[436] 香港元議員47人を起訴、中国全人代で選挙制度改悪の動き  

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管理人より

香港元議員47人を起訴、中国全人代選挙制度改悪の動き  

新華社通信は3月5日に開幕する中国人民代表大会で香港の選挙制度の改変案を審議すると伝えました。「愛国者による香港統治」を選挙制度を変えて実現しようとするものです。習近平は「愛国者」しか行政長官や議員になれない仕組みをつくるのでしょう。香港の労働者学生の反政府運動を「国家安全維持法」によって徹底的に抑え込んだ習近平。香港政府当局は明らかに中国当局の指示を受けて、2月28日、香港政府とたたかう香港元議員47人を議会から一掃することをねらって「国家安全維持法」違反で起訴しました。
 「一国二制度」などすでに過去のものとした中国共産党と政府は、今日からはじまる全人代で香港の選挙制度を改悪し「愛国者」という名の「イエスマン」で行政府、立法府を固めようとしているのです。
 私は次のスローガンを思い出しました。

戦争は平和である (WAR IS PEACE)
自由は屈従である (FREEDOM IS SLAVERY)
無知は力である (IGNORANCE IS STRENGTH)

これはジョージオーウェルの作品『1984年』に出てくる「ビッグブラザー」という名の党のスローガンです。独裁者「ビッグ・ブラザー」が支配する監視国家「オセアニア」は長らく戦時下にあり、個人の自由や思想が厳しく統制されている。また、政府は発信も受信もできる「テレスクリーン」と呼ばれるデバイスを使ってプロパガンダを垂れ流す一方で、市民の行動を常に監視している。「愛国者」のみ生きることが許されたのです。
ジョージオーウェル反共主義者ではありませんでしたが、スターリン主義によって変質したソ連にたいする批判をこめて小説『1984年』を書いたといわれています。
こんにちの中国は、「社会主義市場経済」という矛盾したスローガンのもとで資本制的生産様式が支配的に行われています。現代中国は元毛沢東型「社会主義」党であったがいまや脱色した「共産党」に牛耳られた政府が統制する資本主義国家であるといっていいと思います。
「一国社会主議」という革命戦略を掲げてはいません。中華ナショナリズムイデオロギー的支柱とし「一帯一路」という経済的政治的戦略に則って、アメリカに対抗して中国の影響力を拡大していこうとしている国家資本主義国がこんにちの中国です。国家統治のやり方はスターリンのそれを引き継いでいるといっていいと思います。

弾圧に負けない香港の人びと

2月28日NHKのウェブニュースは次のように報じています。

――――起訴された民主派の区議会議員や立法会の前議員は、28日警察に出頭する前、取材に応じました。
このうち区議会議員の劉頴匡氏は「不安や恐怖はあるが、これまで多くの仲間たちが経験してきたことだ。当局は、私たち数十人を刑務所に入れて香港の民主化運動を終わらせるつもりかもしれないが、香港の人たちがそうした考えが間違っていることを示してくれるだろう」と目に涙を浮かべながら、訴えました。
また、区議会議員の梁晃維氏は「今まで私がやってきたことは、香港を大事に思う気持ちからだ。後悔はしていない」と述べました。
さらに、立法会の前議員の郭家麒氏は、「2019年から今まで、香港は多くの変化を経験し、自由や民主などが失われ続けてきたことに多くの市民が悲しんでいる。私たちはあきらめてはならない。私が最も心配しているのは、みんなが恐怖に屈服してしまうことだ。今後、何が起きようともあきらめないでほしいと願うばかりだ」と話していました。――――以上NHK WEB

中国政府・香港行政府は、香港の労働者、学生、たたかう政治家のみなさんの心のなかを弾圧することはできません。怒りはやがて闘いとして燃え上がるでしょう。

私は日本の労働組合で連帯し、支援します。