[634](投稿)匙を投げる

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さじを投げる
09/04 05:00
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漢方医が治療法のない病人を見放し、薬をすくう匙(さじ)を投げ出す。それが「さじを投げる」の語源だ。辞典に江戸時代の川柳が例示されている。<田舎医者匕(さじ)を投げては馬で逃げ>▼20年前にアフガニスタンを軍事攻撃し、民主化を目指してきた米国がついにさじを投げた。イスラム主義組織掃討に万策が尽き、馬ならぬ航空機で逃げた。「ミッションは大成功」と自賛する大統領に、残された人々は失望しただろう▼遠い国のことと軽視できない。助けを待つ人は日本にもいるからだ。新型コロナに感染しても入院できずに自宅療養する人が全国にあふれている。若者は接種を求めて街頭に行列を成し、夏休み明けの学校で生徒に感染が広がる▼わが国の首相から「必ず助ける」との発信はない。代わりに没頭していたのは権力闘争である。自民党幹部の交代を決めたり、総裁選先送りを画策したり。コロナの重症化にあえぐ患者ではなく、自分の「延命」のために四苦八苦する姿があった▼そしてとうとう政権運営に行き詰まり、さじを投げた。自民党総裁選に出馬せず退陣するという。「コロナ対策に専念したい」との言い分は空白続きだった今週を思うと鼻白む▼これでは「戦場」と化した現場で、さじを投げず治療にあたる医療関係者が浮かばれぬ。国民の命と健康を守るのが政治の仕事だ。首相の跡目争いに血道を上げている場合ではない。2021・9・4(北海道新聞「卓上四季」デジタルより)

※※※ 上杉真剣のコメント:◆「匙(さじ)を投げる」ということが、バイデン大統領が率いる米国で生じました。同時に米国に仕えていたアフガンの地元民も見捨てました。日本政府も同じく、遅すぎる退却行動でバイデンと同じく現地の人を見捨てました
(後から救助すると言っていますが『わが国の首相から「必ず助ける」との発信はない』とコラムには書かれています)。それに上乗せして、今回は菅首相がコロナ対策の失政で「コロナ対策の失策・とりわけ『自宅療養』という非情な愚策と不人気」で、支持率を下げ、同じく「匙(さじ)を投げ」首相の座を放棄しました。口では「コロナ対策に専念する」と言いながら。◆コラムニストは「代わりに没頭していたのは権力闘争である。自民党幹部の交代を決めたり、総裁選先送りを画策したり。コロナの重症化にあえぐ患者ではなく、自分の『延命』のために四苦八苦する姿があった」と鋭く切り込んでいます。最後にコラムニストは「これでは『戦場』と化した現場で、さじを投げず治療にあたる医療関係者が浮かばれぬ。国民の命と健康を守るのが政治の仕事だ。首相の跡目争いに血道を上げている場合ではない」と明確に「断罪」しています。その断罪を避けるように退陣を決めた菅首相は、この1年余の間にどのような仕事を成し遂げたのでしょうか?◆皆様は、この間の紆余曲折の愚かな・「焼野原」だけが残ったコロナ対策に対して、また全人民が経済的苦難にあえぎ、同時に死亡者が激増した菅・自民党政府のコロナ対策=棄民政策をどのようにお考えになりますでしょうか!?