[601](投稿)中等症の一部自宅療養へ

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中等症の一部、自宅療養に 窮余の策、政府に批判
08/04 05:00
 政府の新型コロナウイルス対策は、入院を巡る方針でも抜本的な転換を迫られた。国内の感染状況の悪化が懸念される中、医療崩壊を避けるための「窮余の策」で、菅義偉首相への風当たりはさらに強まった。▼ 「誰もが症状に応じて必要な医療を行うことができるように方針転換した」。首相は3日、日本医師会中川俊男会長らに「前向きな方針転換」を強調した。▼ 実態は違う。つい最近まで「ワクチンで高齢者の感染は減っている」(首相)と楽観論が漂っていた官邸内は、感染力が強いデルタ株のまん延で空気が一変。「このままでは医療が対応できない」(政府高官)との不安に覆われた。▼ 東京都などを通じ、調整する保健所の悲鳴の声も届いた。首相周辺は「最近はホテルも通常の客が増え、宿泊療養の空きがない」と、自宅療養を増やさざるを得ない実情を打ち明ける。▼ 政府の説明も混乱を招いている。首相は2日の関係閣僚会合で「重症患者や重症化リスクの特に高い人以外は自宅療養が基本」とし、中等症の扱いを明言しなかった。田村憲久厚生労働相は3日の記者会見で酸素投与が必要な患者は「在宅でも対応できるようにしている」と説明したが、首相は中川氏らに「確実に入院してもらう」と明言。中川氏らが聞き返す場面もあった。▼ 全国知事会飯泉嘉門会長は同日、田村氏に中等症のうち、入院対象から外れる患者の基準を国がしっかり明示するよう求めた。▼ 自民党幹部は「しっかり説明しないと」と憤った。公明党山口那津男代表は首相と官邸で会食し「中等症も医療的ケアを受けられるよう丁寧に対応してほしい」と注文した。立憲民主党枝野幸男代表は党会合で「安全安心と繰り返してきた中で突然、中等症が病院で治療を受けるという最低限のことすらできないと言い出す」と批判した。▼ 首相は3日、記者団の「新たな入院基準に不安の声もあるが」との問いかけに答えず官邸を去った。(荒谷健一郎)(北海道新聞デジタルより引用)

※※※ 森論外のコメント:

 ◆現下の「新型コロナ感染」の状況はまさしく「緊急事態・有事」そのものです。東京都では、感染者の増加と救急搬送しても入院するまでに8時間を要し、しかも受け入れ病院は遠方にあり、受け入れられたのは奇跡的だったというしかないと思われる報道もありました。◆少し前は首相は「2種類の抗体カクテル」に飛びついて、いかにも自信ありげに?治療に光が見えたかに語っていましたが、その薬剤の適応は、軽症から中等度の初期段階までであり、投与方法は病院でなければできない点滴だと各報道で言われています。また、現状では救える命も救えないという厳しいという批判にさらされています。与党内からも首相に対して批判の声が上がっている始末です。◆オリンピックの舞台は急ピッチで作り上げたのに、軽症・中等度の新型コロナ患者さんたちが医師や看護師等の医療従事者の管理下になければ、急変に対応できずに呼吸困難等で急死する場合も少なくない状況にもかかわらず、放置されています。今必要なのは「新型コロナ対応専門病院」の新設を行い、即応すべきではないかと考えます。

 ◆「自宅療養」というのは、「命のトリアージ、すなわち命の選別」を菅首相は行うことになると報道では「批判」していました。このままでは、まさに「命の選別」を行うことになります。◆若くしても急速に肺炎が悪化し、呼吸困難になり「人生で一番苦しい」という自宅待機させられた中等度の感染者の発言も報道されています。海で溺(おぼ)れかけて、息ができない状況のことを想像してみてください。こんな時に、パルスオキシメーター(注1)というものを自分一人で扱い、救急車を呼んだり、病院に電話ができると思いますか?新型コロナの怖いところはこの病状の「急変」にあります。自宅療養をしていた方の「急変」は結構な数があると報道されていました。

 ◆オリンピックを開催した下策とそのさなかにすでに感染症や統計の専門家によって予想されていた、オリンピックのお祭り騒ぎの人出による「感染の急ピッチでの幾何級数的増加」が現実のものとなっています。これを治める方策を持たないままで時は過ぎていきます。「死屍累々」とならないとありあえずの対策は?長期的にはワクチン等の自国での開発に多額の資金を政府は投入すべきです。◆BSの報道番組「1930」で三重大学医学部教授は、英国に倣(なら)って、鼻腔からのワクチン接種を考えているそうです。しかも新しいワクチンの開発もしているそうです。しかし、大学の研究には国家はほとんど資金を出さないそうです。大手の製薬メーカーには多くを出すそうですが、大学や大学と提携しているベンチャー企業には微々たる投資しかしません。諸外国では大手製薬会社だけでなく、寄付金だけで素早く研究が進む「制度・習慣」があり、研究の土台と文化の違い・底力が異なるわけです。これでは研究も遅れ、人材を失い、経済も回って行かないことになります。資金があればもっと早く新しいワクチンを開発できると断言されていました。  

 ◆直面している「新型コロナ」対策に、その感染増加の歯止めとなるワクチンや治療薬の研究に、同時に、軽症・中等度の人も医療の監視下における「病院」を作るべきだと思います。少子高齢化で困っているにもかかわらず、人材をコロナ禍で失ってよいものでしょうか?他の病を治す治療を後回しにしかならない政策で良いのでしょうか?

 ◆読者の皆様はどのようにお考えになられますでしょうか!!

(注1)パルスオキシメーターの使い方等について:パルスオキシメーターの使い方|ご自宅で療養される方へ/千葉県 (chiba.lg.jp)