[416](投稿)管首相の息子総務省接待問題、森友以上

f:id:new-corona-kiki:20210222141228j:plain
菅首相、長男の接待疑惑「森友以上」の深刻度
不祥事が政権危機につながるボディブローに

泉 宏 : 政治ジャーナリスト

2021/02/19  (東洋経済オンラインより引用)
ワクチン接種や森喜朗元首相の女性蔑視発言に揺れる永田町で、菅義偉首相の長男が絡んだ総務省幹部への接待疑惑が政権の新たな火種となっている。

立憲民主党など主要野党の追及に対し、菅首相は「息子は別人格」と色をなして反論。いらだちを露わにしている。

2月17日には『週刊文春』が接待時のやりとりを記録した音声をネット上に公開し、与党内では「首相の身内が絡んだスキャンダルとしては、安倍前政権での森友問題以上に深刻」(自民幹部)との声が広がっている。

22日にも総務省幹部を処分
総務省菅首相副大臣と大臣を務めて以来の「菅首相天領」(政府筋)とされる。今回の接待疑惑で国家公務員倫理法違反に問われている4人の同省幹部も、菅首相の知遇を得て出世の階段をのぼってきた人物ばかりだ。

総務省は「できる限り迅速に調査を終わらせ、ルールに則って厳しく対応する」(武田良太総務相)として、22日にも処分を決める方針だ。4幹部が懲戒処分ともなれば、「今後の総務省幹部人事も大混乱」(政府筋)となるのは必至で、菅首相指導力も問われる。

野党側は2021年度予算案の衆院通過に絡め、さらに攻勢を強めている。人事による霞が関支配を権力の源泉としてきた菅首相にとって、身内の不祥事が国会運営にも影響することになり、「政権危機にもつながる深刻なボディブローになる」(閣僚経験者)との見方が広がる。

事の発端は、森元首相の女性蔑視発言で政界が大騒ぎになった3日、『週刊文春』が菅首相の長男・正剛氏が、現職の総務省幹部らを接待漬けにしていたことを暴露したことだった。「世襲打破」「苦労人」が売り物の菅首相にとって、事実なら手痛い身内のスキャンダルともなりかねず、政界に波紋が広がった。


週刊文春』によると、2020年10月に東京・日本橋の高級料亭で、映像制作などの事業を手がける東北新社の二宮清隆社長らが、総務省内で次の事務次官の呼び声が高い谷脇康彦総務審議官を接待。同社が数万円の食事代を負担し、手土産やタクシーチケットも渡すなど、国家公務員倫理法違法の疑いがある接待をした。

同席した正剛氏の肩書は、同社の趣味・エンタメコミュニティ統括部長とされた。同社は都内に本社を置き、基幹事業の1つが衛星放送事業。総務省は電波法に基づき放送の許認可を行っており、同省幹部が衛星放送を手がける会社の社長らから接待を受けた事実が認定されれば、国家公務員倫理規程違反で懲戒処分の対象となる。

総務省幹部を野党が厳しく追及
立憲民主など主要野党は色めき立ち、4日の衆院予算委で菅首相を追及。当初は言を左右にしていた菅首相も、長男と電話で話したことを結局は認め、「調査にしっかりと対応するよう伝えた」と防戦一方となった。

ただ、違法行為かどうかについては「総務省はしっかり対応する」と述べるにとどまり、「長男はコネ入社したのでは」との追及には「息子とは別人格。民間人で家庭もありプライバシーもある」と逆切れしたように反論した。「(首相の)世襲反対との信条にも反する」との指摘にも、「私は、息子を後継者にする気はまったくない」とかわした。

2020年秋から冬にかけて正剛氏らは、谷脇、吉田眞人両総務審議官のほかに、秋本芳徳情報流通行政局長と湯本博信官房審議官の4人をそれぞれ接待したとされる。野党側の要求で秋本、湯本両氏が参考人として招致され、野党側の厳しい追及を受けた。

両氏や原邦彰総務省官房長らは当初、会食の事実は認めたものの、「調査中」を理由に詳しい説明を拒否し続けた。しかし、8日の衆院予算委で主要野党が審議をボイコットすると、金田勝年委員長(自民)の指示もあって、再開後に対応を一変させた。

事実上の接待会食だったことを認めたうえで、会食時には「東北新社の事業が話題にのぼった記憶はない」(秋本氏)、「(東北新社の事業が)話にのぼったことは一切なかったと記憶している」(湯本氏)などと釈明した。

さらに、正剛氏も参加した会食は「2015年以降」とし、頻度は「おおむね年1回」だったなどと、長期間継続していたことを認めた。


主要野党は調査結果を2021年度予算案の衆院通過までに報告するよう要求。武田良太総務相は「一刻も早く処分を下せるよう国家公務員倫理審査会に報告を上げたい」と答弁した。

しかし、問題発覚から2週間後の17日夕、『週刊文春』が二の矢を放った。正剛氏らが秋本局長を接待した12月10日の高級和食割烹での音声記録が公開されたのだ。音声は技術的に修正されているが、3人のものとされる会話の中には「BS」や「衛星」などの言葉が含まれていた。

これを受けて17日夕、立憲民主党安住淳国対委員長自民党森山裕国対委員長が会談。安住氏は総務省が音声内容の事実関係を調査し、衆院予算委理事会で報告するように要求した。同省は18日午前の同理事会で、報じられた会食中の音声について、秋本局長が一部は自身の声だと認めたと報告したが、衛星放送に関する発言があったかは「記憶にないということだった」と説明した。

東北新社献金と会食を認める
この回答に野党は猛反発し、19日に発言を改めて報告させるとともに、22日に予定される集中審議に谷脇、吉田両総務審議官を出席させることで合意した。

