[527](投稿)核のごみ処分、停滞する対話の場

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<核のごみ どこへ>停滞する「対話の場」 寿都、神恵内で文献調査開始半年 NUMO、収集資料近く公表へ

原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定に向けた文献調査が後志管内寿都町神恵内村で始まり、17日で半年となった。処分事業を行う原子力発電環境整備機構(NUMO)は、両町村が処分地として適しているか評価するため、活断層や火山の活動記録などを調べており、近く収集済みの資料の一覧を公表する。▼NUMOは、国が2017年に全国のどの地域が処分適地かをおおまかに示した「科学的特性マップ」を基に、より詳細な3段階の調査(文献、概要、精密)を行い、処分地を決める。
 NUMOによると、今回の文献調査では、同マップの作成に使った資料のうち両町村に関するより詳細なものに加え、寿都町の旧鉱山の鉱区図など地域に特有の資料も集めている。調査は東京のNUMO本部で行っており、近く収集した資料の一覧をホームページで公表する。ただ、公表は中間評価の状況など具体的な内容には至らず、調査の進捗(しんちょく)を説明する形式的な内容にとどまる見通しだ。▼一方、NUMOは4月中旬、住民に調査の進捗を説明し、地域振興策について意見交換する目的で設置した「対話の場」の初会合を両町村でそれぞれ開いた。
 ただ、当初1月に開くとしていた初会合は新型コロナウイルスの感染拡大で遅れ、次回会合も深刻なコロナ禍で見通せておらず、開催頻度を月1回としていたNUMOの計画は大幅に変更を余儀なくされている。▼ NUMOは「想定外の事態」(広報)としているが、今後も開催の先送りが続けば、住民に十分な説明がないまま調査ばかりが進むことになりかねず、NUMOは開催方法の見直しも含めて検討を迫られそうだ。(前野貴大、川崎学)(2021・5・18 北海道新聞デジタルより)

※※※ 真田正幸のコメント:
 書かれているように「NUMO(原子力発電環境整備機構)」は、「核のごみ=高レベル放射性廃棄物」の廃棄処分を目的とした組織です。地層研究の専門家は、基本的にはすでに「文献調査」や「概要調査」などはすでに終わっていると考えています。しかし、急に「核のごみ」の選定場所と指定し、住民を驚かしては元も子もありません。作戦を練って、これまでの東洋町の教訓を生かして、いかに核のごみに対する反対運動を抑え込みながら、寿都町などを核のごみの処分地に指定していくかを考えます。住民をなだめすかし「騒乱」を避けながら、「最終処分場」としての核のごみ捨て場を確保することが「NUMO(原子力発電環境整備機構)」の使命・役割なのです。慎重に事を運ぶでしょう。水面下では、片岡町長をはじめとする金儲けを第一とする「商工会」などをすでに篭絡(ろうらく)していると思います。▼寿都町神恵内村がまことに軟弱な地層であり、極めて危険であると分かっても(北大の某研究者は既に寿都の地層は危険だと言っていました。すでにこのことは、このブログにも掲載されています。)しかし同じ大学でも、研究者によって意見が異なるのは、政府に寄り添った意見を言う方が「研究費」がたくさん入るからです。研究費は国が査定しているのですから、国の得になる意見を持った研究者に研究資金を手厚くするのは「常識」です。
 世間には知られていないかもしれませんが、なぜそこまでするのかというと、これ以上各地の原発に保管しておけないほど日本中の核のごみは膨れ上がっているからなのです。この核のごみ=「高レベル放射性廃棄物」を地中に埋め隠すことを模索しているのです。しかし、核のごみ・放射性物質は短期間では決してなくならないものです。100万年は要します。また、なぜ大都市の地中に処分しないのでしょうか?それはやはり危険だからです。また同時に地代が高く、事故を起こしたら保証金も莫大にかかるからです。福島第一原発事故を想起してみてください。▼狭い日本の国土は、地震列島であり、火山列島であり、津波列島であり災害列島であることを忘れているかのように、各電力会社が儲けるために原発を作ってきた「つけ=核のごみの処分」が、今日では大変な重荷になっています。それをなんとか見せかけでもいいので「僻地の地中に埋めて解決?したい」のです。▼一時、カナダが引き受けると報道されましたが、すぐにカナダはその件を引っ込めました。どこの国も「脱原発」の方向に舵を切り始めています。すべて、原発の老朽化と溜(た)まりに溜まった「核のごみ=強毒物質の高レベル放射性廃棄物」の処分に頭を悩まされているからです。また、チェルノブイリ福島第一原発の過酷な事故を自国で起こしたくないのです。▼かつて日本は核のごみを米国の先住民が多く住んでいる土地に埋めたことがありましたが、今は米国もそれはさせてくれません。それどころか米国自身の核のごみの廃棄処分に頭を悩ませているのです。新しい原発は一基も作っていません。スリーマイル島原発事故やチェルノブイリ原発事故や福島第一原発などの事故で、得るものより失うものが多いと身に染みたからからです。原発の燃料を作るのにも、高レベル放射性廃棄物の廃棄処分を考えると経済的にも間尺に合わないのです。▼そのような「核のごみ」を受け入れる金目当て・欲ぼけの片岡町長を先頭にした商工会やその一党は、子孫のことや他人のことや周辺地域のことや我が国の将来のことなどは、露ほども考えていないのです。「核のごみで荒れ果てて、ゴーストタウン」となる日が来ると思います。片岡町長ら町の「ごうつくばり」支配者ども一党が、他界してからしかそのことは分からないことでしょう。こんなことを許していいものでしょうか?コツコツ働き、汗水流して働いて生活できていることこそ、その姿を子供もたちが見てすくすくと育つことにきっと役立つと思います。核のごみの廃棄に反対して行きましょう!!