[722](投稿)表現の「不自由」

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文献調査の矛盾、葛藤映像で描く 
札幌の美術家・高橋さん「10万年をせおう」 「答えのない問題 投げかける」
11/29 05:00

核のごみをテーマに映像作品を制作した高橋喜代史さん
 札幌市の美術家高橋喜代史さん(47)が、原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場をテーマにした映像作品「10万年をせおう」を制作した。最終処分場選定に向けた文献調査が進む後志管内寿都町神恵内村などの役場前で、ごみ袋を核のごみに見立て、料金を払って保管を呼び掛ける様子を撮影した。高橋さんは「美術を通じ、核のごみ問題が抱える矛盾や葛藤を社会に投げかけたい」と話している。
 「この袋を1年間、保管してください。1万円支払います」。作品では高橋さんが昨年10月、このメッセージが書かれたボードと黒いごみ袋を手に、寿都と神恵内、北海道電力泊原発がある後志管内泊村の役場前に立つ様子が描かれる。
 1万円は文献調査を実施した自治体に国が支払う交付金を表現した。役場前では開始から15~40分で職員や警察官に退去を求められ、ごみ袋を預かってくれた人は一人もいなかったという。
 昨年8月、寿都町の片岡春雄町長が文献調査への応募を検討していることが表面化し、2年間の調査で最大20億円の国の交付金が払われることを知った。多額の交付金地方自治体に迷惑施設を押しつける関係に違和感を覚え、「国と地方の権力構造を視覚化すれば、賛否とは別の議論の入り口が作れるのではないか」と思い立った。翌月から作品の制作を開始し、1年がかりで仕上げた。
 作品は約13分。制作の過程では自身も葛藤を抱えた。調査に応募したのが道外自治体だったら、作品をつくろうと思っただろうか。道外なら処分場ができてもいいとは思わないが、道内は絶対に嫌だ―。だが、今は「答えのない問題をさまざまな視点や表現で切り取り、興味のない人にも関心を持ってもらうことが美術の一つの役割だ」と思う。
 高橋さんは文字や言葉を用いた現代アートを制作しており、本郷新記念札幌彫刻賞なども受賞。「10万年をせおう」は本郷新記念札幌彫刻美術館(札幌市中央区)で来年1月16日まで展示されており、高橋さんは核のごみをテーマにした続編も制作する予定だ。(岩内江平)(北海道新聞デジタルより)

◆◆◆ ー労働者よりー  
 
 ご一読して頂きたいと思い投稿いたしました。高橋さんは「昨年8月、寿都町の片岡春雄町長が文献調査への応募を検討していることが表面化し、2年間の調査で最大20億円の国の交付金が払われることを知った。多額の交付金地方自治体に迷惑施設を押しつける関係に違和感を覚え、『国と地方の権力構造を視覚化すれば、賛否とは別の議論の入り口が作れるのではないか』と思い立った」という趣旨でこの作品を作り、役場に保管を求めましたが、役場の職員や警察官に拒否され退去を求められました。「1万円は文献調査を実施した自治体に国が支払う交付金を表現した。役場前では開始から15~40分で職員や警察官に退去を求められ、ごみ袋を預かってくれた人は一人もいなかった」ということです。
 根本的には、役場も警察権力も政府・体制側の意をくみ取る「政府や国の政策の先兵」だと思います。時に名古屋河村市長などの「芸術のなんたるかを分からない輩・政治屋」がいるということも。  
 また、安倍元首相の街頭演説にヤジを飛ばすと警察権力が連れ去り、排除し、安倍元首相を守ろうともします。戦前も戦後の今も公権力の横暴は変わっていません。
 ピカソの「ゲルニカ」などを想起してみてください。ここに挙げた高橋喜代史氏の「核をテーマにした・現代アート」とピカソゲルニカはある種の同一性を共有していると思うのです。