[487](投稿)<速報>政府、福島第一原発処理水海洋放出決定

福島処理水放出 疑念と反発招くだけだ
(2021・4・9 北海道新聞デジタルより)
 東京電力福島第1原発の処理汚染水について、菅義偉首相は薄めて海に放出する処分方針を念頭に「近く判断する」と表明した。
 水と性質が似た放射性物質トリチウムは除去できず残留したまま放出する。科学的には安全と説明するが環境への懸念は消えない。
 地元の反発は根強い。風評被害を不安視するのは当然だ。首相と面会した全国漁業協同組合連合会の岸宏会長は「反対の立場はいささかも変わらない」と述べた。この声に耳を貸さず決定に踏み出すならば問題だ。放出は30年間続くという。一度決めれば突き進む国の手法が、福島事故の背景にあることを忘れてはならない。
 放射性物質の除去技術や安全性確立までの間、新たに保管場所を確保するなど国は海洋放出を回避する方策を最後まで探るべきだ。
 福島第1原発では、事故で溶け落ちた核燃料(デブリ)を冷やす注水や原子炉建屋内に流れ込む地下水などで、1日140トン程度の汚染水が増え続けている。浄化後、敷地内に保管した処理水は125万トン分に及ぶ。東電の試算では、保管タンクは来秋以降容量が満杯になるという。政府の有識者小委員会は昨年2月、大気放出も選択肢としつつ海洋放出が有力と提言した。トリチウムを一定濃度に薄めて海に流すことは国際的に認められている。気になるのは判断に至る過程が「日程ありき」で進んだことだ。工事や審査の時間を考え、来秋実施に間に合うことを優先させた。
 周辺には活用可能な土地もあり容量拡大を視野に入れていれば、期限に縛られることはなかった。昨年10月にも方針決定を模索したが、地元の反発を受け先送りした。課題放置のまま時間切れを待ったと見られても仕方がない。 汚染水対策に国が本腰を入れたのは、8年前の大量漏出発覚以降だ。この年、安倍晋三前首相が東京五輪招致に向け「状況はコントロールされている」と演説した。
 その後、地下水流入を抑えるための凍土壁導入は期待通りの効果を上げず、多核種除去設備(ALPS)もすべての放射性物質を取り除くことができなかった。政府が昨年7回開いた関係団体などの意見聴取会では、放出への風評被害懸念が多く出された。事故10年後の現在でも韓国や中国など15カ国・地域が食品の輸入制限や規制を実施している。
 場当たり的な対応は五輪にも影を落とす。国内外の疑念や反発を招く拙速な判断は避けるべきだ。

※※※ 真田幸村のコメント:13日、菅首相東京電力福島第1原発の処理汚染水放出方針を決定し発表しました。
 「科学的には安全」と説明するけれど、放射能が6ミリ飛ぶということは、体内に入れば隣の細胞に放射能の「弾丸」が当たり、細胞が死滅するか多様な細胞が癌化し、癌を発症するか、心臓血管系ならばでこぼこになり、脆(もろ)い血管になったり、血栓ができ、狭心症心筋梗塞脳梗塞なども起こしかねないと思います。▼放出は30年間続くと言われますが、スリーマイル島の第2原発事故で「正常に」稼働していた第1原発でさえ廃炉を終えるのに最低でも60年を見込んでいます。福島第1原発の汚染水の海洋放出の収束はほんとうに30年で済むのでしょうか?デブリを抱えている炉心の高温の発熱を抑えるために水を掛け続けて冷却を行かなくてはなりません。トリチウムの汚染水が出なくなる日はいつ来るのでしょうか?デブリ取り出しまで何年かかるのかも分からなわけです。その時まで、海洋に汚染水を流し続けなければなりません。そのことにも政権・政府・東電等の思いが及んでいるとは到底思えません。
 社説では「放射性物質の除去技術や安全性確立までの間、新たに保管場所を確保するなど国は海洋放出を回避する方策を最後まで探るべきだ」と主張しています。今も汚染水は1日で140トン程度増え続けていると言われています。現在、敷地内にある保管タンクは来年の秋以降に容量を超えると予測されています。国際的にトリチウムを海に放流することは認められていると言いますが、認めてはいけないことを原発を稼働する限り処理できないために仕方なく認めているだけであり、危険性はないと強弁するしかないから「危険性はない」と言っているだけです。今回の放流について、「気になるのは判断に至る過程が『日程ありき』で進んだこと」で、「工事や審査の時間を考え、来秋実施に間に合うことを優先させた」と正しく見抜いています。だから、4月13日には、汚染水の海への放流の閣議決定を4月13日に一気にやることになったということです。人の命や漁協組合などの反対は押し切ろうと考えています。汚染水の問題があるにもかかわらず安倍元首相はオリンピック招致のために、福島原発事故は「アンダーコントロール」されているとぬけぬけと言い放ったのです。「その後、地下水流入を抑えるための凍土壁導入は期待通りの効果を上げず、多核種除去設備(ALPS)もすべての放射性物質を取り除くことができなかった」わけで、さらに新型コロナの感染が、日々さらに拡大しています。
 社説の筆者は「事故10年後の現在でも韓国や中国など15カ国・地域が食品の輸入制限や規制を実施している。場当たり的な対応は五輪にも影を落とす。国内外の疑念や反発を招く拙速な判断は避けるべきだ」と自説を結んでいます。私は危険極まりない汚染水の海洋への投棄には反対です。世界中の原発の稼働・再稼働にも反対です。

読者の皆様は、汚染水の海洋への放流をどのように思われますでしょうか!?