[705](寄稿)詩も小説も音楽も時代の鏡!その1

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ペンギンドクターより
その1

皆様
 秋ですね。私が昨日今日作った短歌です。

●絨毯と見まがうばかりの落葉かな秋の那須野は風も穏やか
●雲厚き那須野の朝の薄明かり落葉の絨毯こそりともせず
●いつもなら風が落葉をまとめるになぜか今年は一面の秋
●風のない落葉の秋は大仕事熊手で寄せる黄金の絨毯
●紫の果実が愛しいサワフタギ今年は実り多き秋なり
●紅葉のハゼの幼木見つけたりそっと掘りだし庭に植え替え
●長さ五寸うごめくミミズが飛び出して荒れ地の幼木移植の報い
●ベランダの落葉を下に投げ落とす北風吹けばいずれ消えゆく
●一合の熱燗喉を潤して力仕事の後の喜び
 
 那須の家の掃除に行ってきました。いつもなら落葉が風だまりの玄関前や家の庭側に山と積っているのですが、今年は風のない日が続いたのか、不思議に一面に拡がる落葉の絨毯となり、おかげで玄関前の坂の落葉は熊手で集める他はありませんでした。毎年、樋に落葉がたまり夫婦二人で掃除をしていたのですが、お互いちょっとしたことでふらつくようになり、セキスイハウスリフォームセンターの社員の警告もあり、昨年からは脚立や梯子での樋の掃除は彼らに任せることにしました。
 
 今回はまずはコロナも落ち着いているので、詩や小説などについて雑感を述べたいと思います。
 とはいっても、コロナのニュースから始めます。
 
 一週間ほど前のことです。
 80歳の家で寝たきりの男性が救急車で救急外来に搬送されてきました。到着時心肺停止があり、病院全体に「Eコール」(Emergency call)とか「コードブルー」とか放送して医師やナースを集めるのですが、集合した医師などの救命措置も空しく患者さんは亡くなりました。ところが、後刻その男性は新型コロナウイルス陽性と判明しました。感染経路は不明です。そのためその場に参集した5人の医師とナースなどが約10日程度の自宅待機となってしまったのです。おかげで医療従事者の不足、特に医師5人の診療体制の組み直しはしわ寄せが大きいようです。院長は「ようやく最近は黒字化して暮れのボーナスも通常通り出せるのに、この期に及んで困ったものだ」と愚痴っていたようです。
 全国的にCOVID‐19は激減していますが、実際の感染が減っているのか、高齢者ワクチン接種で表に出なくなっているのか、いろいろ解釈は難しいと思います。我々高齢者は常に要注意でしょう。予断は許されません。

 ちょっとコロナとは逸れます。Y病院は、「地域医療支援病院」「がん診療拠点病院」などの資格を得て診療しているのですが、20年ほど前の患者一人の月の入院収入が約3万点(30万円)ほどだったのが、最近は倍の6万点(60万円)になったと院長が喜んでいたようです。いわゆる急性期病院は入院患者一人月に50万円以上の収入があれば、一応合格と言えます。高度な医療をしている証明のようなものです。努力がそれなりに実って結構なことです。
 私は今検診で週に午前中2回仕事をしていますが、大変忙しい日々です。さらにサービスというと変ですが、検診の前と後の時間を使って上部消化管のバリウムによるレントゲン検査をすべてチェックしています。一年間で5000例以上になりますが、ダブルチェックのひとりは必ず私です。バリウムによる胃がんの発見は最近激減しました。年間一人いるかいないかです。要精査で内視鏡に回すのが10年余り以前は20%近くいたこともありますが、今は5%余りでしょう。それだけ、胃がん特に進行胃がんが減少していることになります。若い人のピロリ菌の感染が減っているので、会社勤務の人の検診のバリウム検査には、異常が少ないということです。

 もう一つ、コロナ感染のニュースです。
●一斉休校で感染抑制できず 研究者「メリットない」
 2021年11月11日(木)配信 共同通信社
 COVID‐19の最初の感染拡大を受け、政府が昨年2月に要請して全国で実施された小中高校などの一斉休校に感染拡大を抑える効果はなかったとの研究結果を学習院大や静岡大のチームが10日までに米医学誌ネイチャーメディシンに発表した。全国847自治体のデータを分析したところ、休校を実施した自治体としていない自治体で感染者数に明確な差がなかった。
 学習院大の福元健太郎教授(計量経済学)は「休校のメリットはなかった」と指摘。昨年春と現在では感染状況は異なるが、休校には学習時間の不足や健康の悪化、虐待の増加などの問題点があり「今後実施を検討する際は非常に慎重に考える必要がある」と話す。
 一斉休校は、昨年2月27日に安倍晋三首相(当時)が全国の小中高校に要請すると表明して実施されたが、効果の評価は定まっていなかった。
 分析は感染者数のデータが得られる847自治体が対象。3~6月で、休校している自治体としていない自治体の感染者数を比較した。直近の感染者数や子どもの数、病院の数などさまざまな事情が似た自治体同士を組にして、休校の有無が与える影響のみを分析できるようにした。
 その結果、休校の有無で感染者数に統計的に意味のある差はなかった。福元教授は、休校していても学童保育で体育館や図書館に子どもが入れたことや、開校していた学校でも感染対策をしていたことが理由とみている。

●末尾の転送する小嶋医学生の意見は「なるほど」と読み過ごしていたのですが、数日前朝日新聞の投書欄で彼の主張を再び見つけたので、「そこまで頑張っているなら、転送して読んでもらうことにしよう」と考えました。当然とは言え、感染者が満員電車にいれば危険です。十分な換気の必要性を感じます。
 
さて、ようやく本題です。
 私の最も好きな詩は茨木のり子根府川の海」です。以前お話したことがあります。
(編集者より。次回につづく)