[672](投稿)問題が多すぎる核ごみ処分場調査

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核ごみ処分場調査 
問題が多すぎ賛成できぬ
09/20 08:05 更新(北海道新聞デジタルより)

 後志管内寿都町神恵内村が、高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定に向けた文献調査に応じる意向を示してから、来月で1年を迎える。
 片岡春雄寿都町長は「肌感覚」で賛成を得られているとし、ほぼ独断に近い形で調査を受け入れた。今年始まった原子力発電環境整備機構(NUMO)による両町村での「対話の場」は参加者を限定し非公開だ。多様な声を反映した透明性の高い議論からは程遠い。
 調査が進展すれば風評被害などの広範な影響が懸念される。鈴木直道知事は反対の意向を示し、周辺自治体や1次産業などの団体からも反対が相次いだ。しかしこれらの声は顧みられなかった。歯止めのないまま調査の既成事実化が進む。現行の選定手続きは民意を軽視している。
 核のごみは無害化まで約10万年かかる。地震や火山活動が活発な日本で、地層処分で長期間安全を保てる確証は得られていない。調査は北海道の遠い未来にまで重大な禍根を残しかねない。にもかかわらず、途中で離脱する手続きすら定まっていない。
 多くの問題を置き去りにした文献調査には賛成できない。国は調査を白紙に戻した上で、処分方法や選定手続きを抜本的に再検討するべきだ。
交付金依存は危うい 
 国内で原発が稼働し、核のごみが蓄積されてきたのは事実だ。片岡町長は応募時に、処分場の論議に「一石を投じたい」と述べた。だが両町村に続いて応募する自治体は皆無である。このままでは科学的な適否や地域の幅広い合意とは無関係なまま、両町村を対象に処分場選定が進みかねない。
 約2年の文献調査に応じると計20億円、第2段階の概要調査は70億円が国から自治体に交付されるが、安定収入になる保証はない。いったん交付金依存の財政運営を始めると「次」のカネが欲しくなり、ずるずると処分場設置へ進む。多くの原発立地自治体が陥ってきたのと似た構図になる―。それは杞憂(きゆう)にすぎないと誰が言えようか。
 寿都では概要調査へと移行する際には住民投票を行うと条例で定め、高橋昌幸神恵内村長も住民投票を実施すると述べている。しかし仮に住民投票で反対が上回っても、国は自治体財政の弱みにつけ込み、執拗(しつよう)に調査継続を迫ってくる可能性があろう。目先の利益にとらわれたまちづくりは危うい。鈴木知事が当初「札束で頬をたたく」と批判したように、国はカネで地域をからめ捕るような手法をやめるべきだ。地域の資源を生かし、次世代が希望を持てるまちづくりに自治体は知恵を絞る。国は自立可能な税財政の仕組みを整える。それがあるべき姿ではないか。
■選定手続き再整備を 
 知事は調査反対の理由として、核のごみを「受け入れ難い」とする道の核抜き条例を挙げた。この条例は2000年に宗谷管内幌延町への深地層研究センター設置受け入れを当時の堀達也知事が表明した際、最終処分場にさせない歯止めとして制定された。道議会の意思の重みは今もいささかも変わらず、それをないがしろにすることは認められない。堀氏の前任の横路孝弘元知事は幌延放射性廃棄物を持ち込む貯蔵工学センター計画に反対した。地域の針路を左右する国の政策に知事の意向が反映されるべきなのは当然だ。
 だが、国が00年に制定した特定放射性廃棄物に関する最終処分法は、文献調査を知事の同意抜きで行えるようにした。概要調査以降は知事にも意見を聞くと定めたが、反対されても撤退すると明示していない。欠陥法だと言わざるを得ず、問題の根本がここにある。国会は地域の意思が確実に担保される新たな法整備を行う必要がある。
■研究と議論を尽くせ
 核のごみは使用済み核燃料からウランとプルトニウムを抽出し、残りの廃液をガラス固化体に封じ込めたものだ。製造直後は人が近づくと20秒で死亡するという。地震などで処分場が破壊されると、放射性物質が地下水を通じて自然環境に致命的な悪影響を及ぼす恐れも否定できない。プルトニウムを再利用する核燃サイクル政策は事実上破綻している。自民党総裁選でも争点の一つだ。核のごみ問題を根本から考え直す時期を迎えていると言える。日本学術会議地層処分について「現時点の科学的知見の限界」を指摘し、核のごみを暫定保管した上で、処分方法を再検討するよう求めている。提言を受け止め、科学的に安全が確立されたと国民が納得するまで研究と議論を尽くすべきだ。


◆◆◆ 真田正幸のコメント
 まさに北海道新聞に書かれているように核のごみ処分場の調査は「問題が多すぎ」て「賛成できない」どころか、反対すべきです。今年始まった原子力発電環境整備機構(NUMO)による両町村での「対話の場」は参加者を限定し非公開でした。核のごみは製造直後は人が近づくと20秒で死亡するというしろものです。だれがこのようなものに近づくことができるというのでしょうか?福島第一原発の解体は全く進んでいません。汚染水は溜まる一方です。電気通信で操作するロボットも光ファイバーで操縦するロボットもがれきに阻まれ、また、厳しい放射能を浴びて信号を送れなくなり操縦できなくなり、原発の現在の状態の把握もできていないのです。それでも、残った燃料棒やデブリの崩壊熱を抑えるために冷水を投入しなければならず、汚染水は増える一方です。また、残っている放射能を帯びた瓦礫(がれき)も捨て場がなければ溜まる一方です。だれも死の灰=高レベル放射性廃棄物=核のごみ(=核のうんこ)をコントロールすることはできません。大都市から限りなく遠くの過疎に埋めたり海洋投棄することだけしか、現政府は考えられない代物なのです。そのような人が近づくと20秒で死亡するようなしろものを受けろという「調査」は、実質、そこに埋めろという結果になることが容易に想像されます。あなたの裏庭に「『死の灰』」を投げてもいいですよ」と言えますか?

 ◆このような事態になる前に、多くの皆さん~~「反対」していきましょう!!