[503](投稿)40年超原発再稼働を福井県知事容認

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40年超原発、初の再稼働へ 福井県知事同意、関電3基

 福井県の杉本達治知事は28日、県庁で記者会見し、運転開始から40年を超えた関西電力美浜原発3号機(同県美浜町)と高浜原発1、2号機(同県高浜町)の再稼働に同意すると表明した。必要な地元同意手続きは完了し、東京電力福島第1原発事故後、原発の運転期間を原則40年と定めたルール下で初めての延長運転が確実になった。関電は近く再稼働の工程を公表し、燃料装填などの準備を進める。

 温室効果ガス排出量を実質ゼロにする「脱炭素社会」の実現を掲げ、既存原発の活用を進めたい国や関電にとって大きな節目となる。一方で建設から長期間を経た原発の安全性や、避難計画の実効性への懸念は完全には解消されておらず、国民の理解を得られるよう丁寧な説明が求められる。

 美浜、高浜両町は2月に再稼働に同意し、今月23日には県議会も容認した。関電は知事が求めた使用済み核燃料を一時保管する中間貯蔵施設の県外候補地を2023年末までに確定させると約束。知事は現地で3基の安全対策を確認し、27日に梶山弘志経済産業相から原子力政策や地域振興策の説明を受けた。

 ただ3基はテロ対策施設の完成が遅れており、仮に再稼働しても高浜1、2号機は6月上旬、美浜3号機は10月下旬に設置期限を迎え停止する。

 国内では日本原子力発電東海第2原発茨城県東海村)も最長20年の運転延長が認可されたが、同意手続きは進んでいない。(2021・4・28 北海道新聞デジタルより)



※※※ 真田正幸のコメント:

 再三投稿で言われている原発の再稼働で、40年を超える原発の再稼働はしてはいけないと思います。スリーマイル原発事故、チェルノブイリ原発事故、福島第1原発事故等々発生後のその後の原発を稼働させている国家は、脱原発の流れになっています。スリーマイル島原発事故では、残った原発の継続的使用はペンシルバニア州知事が中止にしました。ソビエト連邦の解体はチェルノブイリ原発事故によって始まりました。日本は、東海村IOC臨界事故(注1参照)、そして何よりも、2011年3月11日の東日本大震災による電源喪失によるブラックアウトの結果、チェルノブイル原発事故と同レベル7の過酷な原発事故が生じ、原発事故による放射能によって、多くの人々の未来を徹頭徹尾変えてしまいました。(注2)

 それからまだ10年も経ていない中、放射能に悩まされ、汚染水に悩まされている事態を横目で見ながら、しかも、いまだ「原子力緊急事態宣言」下にあるにもかかわらず、福井県の杉本達治知事は、運転開始から40年を超えた関西電力美浜原発3号機(同県美浜町)と高浜原発1、2号機(同県高浜町)の再稼働に同意すると28日に表明しました。安倍元首相も杉本達治知事も「原子力緊急事態宣言」を全く意に介さない鉄面皮な人物だと思います。

 炭酸ガスの排出を減少させるという名目のために、原発をさせても炭酸ガスは減らせません。むしろ、これ以上は、不要でしかも捨て場のない「核のごみ」を増やすだけです。(注3)

 原発の稼働は40年と一応言われていますが、原発の鋼鉄などで作られている圧力容器や格納容器は、核燃料の放射能による劣化や2800℃になる高温で、かなり脆弱(ぜいじゃく)になっていると思われます。いわゆる放射能による金属の経年劣化です。それを無視して、補助金のカネ目当てで稼働をするなら、得るものはなく、失うものが極めて大きい「第2の福島原発事故」をもたらすだけだと思います。

 現在、福島第1原発の近くはもちろん遠くまで広がった放射能汚染や、汚染水の海洋放出までごり押ししようとしている菅政権のやり方を見ていると、日本海に汚染水を直接放出する羽目に陥ります。また、田畑や森林や山岳にも放射能は散乱します。福島では、有機農法をやっていた方が自殺したり、牧場を経営していた方は牛たちを放置せねばならない羽目に陥りました。住居を失うことを余儀なくされた人は数えきれないくらいおられます。ご高齢の方は逃げる最中に亡くなられました。そんな結果をまた招こうとしています。

 しかも、福島の原発事故から10年経過すると、住居手当も出してくれない仕打ちを政府はしました。このような仕打ちをする「冷酷な」菅政権・政府・電力会社(東京電力)です。

 福井県内だけに放射能は降り注ぐわけではなく、隣り合う京都府滋賀県富山県、少し離れていても中部地方、東北地方、西日本などにも放射能の粒子は降り注ぎます。滋賀県にある琵琶湖が放射能汚染されると滋賀県だけでなく、琵琶湖の水を利用している京都府大阪府などは、琵琶湖のから流れ出る河川水を飲料水や工業用水として利用できなくなります。山林、田畑、牧畜、山菜取り、漁業等々に多大な影響が及びます。

 反対するなら今です。新型コロナ禍対策に忙しい最中を利用して、コロナ禍のどさくさに紛れて、使用限度の40年を超え経年劣化した原発をわざわざ選んで、稼働させるという「政治屋」の悪行に対して、多くの人たちは団結して反対の運動と声を上げて行きましょう。コロナ禍で、反対運動も「3密」を避けると見込んで、今なら劣化した原発の再稼働ができると政府と福井県知事や関西電力は思っていると思いますが、それを押し返してでも、工夫して原発再稼働に対して反対運動を起こすべきです。未来の子供たちに禍根を残してはなりません!!それが現在に生きているわたくしたちの使命だと思います。

 読者の皆様、多くの人たちと連帯して、原発再稼働反対の運動と声を意見を上げて行きましょう。そうでなければ、原発事故が発生したならば生活も成り立って行かないと思います。放射能障害による病を生じる可能性もあります。また、生命を失う危険もあります。福島の人たちのこの10年間の苦しみを共有することから始めませんか!!原発再稼働反対の運動を作って菅政権・県知事・関西電力の愚かな策動を止めましょう!!

注1:東海村JCO臨界事故 - Wikipedia
注2:東日本大震災 - Wikipedia
注3:「原発事故は終わっていない」 小出裕章 著 毎日新聞出版 2021年3月5日 発行