[494](投稿)学術会議任免、棚上げ

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学術会議「任命拒否」幕引きか 最終報告書案公表、6人の扱いたなざらし
(2021・4・9 北海道新聞デジタルより)
 日本学術会議は8日の幹事会で、会議の組織形態について現行の国の機関にとどまることが望ましいとする最終報告書案を公表した。会員の選考過程などの透明化も盛り込み、政府内からは自民党が強く要求していた国からの独立は求めない声が出ている。学術会議側は、首相が任命を拒否した6人の会員の任命を引き続き求めていく構えだが、政府は応じない方針で、任命や政治による介入を巡る問題はたなざらしのまま幕引きとなる可能性がある。▼ 報告書案は、国の特別の機関である現在の組織形態について、国を代表する学術団体「ナショナルアカデミー」の役割を発揮するために「変更する積極的な理由を見いだすことは困難だ」と指摘。独立した特殊法人などへの変更は「個別の法律制定が必要」などと否定的な見解を示した。▼ 会員の選考過程の透明化を図るため、選考方針は公表し、外部専門家からも意見を聴く。ジェンダーなどの観点で会員の多様性強化も図ることを盛り込んだ。▼ 会議の組織形態を巡っては、首相が6人の任命を拒否後、学術会議が政府が推進する政策に異論などを唱えてきたことに自民党内から批判が噴出。党プロジェクトチームが、政府から独立した組織への移行などを柱とする提言を発表し、学術会議側があり方を検討してきた。▼ 学術会議は21~23日に開く総会で、報告書案について議論した上で、政府に提出する。梶田隆章会長は8日の記者会見で、任命拒否された6人の任命を求め、総会で決議をする方針を示した。▼ 一方、加藤勝信官房長官は同日の記者会見で「任命権者である首相が最終判断をし、一連の手続きは既に終了している」と述べ、任命する考えがないことを改めて強調した。▼政府関係者は「新型コロナウイルス対策の提言など活動をしっかりできるかどうかだ。組織形態は本質的な問題ではない」と述べ、国からの切り離しは求めない考えを示唆。「200人もの学者が会員にいて、反対がなくなるとは思えない。官邸はこの問題に触りたがらなくなっている」と打ち明けた。▼共産党志位和夫委員長は8日の記者会見で「この問題を学術会議のあり方にすり替える議論はこれでおしまいにして、問題の核心である任命拒否の問題をきちんと解決すべきだ」と、政府の対応を批判した。(荒谷健一郎、玉邑哲也)

※※※ 真田正幸のコメント: 日本学術会議は8日の幹事会で、会議の組織形態について現行の国の機関にとどまることが望ましいとする最終報告書案を公表しました。報告書案は、国の特別の機関である現在の組織形態について、国を代表する学術団体「ナショナルアカデミー」の役割を発揮するために「変更する積極的な理由を見いだすことは困難だ」と指摘。独立した特殊法人などへの変更は「個別の法律制定が必要」などと否定的な見解を示しました。この「独立した特殊法人などへの変更は『個別の法律制定が必要』」という指摘にたいして政府はは太刀打ちできないでしょう。学術会議の会員の能力に比べ、長期の自民党政権に胡坐(あぐら)をかいて無理難題を吹っ掛ける「悪代官」である菅首相を先頭とする自民党やそれにこき使われて疲弊している過労官僚の及ぶところではないからです。
 悪代官は、かつて出版した「自伝」のなかで都合の悪いところは消去し、書き直し、貧農からでた「苦労人」ぶっていましたが、週刊誌などをはじめとする報道機関や野党から書き換えたことを指摘されると、新聞に自著の宣伝をするのを止めてしまいました。本当は苦労知らずの富農出身で、二階の後ろ盾がなかったら首相に成れる器ではないと思いますが、さすがにそこは報道機関も長く・深くは突っ込みませんでした。▼加藤勝信官房長官は、記者会見で「任命権者である首相が最終判断をし、一連の手続きは既に終了している」と述べ、任命する考えがないことを改めて強調しましたが、手続きの問題ではなく、なぜ6人それぞれの任命をしなかったのかを学術会議が求めても未だ明らかにしていません。これこそが根本問題です。即座に改めるのは自分の「自伝」だけにして、人民にとっても大事な「学術会議」を政権の紐付きにするということは止めてもらいたいものです。▼昨年から、こんなバカげたことをしている場合ではありませんでした。昨年からやるべきことはただ一つ「新型コロナ対策」でした。自国で新型コロナワクチンを作る能力を失うような政策を改め、医療・医学・薬学・保健学等々の基礎部分にも大金を投資すべきです。今からでも遅くありません。英米からワクチンを購入するだけではなく、自国でもワクチンを作るべきです。メッセンジャーRNAのワクチンなら、変異株にも早く対応できると報道にあるように、もっと早くから自国でワクチンを作る努力をすべきだったのです。早く作りワクチン接種を広げる努力をすべきです。▼学術会議とその構成する会員の任命は、最低でも、「形式的なもの」と言ったかつての首相のレベルと同じくらいの道を歩むべきです。さらに言えば、もっと潤沢な予算を学術会議に投入すべきです。学術会議の会員の仕事は、決して手弁当でできる仕事ではないと思うからです。▼貧困な頭の首相は「反対するもの」を「左遷する」・「登用しない」のは得意でも、育てる・伸ばす能力は低いと思います。読者の皆様はどのように思われますでしょうか!?

編集部の註:
 戦時下の日本を知る、元学術会議会員で気象学者の増田善信さん(97)が「コロナ下で社会の関心が薄れていると感じていた」3月以降、SNSを通じて集めた「任命拒否撤回」の署名6万人超を内閣府に提出しました。(4月19日)

 増田さんは、戦争中、海軍少尉として島根県の大社基地に配属され、出撃する爆撃機の乗員に風向きなどの気象情報を伝えました。
 「軍隊はデタラメばかり。何て不合理なんだ」と感じたけれど、口には出せなかったと言われています。任命拒否問題を聞いて、増田さんは科学者が戦争に協力させられた戦時中を思い出し危機感を覚え署名活動をはじめました。
(4月20日朝日新聞朝刊参照)