[447](投稿)泊原発、プルサーマル凍結を撤回

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プルサーマル 唐突な北電の凍結撤回
 使用済み核燃料から取り出したプルトニウムとウランを再利用するプルサーマル発電について、北海道電力が泊(とまり)原発3号機で実施する方針を示した。
 10年前にこの計画のシンポジウムで社員の「やらせ問題」が発覚し凍結していたが、事実上撤回した形だ。あまりに唐突すぎる。
 そもそも泊再稼働を巡っては原子力規制委員会の審査が8年近くも続き、北電の不手際が指摘されている。許可のめどすら立たぬ中での方針転換は理解に苦しむ。
 凍結は道議会に参考人招致された経営陣が表明し、歴代社長も言及してきた。道民との約束の一方的な破棄はあってはならない。
 大手電力でつくる電気事業連合会は先週、2030年度までのプルサーマル発電計画を公表し、積極姿勢を明確にした。この中に泊3号機も盛り込んだ。
 破綻状態にある国の核燃料サイクル政策の延命と見られても仕方がない。混合酸化物(MOX)燃料に加工して再利用することでウラン資源循環化を目指すものだ。計画改定は東京電力福島第1事故後初めてで、さすがに東電は立地自治体に配慮し「いずれかの原発で実施」とのみ記述した。
 一方の北電は泊で使用するMOX燃料に含まれるプルトニウムの年間利用目安量まで明記した。やらせ問題の反省は見られない。北電が動員した社員らに賛成を表明させたことが後に分かり、道の担当課長の関与も判明した。対応を巡り道との間に亀裂が生じ、北電は凍結に追い込まれた。
 その後、歴代社長は会見で「立ち止まって整理することとしている」との発言を踏襲してきた。
北電はこの発言と推進姿勢は文言上矛盾はないとする。凍結から転じる理由など道民に最低限報告すべきことすら示さないのでは、地元を軽視していると言われても仕方がなかろう。 泊では非常用発電機の不具合を放置したり、気体状の放射性廃棄物を過少報告したりする初歩的なミスが相次いだ。
 MOX燃料を使うと核分裂を加減する制御棒の効きが低下することが指摘される。北電の技術力で対応できるのか疑問だ。
 北電の経営ビジョンでは泊再稼働後に電気料金値下げを図る。だが通常のウラン燃料に比べ、MOX燃料製造費用は7、8倍高いとされる。採算に合うのか。道内は今でも全国一電気料金が高い。結局はコストがかさむ原発依存体質こそ改める必要がある。
(2021・3・2 北海道新聞デジタルより引用)

※※※ 石川木鐸(ぼくたく)のコメント                                   

北海道電力は、使用済み核燃料から取り出したプルトニウムとウランを再利用するプルサーマル発電について、泊原発3号機で実施する方針を唐突に示しました。「泊再稼働を巡っては原子力規制委員会の審査が8年近くも続き、北電の不手際が指摘されています。許可のめどすら立たぬ中での方針転換は理解に苦しむ。凍結は道議会に参考人招致された経営陣が表明し、歴代社長も言及してきた。道民との約束の一方的な破棄はあってはならない」と社説の筆者は批判しています。                      
「大手電力でつくる電気事業連合会は先週、2030年度までのプルサーマル発電計画を公表し、積極姿勢を明確にした。この中に北海道電力は泊3号機も盛り込み」ました。この事態が生じたのは、「破綻状態にある国の核燃料サイクル政策の延命と見られても仕方がない。混合酸化物(MOX)燃料に加工して再利用することでウラン資源循環化を目指すもの」であると暴(あば)き、批判しています。また、泊原発では非常用発電機の不具合を放置したり、気体状の放射性廃棄物を過少報告したりする初歩的なミスが相次ぎ、そのようなミスに加えて、「MOX燃料を使うと核分裂を加減する制御棒の効きが低下する」と指摘し、さらにこれに加えて「北電の技術力で対応できるのか疑問だ」であると警鐘を鳴らしています。                                        
「北電の経営ビジョンでは泊再稼働後に電気金値下げを図る。だが通常のウラン燃料に比べ、MOX燃料製造費用は7、8倍高いとされる。採算に合うのか。道内は今でも全国一電気料金が高い。結局はコストがかさむ原発依存体質こそ改める必要がある」と批判のトーンを高めています。高い電気料金を払って、福島原発事故の二の舞を食らわされてはたまったものではありません。

読者の皆様、泊(とまり)原発再稼働に反対の声をともに上げて行きましょう!!