[455](投稿)避難解除区域過疎、高齢化

f:id:new-corona-kiki:20210315090056j:plain
福島の避難解除区域、居住3割 高齢者、全国の1・5倍

 東京電力福島第1原発事故で国の避難指示が出た福島県大熊町浪江町など11市町村のうち、避難解除された区域に住民票を置く人は4万5491人で、実際に住んでいるのは31・6%の1万4374人にとどまることが9日、各自治体への取材で分かった。11日で東日本大震災から10年。避難解除区域の高齢化率(65歳以上の割合)は全国の1・5倍に上る。県は新産業創出で若者の帰還促進と移住促進を目指す。
 政府も9日の閣議で改定した復興の基本方針で交流人口の拡大に取り組むとしたが、住民調査では「町に戻らない」との回答が高止まりしており、居住率の伸びは年々鈍化傾向にある。 居住率と高齢化率は1月31日か2月1日時点で各市町村が集計したデータを基に算出した。 年齢構成について回答が得られた9市町村の高齢化率は43・1%だった。全国の28・8%(2020年9月)に比べ高さが顕著だ。福島県は、県沿岸部に新産業を創出する「福島イノベーション・コースト構想」で地域を活性化させたい考えだが、人口増につながるかは不透明だ。 解除地域の範囲が異なるが、1年前の同様の取材では10市町村の居住率は28・5%、2年前は9市町村で23・1%、3年前は同14・8%で、上昇のペースが落ちている。
 居住者数には廃炉作業が続く第1原発や復興の関連で転入した作業員らも含まれ、避難先から戻った住民の数はさらに少ない。避難元の自治体から住民登録を外す人も増えている。
 避難指示が出された11市町村の人口は、震災前の2011年3月1日時点で約20万人だったが、21年2月1日時点での居住者は43・9%減の約11万2千人。
 復興庁が昨年8~10月に実施した双葉、大熊、浪江、富岡の4町の住民意向調査で、「戻らない」と答えた住民の割合が約5~6割と昨年とほぼ同水準。「戻りたい」との回答は1割にとどまる。「既に避難先に生活基盤ができている」との理由が多かった。
 福島県の内堀雅雄知事は8日、居住率の低迷について「住民が『古里に戻っても良い』と思える環境づくりをしたい」と述べた。(2021・3・10 北海道新聞デジタルより引用)

■■■ 武田心玄のコメント:「東京電力福島第1原発事故で国の避難指示が出た福島県大熊町浪江町など11市町村のうち、避難解除された区域に住民票を置く人は4万5491人で、実際に住んでいるのは31・6%の1万4374人にとどまる」ということは、7割は住民票はあるが空き家になっているといことです。高齢化率は全国の1・5倍で、ご高齢の方たちの町が多数を占めるわけです。▼福島県は活性化につながる「県沿岸部に新産業を創出する『福島イノベーション・コースト構想』」で「新産業」を創出で活性化を図る予定ですが、先行きは不透明です。▼復興庁が昨年8~10月に実施した双葉、大熊、浪江、富岡の4町の住民意向調査で、「『戻りたい』との回答は1割にとどまる」との回答です。9割の方は戻らないわけです。「すでに生活基盤ができている」方が多いわけです。

 福島第1原発の大震災と津波で、電源喪失してメルトダウンし、水素爆発をし、放射の汚染を招いた結果は大地や海洋の汚染を招いただけではなく、確実に各市町村と人の心と人との繋がりを壊しました。▼また、「自主避難」をした人には「補償金」を払わないという東京電力と政府の政策は全く噴飯もので、最初にこのことを耳にした時から私は怒り心頭に発しました。なぜ、死の灰放射線の危険を避けるのが当然のことなのに、死の灰を被り、死の灰が拡散した土地から遠く離れる方々には罰則を科すとでもいう法律などがあるのでしょうか!!空間線量が下がっても、今の空間線量の基準値は高く設定されていると思います。作業員の方の線量も極めて高く設定していると思います。まして、地面からの放射線はどうなっているのでしょうか?多分、他の死の灰を被っていないところよりも高く設定していると思います。女性と子供は男性よりも放射線の影響が高く、影響が大です。

▼話は飛びますが、米国の「原子力規制委員会」のヤッコという学者は、福島原発の水素爆発などを考えると「メルトダウンではなくメルトスルー」していると断言しています。すなわち原発の圧力容器が燃料の融解の極めて高い発熱で溶けて、底が抜けたと発言している記事が2019年9月21日の朝日新聞デジタル(注1)  に掲載されていました。いわゆる「チャイナ・シンドローム」が起きたのです。▼そのような場所から逃げ出すということは極めて自然なことです。「補償金」を出すことも当然のことで、「自主避難」するという極めて当然な考えと行動も正しいと思います。

▼「放射線障害」というのを検索されると多種多様な「病名」が出てくると思います。急性の放射線障害と後から出てくる放射線障害があります。これを認めるとほとんどの人が福島県や県外の人にまで及ぶことを東京電力原発を推進してきた政府の汚点と支出金額が大きくなるため、補償金の「歯止め」をしたと思います。▼東日本大震災の「余震」は、地震だけにとどまらず、多数の人たちの日々の生活にも影響を未だに与え続けていることを私たちは決して忘れてはならないと思います。

(注1)「米スリーマイル島原発が運転終了 60年かけて廃炉へ」(2019年9月21日の朝日新聞デジタル)をネットで調べてみてください