[470](投稿)第五福竜丸、大石さんの証言

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「卓上四季」 : 消えぬ被爆証言

核兵器による死の恐怖を身をもって体験した。「誰かが言わなければ、いつかきっと大変なことが起こる」。米国がビキニ環礁で行った水爆実験で被ばくしたマグロ漁船「第五福竜丸」の元乗組員、大石又七さんはそう思うようになったという(「ビキニ事件の真実」みすず書房)▼大石さんが重い口を開いたのは事件から約30年が過ぎた1983年のことだ。故郷静岡を離れ、クリーニング店を営んでいた東京で、地元中学の生徒から講演を頼まれたのがきっかけだ▼冷戦のまっただ中で、日本政府は米国との間で見舞金と原子力技術の供与という政治決着を図り、わずか9カ月で事件に幕を引いた。後遺症に苦しむ乗組員や「死の灰」の恐怖は忘れ去られた▼そんな忘却に対する憤りが大石さんの背中を押したのだろう。周囲のねたみや差別から長年被ばくを隠していた大石さんは精力的に証言を始める▼ルソーは「人は2度生まれる」と書いた。それは自我の目覚めの苦しみを言ったものだが、被ばくと向き合い生きる意味を見いだした大石さんの生きざまを振り返ると、人は何度でも「生きる」ことができるのだと教えられる▼福島第1原発事故後は、原発の危険性についても警鐘を鳴らした。犠牲者や避難者に国家権力や強大な存在に翻弄(ほんろう)された自身の姿を見たのだろうか。「事件にふたをしても俺の記憶は消せない」。民草の意地だった。(2021・3・23 北海道新聞 )

※※※ 骨川筋衛門のコメント

 「第五福竜丸事件」は「米国がビキニ環礁」で行った数多(あまた)の「水爆実験」のなかの一つです。(詳細は、「ハカル ワカル広場」の目次をご覧いただき、八王子市民放射能測定室の記事を参照ください)

 米国は何度も太平洋でも原水爆実験をし、世界中に放射能を拡散させていました。これはチェルノブイリ原発事故、福島第1原発事故と変わりません。米国南西部にも放射能は降り注いだと指摘されています。

 「卓上四季」の筆者はつぎのように言います。「冷戦のまっただ中で、日本政府は米国との間で見舞金と原子力技術の供与という政治決着を図り、わずか9カ月で事件に幕を引いた。後遺症に苦しむ乗組員や『死の灰』の恐怖は忘れ去られた」が、被曝した大石又七氏は地元中学生から講演を依頼され、「そんな忘却に対する憤りが大石さんの背中を押したのだろう。周囲のねたみや差別から長年被ばくを隠していた大石さんは精力的に証言を始め」たと。また、「ルソーは『人は2度生まれる』と書いた。それは自我の目覚めの苦しみを言ったものだが、被ばくと向き合い生きる意味を見いだした大石さんの生きざまを振り返ると、人は何度でも『生きる』ことができるのだと教えられる」とも「卓上四季」の筆者は強調しています。

 大石さんは福島第1原発事故についても警鐘を鳴らしました。「事件にふたをしても俺の記憶は消せない」と。

 このような事故がいつ起こるか分からないのに、「事件にふたをしても俺の記憶は消せない」という民草の意地の「発言」などどこ吹く風と、菅首相は「原発を活用するために」経団連とともに「二酸化炭素(CO2)排出実質ゼロ」を掲げています。この欺瞞的政策をストップさせなければなりません。ビキニ環礁事件、チェルノブイリ原発の大惨事、福島第1原発事故の大惨事(参考2)を我々、民草は忘れてはなりません。人は2度でも3度でも生まれ変わって「ダメなものはダメ」と皆に伝えて行こうではありませんか!!


八王子市民放射能測定室の「目次」を参照してみてください。

探したい放射能問題、放射の関連問題、例えば、「福島の原発故で生じた甲状腺の異常をどうとらえるか?」なども詳しく書かれています。

参考1:「第五福竜丸事件を超えて」石井暁子 アドレス:ビキニ事件とは何か?-第五福竜丸事件を越えて – 八王子市民放射能測定室 (hachisoku.org)

参考2:2019年1月12日 OurPlanetTV 白石草さん講演 「福島の子どもの甲状腺がんについて」 – 八王子市民放射能測定室 (hachisoku.org)

2019年1月12日 OurPlanetTV 白石草さん講演 「福島の子どもの甲状腺がんについて」 – 八王子市民放射能測定室
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