[737](投稿)なぜ改ざんが起きたのか

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うどんくい
12/16 05:00
 お米が切符制となった1941年のこと。ある小学校の仲の良い女性教師2人の話だ。5年を受け持つ教師の教室に1年の担任が顔を出し、乾物屋の娘である児童にメモを渡した。何か注文したかと思った教師が何げなく「うどんはあるかしら」と尋ねたが、1年の担任は「ないんだって」と答えた▼翌日、用事ができた5年の教師が1年の担任の家に立ち寄ると、乾物屋から届いたうどんの山があったそうだ。ばつの悪い思いをしたことだろう。宮本百合子の随筆「うどんくい」にあった▼物資が困窮し米が副食品となった時代である。雑誌「婦人之友」の国民食の統計調査で食べたいものの最下位に沈んだうどんを巡り、親友をあざむかなくてはならぬ世相に宮本は嘆息した▼その統計で宮本が疑問を感じたのは調査の対象だ。家族のためやりくりし自身は栄養不良になりがちな主婦が外されていた。「家庭の声も統計されて初めて全面に亙(わた)る課題の参考となる」との指摘はもっともである▼3年前、厚生労働省の毎月勤労統計でずさんな調査が発覚したが、今回はさらに悪質な改ざんである。国土交通省が建設業者から集めた受注実績の数字を無断で書き換えていた。これでは実態は反映されないし、政策立案の基礎が根底から崩れかねない▼「うどんくい」とは仕事が下手な人のこと。信頼を失ってはせっかくの喉ごしも楽しめないだろうに。
2021・12・16(北海道新聞 コラム『卓上四季』より)

★★★ 一労働者

 戦争のためそれまで主食だった米が国家の統制品になり、切符がないと手に入れにくくなり、「うどん」が「主食」となった時代のことが宮本百合子によって描かれています。その時代の「婦人之友」の国民食の統計調査で食べたいものの最下位に沈んだうどんでしたが、その統計について、宮本は家族のためやりくりし自身は栄養不良になりがちな主婦が外されていたことに疑問を感じました。「家庭の声も統計されて初めて全面に亙(わた)る課題の参考となる」との指摘はもっともであるとコラムの筆者は賛同し、かつ「国土交通省が建設業者から集めた受注実績の数字を無断で書き換えていた。これでは実態は反映されないし、政策立案の基礎が根底から崩れかねない」という危惧を述べています。

 統計が操作されると諸領域に多大の影響を与えることは、新型コロナの時代にいろいろな統計が出てきて、その解釈に惑わされる方も多いのではないかと想像します。

 これに付け加えて言うならば、さらに、なぜ「国土交通省が建設業者から集めた受注実績の数字を無断で書き換えていた」のか?という疑問が湧きます。書き換える必要性や誰に指示され書き換えたのか?これも、森友学園の土地問題と共通するお金の問題があるのではないかという疑いが湧いてきます。例えば、この書き換えによって、地価が高騰したり、工事業者の株が値上がりしたりしたのではないかと想像するのです。早くから知っていると株を先に買い込んで儲けを得ることも可能です。その昔、田中角栄が新幹線を走らせる道筋を「お友達・仲間」に教えて田んぼや荒れ地を安く買い、新幹線が走ることが分かると値が上がり、「お友達」は大儲けしたと言われています。

 角栄氏の末路はロッキード疑獄と脳血管障害の罹患でした。国土交通省の書き換え問題ではとりあえず誰が大儲けしたのか?しているのか?ということも調査対象に挙げなければなりません。赤木氏が陥れられた事件でも「書き換え」で誰が得をしたのか?だれの指示で、突然、国民の血税のお金で裁判を「中止」したのか?岸田内閣の上には誰が君臨しているのか?などを考えてもしかるべきだと思います。

 考えてみませんか!! 発端と末路をも…