[521]浮かび上がったテレワークの問題点

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 5月16日の朝日新聞がテレワークを導入した企業の労働の管理について問題提起しています。2020年春以降、新型コロナ感染症の広がりをきっかけとしてテレワークが急速に広がりました。現在、労働者の働きぶりをリモートで確認できるソフトが開発され、朝日新聞は「新たなストレスの温床にもなっているようだ」と述べています。

 小見出しでこう言われています。
「テレワーク 監視されている?」「作業内容が筒抜け」「会社がPC履歴収集 『管理』と線引きは?」「『労使でルールを』」

 この見出しを読めばテレワーク労働の労務管理で何が起きているのか、大体わかると思います。

 ウェブサイトや紙媒体の編集などを請け負う会社に勤務していた労働者がテレワーク生活を語っています。ソフトを導入するにあたって上司から理解を求められました。「監視されていると思わないでください。上司と部下が対面する機会が激減するため、各人の業務量が適正か、効率的に業務がこなせているかなどを客観的な数値で把握し、業務分担の改善や生産性の向上につなげたい」という趣旨の説明があったといいます。
 労働時間管理だけではなく、仕事の内容、やり方までリアルタイムで把握できるというのは働く側からいえば監視されていると感じます。これまでは仕事の結果で評価されていましたが、このソフトを使うと結果にいたる作業内容までもが会社に筒抜けになります。監視されていると思わないでくださいといわれればいわれるほど、監視を警戒してしまいます。その労働者は意味なくメールをいじるなどして「さぼってないというアピール」をしてしまったこともあったそうです。

 この種のソフトが、今後職場に導入されるのであれば、組合は反対する立場に立って会社と話し合い労働時間管理など運用上のルールを決めていくことが大切です。組合がない場合には職場の同僚と話し合って共同して上司に働きかけていくことが大切です。会社にその意図はないといわれても監視されているというのは働くものが感じることです。一人で会社にものをいうのは難しいと思います。