週刊文春』の音声録音公開は、17日の衆院予算委で、立憲民主党議員が菅首相を追及している最中だった。菅首相は、親しい間柄だった東北新社創業者の植村伴次郎氏やその長男(いずれも故人)からの「総額500万円の献金」と過去の会食も認めた。

ただ、会食については「10年ぐらい前のことで覚えていない」と具体的説明は避け、植村氏らのパーティー券購入も「法令に基づいて、適正に処理されている」と事実関係には踏み込まなかった。

しかし、音声公開で事態は一変。野党側は秋本局長らを攻め立てるとともに、国会答弁で「事業にかかわる話は一切ない」と答弁した武田総務相の責任問題も追及した。菅首相の立場も苦しくなっており、22日に予定される集中審議がこの問題で大荒れになる可能性も出てきた。

正剛氏は学生時代からミュージシャンとして活動し、大学卒業後も定職に就かなかったため、心配した菅首相が2006年の総務相就任時に政務秘書官に起用。その後、正剛氏は東北新社に入社した。

「コネ入社ではないか」との野党の追及に対し、菅首相は自らの教育論を述べ、「『自分のことは自分で責任をもって生きていく』と強く言って育ててきた」と防戦した。しかし、野党側は「情実入社の疑念は濃い、まさに李下に冠はたださず、だ」と責任追及を続ける構えだ。

安倍前首相は森友問題について、「妻や事務所が関与していたら総理大臣だけでなく議員も辞める」と啖呵を切り、それが財務省の前代未聞の公文書改ざん事件につながった。それだけに、菅首相が長男に説明を求めず、釈明や謝罪も拒否すれば、事態の深刻化は避けられない。

霞が関菅首相に反旗?
安倍前政権も菅政権も、「記録を隠蔽するなど、いわゆる逃げ恥作戦で疑惑を封じ込めてきた」(立憲民主幹部)のが実態とされる。官僚側も強い政権に忖度し、「知らぬ存ぜぬ」で野党追及をかわしてきた。

2020年1月の黒川弘務東京高検検事長(当時)の定年延長問題では、いったんは政府見解は変わっていないと答弁した人事院の女性局長が、その後の「政府として見解を変えた」という安倍氏の答弁で対応に窮し、「つい言い間違えた」という答弁を強いられた場面が記憶に新しい。

人事院は今回、総務省が調査をしている最中でも「国会での説明は妨げない」との見解を示し、秋本氏らは「自白」を余儀なくされた格好だ。こうした対応の変化は、「これまで恐怖政治で忖度させてきた菅首相に対する霞が関の反乱」(閣僚経験者)との見方も出る。

17日には、自民党白須賀貴樹衆院議員が高級会員制ラウンジを訪れていたことが暴露され、自民党離党と次期衆院選の不出馬の表明を余儀なくされた。「銀座の夜遊び」で離党した松本純国家公安委員長らに続く不祥事に、公明党からも「いい加減にしてほしい」との批判が噴出している。

コロナ感染防止の切り札となるワクチン接種が17日にスタートし、株価も3万円台を回復。最新の各種世論調査では内閣支持率も下げ止まり、菅首相に自信と余裕が戻ってきた時点で政権の火種が相次いでおり、菅首相も苛立ちを隠せない。

接待疑惑で総務省幹部の懲戒処分が決まれば、菅首相の責任も厳しく問われる。展開次第では2021年度予算の年度内成立が確定する3月2日の衆院通過も危うくなりかねない。菅首相は当分、「針のむしろに座る状況」(自民国対)が続きそうだ。

※※※ 骨川筋衛門のコメント

「ワクチン接種や森喜朗元首相の女性蔑視発言に揺れる永田町で、菅義偉首相の長男が絡んだ総務省幹部への接待疑惑が政権の新たな火種」となっていて、「与党内では「首相の身内が絡んだスキャンダルとしては、安倍前政権での森友問題以上に深刻」(自民幹部)との声が上がっています。森元首相の「女性蔑視」問題が上がった3日の『週刊文春』に、菅首相の長男・正剛氏が、現職の総務省幹部らを接待漬けにしていたことを暴露したことだった。「世襲打破」「苦労人」が売り物の菅首相にとって、手痛い身内のスキャンダルともなりかねず、政界や世の中に波紋が広がりました。

「問題発覚から2週間後の17日夕、『週刊文春』が二の矢を放った。正剛氏らが秋本局長を接待した12月10日の高級和食割烹での音声記録が公開されたのだ。音声は技術的に修正されているが、3人のものとされる会話の中には「BS」や「衛星」などの言葉が含まれていた」のでした。この録音で、「菅首相は、親しい間柄だった東北新社創業者の植村伴次郎氏やその長男(いずれも故人)からの『総額500万円の献金』と過去の会食も認め」ました。総務省の幹部も始めは野党の追及に対して、最初は、衛星放送の話をしたことを「忘れた」とどこかで聞いたセリフを言っていましたが、音声録音を聞いて事態は急変し、衛星放送の話をした音声が自分の声であることを認めました。この事態は、「これまで恐怖政治で忖度させてきた菅首相に対する霞が関の反乱」(閣僚経験者)との見方」も出てきていると著者は言っています。すでに2人の総務省幹部は官邸に「幽閉」されたも同然で、表に出ないように囲い込まれました。これ以上の事態の悪化を防ぎたい一心でガースー首相はあの手この手をやっていますが、次々と自民党の議員が銀座などで飲み歩くなども出てきて対応に追われました。はたして、今後、予算の成立など重要事案が通過できますでしょうか?

菅首相は、いずれ近いうちに「菅」と「相」が離れてしまい「首」だけ残ることになるのではないかと思います。

▼▼▼ 首切り魔それは俺だと自負してたその自分が首になるとは

                  コバヤシイッチャッタ 作