[617](投稿)五月雨

f:id:new-corona-kiki:20210820063521j:plain
真夏の長雨
08/17 05:00
[PR]
「五月雨(さみだれ)の空吹き落せ大井川」。最後の旅に出た松尾芭蕉が島田の宿で川止めにあった時の句は、幽玄閑寂を尊ぶ句風の中でひときわ異彩を放つ。豪快な呼び掛けは、長雨に疲れた人々の陰鬱(いんうつ)な気分も吹き飛ばす勢いがある▼五月雨とは陰暦5月に降る雨のこと。梅雨の時期の季語だ。長雨といえば、秋雨や春の菜種梅雨もあるが、真夏の8月にはなじみがない▼気象庁などによると、太平洋高気圧の張り出しが弱まったため、オホーツク海高気圧との境目で前線が停滞。南から湿った空気が次々と流れ込み、九州から東日本にかけての広い範囲で大雨をもたらしているという▼各地では河川氾濫や土砂崩れが発生し、死傷者や行方不明者が相次いだ。積乱雲が次々と発生し同じ場所で大雨を降らす線状降水帯も各地で確認されており、被害を大きくしたようだ。一刻も早い救出と復旧を願わずにはいられない▼季節外れの秋雨前線も人類が環境に与えた影響と無縁ではなかろう。欧州では記録的熱波による大規模な森林火災や大雨の洪水被害が広がった。さまざまな要因による気候変動が都市化や開発で脆弱(ぜいじゃく)となった暮らしを直撃している▼「五月雨をあつめて早し最上川」。大井川の句と並んで知られる芭蕉の発句の初案は、「早し」ではなく「涼し」だった。後に増水した濁流を船で下った経験が改訂させたという。強大な自然への畏怖(いふ)である。2021・8・17(北海道新聞『卓上四季』デジタルより)

◆◆◆ 織田秀長のコメント
 
 「五月雨(さみだれ)の空吹き落せ大井川」や「五月雨をあつめて早し最上川」の句を叫んで災害をもたらしている長雨を吹き落としたいと誰もが願う長期の「暴れ長雨」が続いています。歴史的にも河川で言えば「三大河」といわれた関東を流れる利根川は坂東太郎(ばんどうたろう)と呼ばれ、九州では筑後川筑紫次郎(つくしじろう)、四国では吉野川四国三郎(しこくさぶろう)と呼ばれていて、日本の「三大暴れ川」を指す「名数(めいすう)」でした。(ちなみに日本三大河川は、長さ、流域面積で長くて広い信濃川利根川石狩川です)。

 この筑紫次郎筑後川だけでなく、2日間で1メートル近い降雨に見舞われた地域も多く、広大な地域が洪水の被害に遭いました。

 かつてない降雨量と洪水のひどさとその面積は何によってもたらされているのでしょうか?

 人を含めた自然界の荒廃をもたらしているのが「人間」であると養老さんは書いています。

 人を人とも思わず大量殺戮をしてきた人間、鬱蒼たるジャングルや森林を伐採し、地表や山肌をむき出しにしてきて大量の降雨によって土砂災害や水害をもたらしているのは、ほかならぬ「人間」です。

 後先を考えずに、森林伐採し、住めないような崖に近い場所を「更地(さらち)」にし、土砂が流れ込み家をつぶしていくような土地に家を建て安く売りだしたり、儲けるために水田や畑をむやみに拡張したりして、水没させ収穫でき無くしたりしています。高さやスピードを競って・コンクリートで天まで届くようなビル建設を競い、アスファルトとコンクリートで高速道路を作って、遠くまで早く人間と荷物を運ぶことを可能にしながら、その結果、アスファルトやコンクリートなどに暑熱がこもり、熱を蓄積したり、熱を反射したりして最高気温を毎年更新させていると思います。

 このように金銭を人の懐から自分の懐に流れ込ませるというような「無茶苦茶な」ことを平気でやってきた結果が、都市化した場所の「高温多湿化」であり、「自然災害」という名の「人災」だと思います。

 世界を見てもかつては森林に覆われていたカリフォルニアも人が森林を壊し、トラクターなど機械器具を使って農業をした結果、砂漠化しています。地下水として何万年も何千年も地下深く眠っていた山脈から地下を潜ってたどり着き、地下深く眠っていた「化石水」も枯れるようになって久しく、空気や地表が乾燥し、山の森林火災もたびたび起こるようにもなっています。今はカリフォルニアに止まらず、全世界で乾燥地が増え、作物が取れなくなってきています。これすべて人間の仕業です。

 このようなことを続けていいのでしょうか?私は環境保護原理主義者ではありませんが、資本主義社会の活動の結果と「自然災害」という名の「人災」を、政治・経済学的にも、国家論的にも自然科学的にも深くさらに深く掘り下げていく必要があると思います。

 地球温暖化炭酸ガスだけの問題でしょうか?菅政権は原発の推進と利用とともに、炭酸ガスを減少させると言っていますが、原発の再稼働のために言う「脱炭素社会」ではないでしょうか?一時言われた「フロンガス説」はどこに行ってしまったのでしょうか?
 水素で走る車を推奨したりエネルギーにしたりするように経済活動を推進している会社もありますが、その水素電池からは「トリチウム」という放射能を帯びた水素も排出され、燃えて水になってもトリチウム放射能は消えません。半減期は12~3年といわれていますが、海洋や河川を汚染したり、水道水となって私たちの口などから体の細胞に入り、放射能内部被曝を引き起こします。内部被曝は癌だけでなく、心臓血管系、消化器系等々どこにでも広がって病をもたらしています。とりわけ若年層の細胞に癌などのダメージを生じさせます。

 再度、災害を忘れずに、広い視野でこの世の中の政治経済活動を新たな視点から見つめ直しませんか!!単なる「自然災害・自然現象」は松尾芭蕉さんに任せて、今日の「人災である昨今の災害」の再検討をして見ませんか!!コロナの感染拡大も単なる自然災害ではなく、政治・経済政策との結びつきが大きいと私は思っています。このままでは、災害はこれからも止めどなく再生産されていくと思います。

 皆様はどのようにお考えになりますでしょうか?