぐことについて古川氏は「ガバナンス(組織の統治)がめちゃくちゃになっている」とし、07年から14年近くの長期にわたり吉田氏が学長を続けていることの影響は「それも一つだと思う」と語った。

 古川氏はさらに、吉田学長の処分について議論する学長選考会議に対し、第三者委員会を設置して、学長の自らへの発言がパワハラに該当するかどうかなどを調査することを求めたいとしている。

記事の後半に会見の一問一答を掲載しています

学長選考会議、結論は出ず
 旭川医大は1日、学長選考会議を開き、吉田学長の新型コロナに関する不適切発言などについて議論した。関係者によると、会議で吉田学長の発言問題は報告されたが、処分については決まらなかった。一連の問題を話し合う第三者委員会を設置すべきだとの声も出たが、結論は出なかった。学長選考会議は後日改めて開かれる見込みだという。

 同会議は学長選考に加え、学長の業務執行状況などを議論するため設置されている。委員は14人で、旭川市の表憲章副市長ら地元の有識者や学内関係者が務める。

「学長の推薦で病院長になった」 会見一問一答
 記者会見した古川博之・前旭川医大病院長との主な一問一答は次の通り。

 ――今回会見した理由は。

 「大学側の言い分にはウソがある。医局員にも影響があるので、しっかり対応しているところを示したかった」

 ――解任の経緯は。

 「抜き打ちに会議(臨時役員会)で『これは解任の会議です』と言われた。普通は反論の機会が与えられてから処分が決まる。だが私の場合は反論も認められず、処分はすでに決まっていた」

 ――これまでの吉田学長との関係は。

 「学長の推薦で病院長になり、蜜月の関係だった。しかし、コロナ対応で学長が現場に介入してきたことが問題となり、関係も遠ざかった」

 ――旭川医大ではここ数年不祥事が相次いでいる。

 「(大学の)ガバナンスがめちゃくちゃになっている。教授の選び方やお金の使い方も崩壊に近い状態だ。立て直さないと、この先は立ち行かなくなる」

旭川医大を巡る問題
 北海道旭川市内では昨年11月6日、吉田病院で新型コロナウイルスクラスター(感染者集団)が発生した。これについて旭川医大の吉田晃敏学長は同17日の学内会議で、「コロナを完全になくすためには、あの病院(吉田病院)が完全になくなるしかない、ということ」などと発言したとされる。

 また吉田学長は同月、吉田病院から旭川医大病院へのコロナ患者受け入れを許可せず、受け入れを検討した古川博之院長(当時)に「受け入れてもいいが、代わりにお前がやめろ」と話したとされる。古川院長は朝日新聞の取材にこうしたやり取りを明かした。

 吉田学長は今年1月26日の会見で吉田病院を巡る発言は謝罪したが、患者受け入れを許可しなかったのは正当だったと主張。旭川医大の役員会は古川氏が学内会議の内容を外部に漏らしたなどとして、1月25日付で院長職を解任した。

 吉田学長を巡ってはこれとは別に、滝川市立病院と2006年7月から14年以上にわたり月40万円で「アドバイザー」の契約を結んでいたことが明らかになっている。契約は今年1月に吉田学長の申し出で打ち切られ、昨年11月分まで支払われた報酬総額は6920万円。契約後に吉田学長は病院を数回訪問し、院長が吉田学長を年1回程度訪れていた。

旭川医大古川博之前院長の反論要旨(文書から抜粋)
●学内会議の情報漏洩(ろうえい)について

昨年4月の全学説明会と11月の大学運営会議はいずれも秘密会ではなく、それぞれの記録方法は自由だった。記録が外部に開示されたことは否定している。

●学長が辞任を求めた発言がパワハラでないとされた点について

吉田学長は「(コロナ患者を受け入れる)リスク回避をおわかりにならないのなら、病院長職を退いてほしい」と発言したとされるが、リスクに関する話はなかった。発言は「命令に従うのがいやなら辞めて下さい」「患者を受け入れるなら辞めて下さい」のいずれかで、パワハラにあたる。

●コロナ患者受け入れ体制が整っていなかった点ついて

冬に向けて学長の許可を得てコロナ患者受け入れ体制を整備し、集中治療室以外に11月1日時点で5床を稼働させていた。ゾーニング(汚染エリアの分離)もされており、院内に感染が広がる危険性はなかった。

●患者受け入れについて協議せず、医師らにも伝えていなかった点について

臨時の感染症対策会議で関係部での情報共有はできていた。市内の感染状況は毎週の同会議で報告されていた。

●昨年12月の大学運営会議で信頼回復に取り組むと決めた後も取材に応じ、混乱を生じさせた点について

問題の発端は吉田学長の吉田病院を巡る発言だったのに、学長は不適切発言を謝罪するのみで自分の考えを説明しなかった。信頼回復に取り組むには自ら作り出した難局について説明する必要がある。報道機関への発言は事実に基づくもので、それを構成員が団結する必要があるから辞めろ、というのは表現の自由を奪うものだ。

2021年2月2日 朝日新聞デジタル版より引用

※※※ 真田正幸のコメント
 旭川医大の「真実」がここに掲載されていると考えても良いと思います。「独裁者」吉田学長の一方的なやり口で、「古川学長解任劇」が始まりましたが、逆に、「独裁者」吉田晃敏氏の数々の横暴な「人事」問題や賄賂問題や、コロナ患者受け入れ拒否問題が白日の下に暴露されました。
 形勢不利と見た吉田学長は、「アドバイス料」の一部返金を滝川市にして、幕引きを図りましたが、これで彼の学長生命が伸びることはないでしょう。いや、伸ばしてはいけないと思います。吉田学長と旭川市副市長、信金の役員も吉田学長側についていて、一役買ったことを「反省しなくてはならない」と思います。
 世界中がコロナ禍で苦しめられている中で、一つの国立病院でも新型コロナウイルスに対して立ち上がり、コロナに罹患した患者さんを受け入れていくという志がある古川病院長の考えと周到な準備をしていることは、他のコロナ対策ができる病院は見習うべきだと思います。もちろん安易にできるという簡単な「新型コロナウィルス」でないことは、わたくしにもいろいろな情報から知識としては知っています。だからこそ、新型コロナに立ち向かう方針を提案した古川院長の解任は許せないことだと思います。
 人事問題が荒れるのは、各科の教授の考えの中に、学長「吉田晃敏」氏の「勝手な振る舞い」という見本が根付いているからではないかと推測します。公的場面でわけが分からなくなるほど酔って、「演説」もできない学長というのはありえないことです。
 早期に旭川医大の病根を取り払って、普通の医科大学に戻ってもらいたいものです。