[423](投稿)管親子のドタバタ

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上の華美は下の助け?

第七代尾張藩徳川宗春がつくった政教書「温知政要(おんちせいよう)」に、「省略(倹約)するばかりにては~かへって無益の費(つひ)えとなることなり」という言葉がある。武家の支出が経済を回した時代だ。「上の華美は下の助け」という主張も一理あろう▼過剰な節制は生産活動や市場の収縮を招き、貧しい暮らしで人心も荒廃する。宗春は、享保の改革で緊縮路線を進める第八代将軍徳川吉宗に隠居を命じられたが、今日の名古屋の繁栄も芝居小屋などを整備させた宗春に負うところが大きい▼問題は、積極的な財政出動の恩恵が世間の隅々まで届くかどうかだろう。お上がいくらお金を使っても、庶民の生活が潤わなくては有効な政策とは言えまい▼東京株式市場がバブル期以来の高騰に沸いている。ワクチン接種による景気回復への期待もあるが、コロナ対策の財政出動や金融緩和による巨額資金が株式市場に流入しているようだ▼大企業は設備投資を控え雇用を削ってきた。コロナ禍で消費も冷え込み、実体経済との落差は著しい。とりわけ、公的資金で買い支える日本では、乖離(かいり)が顕著である▼大企業や富裕層のおこぼれで日本全体が潤うという「トリクルダウン」も最近聞かなくなった。賃金は上がらず、非正規雇用は拡大。富める者との差は広がるばかり。「何ごとも庶民目線で深い愛情を示せ」。「温知政要」第十八条の教えは今も傾聴に値しよう。(2021・2.20 北海道新聞 電子版 卓上四季 より引用)

※※※ 真田正幸のコメント
 新型コロナのパンデミックの最中(さなか)、今、株価だけは顕著に上がっている。株以外に投資する以外にお金がさらなるお金を増やすという運動をしなくなって、倒産する会社や小売店などが増えています。「富めるものはさらに富み、貧しきものは更に貧しくなる」という言葉がそのまま昨今は当てはまる時代です。安倍元首相の富めるもののおこぼれが、貧者の懐を少し温めるという「トリクルダウン」はどうなったのか?どこを向いても皆駄目になって「トリプルダウン」となっているのが現状なのではないでしょうか?
 不況・不景気のことを「デプレッション【depression】」と言いますが、この場合は経済用語で、普通の英語の小説などでは「意気消沈」・「憂鬱(ゆううつ)」として用いられます。
 コロナ禍では、「コロナうつ」という「憂鬱感(ゆううつかん)」を抱く人が増え、自殺者も増えています。この渦中では華美になっても、ワクチンを接種し、「3密」を避けることを継続していかないと、次の「のびのび働ける・遊べる」段階にはなかなか行けないと思います。
 弱い立場の人から「派遣切り」にあい、解雇され、倒産に巻き込まれ、「公助」を受けないとやっていけない時代です。
 にもかかわらず、Go To 事業などで、一部の人たちが一時良い思いをするという愚策を前倒しして開始し、それに乗って新型コロナウイルスは拡散しました。菅総理はまだそのことを認めてはいません。なぜならば、医療の逼迫(ひっぱく)が改善されれば、すぐにでも、Go To 事業を始めたいと考えているからです。二階の深く関係する観光旅行協会の反映のためになる事業ですから、この事業を辞めるわけにいかないのです。派閥を持たない菅総理を支えているのは「二階派」だから、「ステーキも食べに出なくてはいけなかった」のです(というのも菅の「言い訳」とちょっとうれしい「嘆き」に過ぎないことは皆様も良くお分かりだと思います)。
 現政権の菅首相も安倍元首相と同じ穴の狢(むじな)で、自分の息子と息子が雇用されている会社が、総務省の多くの幹部官僚連中を接待して、父子ともども窮(きゅう)しているのも、政治の世界は高い見識で動いているのではなく、賄賂と接待で動いているからです。安倍の「さくらを見る会」などの「おもてなし」事件なども、まだ全く解決してはいません。
 こんなことでオリンピックはできるのでしょうか?たとえ何とか出来たとしても、再度、新型コロナウイルス変異株のパンデミックが日本だけでなく世界にさらに拡散しないかと訝(いぶか)しく思います。
 現政権でも、これからの政権でも、一強と言われる自民党政権下で、あるいは別の政権下では、「何ごとも庶民目線で深い愛情を示せ」という言う「政治家」は生まれてこないでしょうね。
 読者の皆様は、今回の菅親子の「どたばた劇」をどのようにご覧になっておられますか?