[790]中国資本主義の先端 深圳 その2

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連合組合員より

中国資本主義の先端を走る深圳

 深圳のベンチャー企業ドラボットの社員が、四川省にある国有企業の工場に向かいましたが、そこで目を疑うような光景をまのあたりにしました。
 狭いラインにひしめき合う従業員。奪い合うように箱を取り、商品をかき分けて梱包、酒の量を目分量で調整しキャップは手作業でしめています。中国共産党は、いまだに生産性が低い国有企業の改革を進めようとしています。
 工場長は「国有企業は国家戦略に応えて、自動化を進めます。醸造からこん包まで、自動化の実現は国内で前例がありません」 と言います。ドラボットの鄧小白は、自分たちの技術で国有企業を一変させたいと考えています。 「なかなかスケール感のある現場でした。国有企業にとって大きな挑戦です。この変化に対応できる生産ラインを我々が提供すれば、国有企業はよりニーズに応えられます」 と鄧さんは言っていました。中国経済の足かせとなっている国有企業。その改革に、深圳のイノベーションの力が必要とされていたのです。
 
 私は、中国の企業で労働力集約型の生産工場がいまだに多いことを知って驚きました。映像ではいわゆる流れ作業が行われていました。このような工場が中国の労働力の過剰を吸収しているのです。

 中国共産党が推し進める国有企業の合理化

 製造ラインの自動化を請け負った、ベンチャー企業・ドラボットは、人の手に代わって、箱詰め作業をするロボットの開発を行いました。繊細な動作を実現するため、試行錯誤を繰り返す。ビンを固定するひもを引き上げようとすると、下の布までひっかけてしまう。 ロボットの指で布を押してから、ひもを引く動作をAIに覚えさせました。 わずか1か月の間に、自動化ラインの開発に成功。13種類のビンを1時間で300本箱詰めできるようになったといいます。
 この事態は労働者にとっては大問題です。

合理化攻撃をうける中国の労働者

 労働の生産性が大きく上がりました。国有企業資本は技術化された労働手段•ロボットを生産過程に導入し、生産過程の客体面を技術化したのです。これは合理化の典型です。国有企業の資本が生産性を高める目的は、時間あたりの生産量を増大しより多くの剰余価値を生産することです。例えば労働者が8時間働くとして、資本家が労働過程に労働手段となるロボットを導入し労働者がそれを使いこなすことができれば同一時間でより多くの生産物ができます。経済学的にいえば相対的剰余価値の生産が増大するのです。
 今後、ロボットは製造業だけでなく、幅広い分野への応用が期待されています。国有企業の改革を足がかりに、ドラボットは着実に技術を蓄積していました。 国有企業は工場自動化のために、来年、100億元、1700億円を投資する計画です。ドラボットの来年の売上げは倍増し、170億円に上る見込みだといいます。国策の波に乗り、さらなる成長を目指すドラボット鄧社長は「中国主導で、世界規模の注目度の高いプロジェクトが誕生します。海外でも普及できると自信を持っています」と自信満々です。
 国有企業の労働過程に労働手段としてロボットが導入されると、労働者は仕事の内容が変わり技術の習得に苦労しなければならず、また生産性を上げよと職制に尻を叩かれロボットの回転を速めるためにてんてこ舞いになり疲弊します。
 合理化の目的は労働力を削減することでもあるのです。ロボットの導入によって多くの労働者が解雇されたり配置転換されます。労働者はひとりで反対することはできません。団結して闘うほかありません。
 中国共産党専制支配する中国で団結し闘うのは大変なことだと思います。香港の労働者学生の闘いにたいする習近平の弾圧を連想します。しかも「工人会」という公認の労働組合はあるようですが、国策に沿った運動しかしないでしょう。

 世界へ その先に待っているのは…

 世界最大手の物流会社との共同開発が進展したドラボットはアメリカ支社も設立し、世界進出を加速させようとしていました。 鄧さん「コロナ後で、いいタイミングだ、すべてが回復している。アメリカやオーストラリアなど多くの市場に参入しよう」と檄を飛ばしています。意識も完全に資本家になっています。
つづく