[574](投稿)寿都町「対話の場」7人欠席

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「対話の場」会則案了承 寿都で2回目会合 委員7人が欠席
06/26 01:07 更新
 【寿都原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分事業を担う原子力発電環境整備機構(NUMO)は25日、処分場選定に向けた文献調査を行う後志管内寿都町で、住民と意見交換する「対話の場」の第2回会合を開いた。町が選定した委員20人のうち出席したのは13人で、反対派を含めた5人は欠席し、2人は委員就任を辞退したと報告された。NUMOは4月の初会合で反対派から異論が出た会則の修正案を示し、了承された。▼ 片岡春雄町長は冒頭、「対話の場は自由闊達(かったつ)に意見交換してもらうことが目的だ」と述べ、会則の修正に理解を求めた。会則は当初、「処分事業への理解を深めていただく」としていた文言が「処分ありきだ」と反発を招いたため、修正案では「処分事業への賛否にかかわらず、自由で率直な議論を深めていただく」と変更した。対話の場は町とNUMOが共同で運営することも明記した。▼ 調査に反対する幸坂順子町議は「核のごみを持ってくるのが目的のNUMOと町の共同運営はありえない」と反対意見を述べたが、会則は賛成多数で了承された。▼ 参加した委員13人はこの後、意見交換し、「処分場選定の制度や処分技術についてもっと情報がほしい」「対話の場以外にも若い世代向けの会合などが必要だ」と、同席したNUMOや経済産業省の担当者に注文を出した。▼ 寿都商工会の金子光司会長は「いろんな意見が出て良い対話の場だった」と語り、町議会の石沢洋二副議長は「ようやく一歩踏み出せた」と話した。▼ この日は町議2人と住民団体、産業団体の各1人の調査反対派4人が欠席し、次回以降も出席しない意向。2人が委員に選ばれた町内会連合会は委員就任を辞退したと報告された。このほか福祉団体の1人がこの日は都合がつかないとして欠席した。▼ 片岡町長は終了後、欠席者や辞退者が相次いだことについて「戻ってもらえるようにお願いし続ける。補充は考えていない」と記者団に説明した。▼ 同じく調査が進む同管内神恵内村では30日に「対話の場」の2回目が開かれる。(前野貴大、岩内江平)(2021‣6・26北海道新聞デジタルより)

※※※ 骨川筋衛門のコメント:

 「トイレのないマンション」と言われてきた日本中の原発から排泄(はいせつ)される「核のごみ=高レベル放射性廃棄物」を、これからも原発のさらなる再稼働も画策している各電力会社と菅・自民党政府は、たんまりため込んだ「核のごみ=高レベル放射性廃棄物=核のウンコ」を日本のどこかに埋めるしかなくなっています(トリチウムという放射性物質については、政府は、「福島漁連」や「全漁連」の反対にもかかわらず海洋投棄を狙っています)。
 政府はその「核のウンコの埋葬」の「適地」を探っているのですが、文献調査として10億円ですが、最大で10億円追加され20億円にもなるとも言われています。これに疑問を感じている「原子力資料調査室」(注1)では、法外な値段はなぜ提示されるかを暴(あば)いています。 
 NUMOは、「対話の場」を設けましたが、「対話の場」という名前の会の「会則」には当初、「処分事業への理解を深めていただく」としていた文言が、最初から「『処分ありき』の会則だ」と住民の反発を招いたために、修正案では「処分事業への賛否にかかわらず、自由で率直な議論を深めていただく」と変更しました。しかし「対話の場は町とNUMOが共同で運営する」ことも明記し、主導権は町議会あるいは片岡町長とNUMOにあることを潜(ひそ)ませました。それに対して、調査に反対する幸坂順子町議は「核のごみを持ってくるのが目的のNUMOと町の共同運営はありえない」と反対意見を述べましたが、文献調査等で10億円~20億円を手に入れたい「調査賛成派」の賛成多数で会則は通過しました。                                     
 「結局、このようになる」と分かっている人たちは、すなわち、町長派とNUMOとの「出来レース」と分かっている反対派の人たちの多くが、場合によっては板挟みになっている人たちは、この会に出席しませんでした。そのようにこの記事は読み取れます。
 いろいろな「文献」や「原子力資料情報室」の「情報」=「警戒警報」を読んでいると、国策としての核のごみの捨て場を求めての「悪あがき」の一つとして、文献調査や概要調査などという名称をつけて、カネでほっぺたを叩(たた)いて、「核のごみ」を受け入れさせるということが分かります。寿都町岩内町、泊村、神恵内村などは一つの海と海岸で繋がっています。放射線科医である西尾正道氏は「被曝インフォデミック トリチウム内部被曝――ICRPによるエセ科学の拡散」(寿郎社 1210円)を 2021/3/13に上梓されています。この中で岩内町から寿都町に至るまでの住民の癌の発生は、一般の市町村の1.2倍になっていると書いています。泊原発から排出されているトリチウムなどが原因だと書いています。これに輪をかけて、核のごみを持ち込まれたらどうなるのでしょうか?
 福島第一原発事故は10年たっても終わっていません。40年たっても終わらないと報道でも言われています。議論の余地はありません。今稼働している原発の即時停止と原発の処分を考えるのにエネルギーを注ぐべきです。停止している原発の再稼働は止めなければならないと思います。

注1:原子力調査室については、「文献調査」にだまされないために | 原子力資料情報室(CNIC) を参考にしてください。