[580](投稿)政府、責任転嫁の強圧姿勢

f:id:new-corona-kiki:20210715061855j:plain
西村担当相発言 責任転嫁の強圧姿勢だ
07/13 05:05(北海道新聞社説より)

 政府の責任を棚に上げて飲食店に責めを転嫁するのは筋違いだ。▼ 新型コロナ対策を担う西村康稔経済再生担当相が、東京都などへの緊急事態宣言の発令に合わせ、酒類の提供停止に応じない飲食店に強圧的な対応を打ち出した。▼ 一つは飲食店に取引金融機関から順守を働き掛けてもらうものだ。金融庁全国銀行協会に文書を出す準備を進めていたが、与野党の反発で撤回に追い込まれた。▼ もう一つは酒の卸業者などに対する取引停止の要請で、こちらは撤回せず、内閣官房国税庁が業界団体に文書で通知した。▼ 国税庁などは規制官庁であり、要請も事実上の命令と受け取られよう。政府は間接的に影響力を行使する形だが、法的根拠はない。▼ 私権制限は最小限とするのが原則だ。憲法に基づく営業の自由に抵触しかねず、権力の乱用とも言うべき要請は撤回すべきである。▼ 飲食店が応じないのは、政府の支援が不十分なことが大きい。ワクチン接種の遅れや病床の未整備といった失態を顧みずに飲食店ばかりを標的にするなら、政府への反発は強まるだけで逆効果だ。▼ お金を借りている飲食店にとって金融機関の意向は無視できず、立場は弱い。▼ 取引関係で強い立場にある金融機関を政府の要請で関与させる行為は、独占禁止法が禁じる「優越的地位の乱用」に当たる恐れがある。西村氏の発言が金融機関から懸念を持たれたのは当然だ。▼ また、卸業者などを通じて飲食店に取引停止を要請することについても、業界から取引先との信頼関係を壊しかねないと反発する声が上がっている。▼ 飲食店だけでなく、卸業者も窮地に陥りかねない。▼ 緊急事態宣言は4度目となり、要請や命令に応じない飲食店が増えているのは事実である。順守している飲食店などからすれば不公平感もあるだろう。▼ だが、支援の協力金の支給遅れや額の不十分さは改善されていない。政府は協力金の先渡しが可能となる仕組みを導入するとしたが、検討が始まったばかりだ。▼ 政府は、経営支援を強化しなければ飲食店の協力が得られないことを強く認識せねばなるまい。▼ 緊急事態宣言下での東京五輪開催などに関し、政府の国民に対する説明は足りない。政府・与党は野党が求める臨時国会召集に応じるべきだ。▼ 菅義偉首相は説明責任をしっかりと果たす必要がある。

※※※上杉真剣のコメント:

 問題は、「政府の責任を棚に上げて飲食店に責めを転嫁するのは筋違いだ」ということです。西村康稔経済再生担当相が中心となり、「飲食店に取引金融機関から順守を働き掛けてもらい」「金融庁全国銀行協会に文書を出す準備を進め」たことで、飲食店、酒類卸店などから猛反発されました。政府は野党からも追及され、法的根拠のない「制限・禁止」工作は撤回せざるを得なくなりました。
 政府の問題は、オリンピック開催を目前に控えて焦り、感染拡大の抑え込みを、現場の経済的・精神的苦境を無視して権力を行使してやろうとしたことにあると思います。金融機関からも西村氏の行為は「取引関係で強い立場にある金融機関を政府の要請で関与させる行為は、独占禁止法が禁じる『優越的地位の乱用』に当たる恐れがあり、金融機関から懸念を持たれたのは当然だ」と社説では書かれています。経営難に苦しむ飲食店、酒類の卸業の人たちのことを考えない、私権の制限にもつながる「拙速で、下賤な工作」は、してはならないことです。
 西村氏や菅氏などが行っている為政は、オリンピックが「平和の祭典」でもなく、政治の一部分であり、またここでは書かれていませんが、オリンピックを演出することに関わる・バッハ会長をはじめとする一部の人たちの金儲けと政治の場と化していることもこれらの件で露(あら)わになったとも思います。読者の皆様はどのように思われますでしょうか?