2月21日プーチンはウクライナ東南部の、ロシア系住民によってすでに2014年に宣言されていた「ドネツク人民共和国」、「ルガンスク人民共和国」の独立を承認しました。プーチンはロシア国家安全保障会議のメンバー一人ひとりが独立支持の意見を述べる場面をわざわざ放映して二つの国の独立承認劇を演出しました。ロシアは直ちに両国と条約を結び「合法的」に国境を越えて派兵します。
これにたいしてアメリカのバイデンは、すでに以前からロシア軍が駐留している地域であり、新しい動きではないとして、国内の共和党の意見や世論を気にしながら損得勘定に頭を悩ませているようです。バイデンは22日にはロシアの派兵の動きを「侵攻の始まり」と規定し経済制裁を発動し首脳会談をキャンセルしました。
プーチンはすでに2014年のクリミヤ併合以降欧米国家から経済制裁を受けダメージを受けており、活路を中国との関係強化に求めています。その証として北京五輪に駆けつけました。
また、プーチンは、汚職がはびこる政府批判運動の先頭に立っていたナワリヌイさんを一昨年逮捕拘束し、その後支持グループに「テロリスト組織」というレッテルを貼り弾圧しています。強権的弾圧は支配体制の危機を意味しているのです。
私は、政治的経済的危機に立つ•転向した元スターリン主義者プーチンの政権がウクライナ侵略に踏みきったことに抗議します。そして同時に欧米日支配階級がそれぞれの資本家階級的利益を守るためにウクライナのNATO加入を支持しウクライナ戦争に介入することに反対です。ウクライナのNATO加盟はウクライナを北大西洋の軍事同盟に組み込みロシア•中国との対抗的軍事体制を強化するためになされるからです。戦争体制の担い手とされ戦争の犠牲になるのは労働者階級です。
プーチンはロシア系住民の生命を守ることを盾として侵略を正当化しています。ウクライナ軍とロシア系反政府軍との間で1500件以上の戦闘行為が起っています。おそらくプーチンはドンバスのロシア系住民に謀略的爆撃を仕掛けることまでして避難することを強いていると思われます。
以下、共同通信が伝えるドネツクの出来事です。
ウクライナ、子連れで続々避難 夜に爆発、緊迫のドンバス
2022年2月19日 21時54分 （共同通信）【ロストフナドヌー共同】
防寒具を着て色とりどりのリュックを背負った小さな子どもたちが女性らに手を引かれ、次々とバスに乗り込む。ウクライナ政府軍の攻撃が予想されるとして１８日夜に住民の集団避難が始まった同国東部ドンバス地域の親ロシア派支配地域。主要都市ではガスパイプラインなどで複数の爆発が起きるなど情勢は一気に緊迫した。
「こんな急に避難だなんて」。親ロ派「ドネツク人民共和国」の中心都市ドネツクで１８日夜、幼い子どもを抱えながらロシアへ向かう避難用のバスを待つ女性が、テレビの取材に「家を離れたくないけれど、子どもの安全が第一だから」と話し、涙をぬぐった。
プーチン大統領がウクライナ東部の「ドネツク」と「ルガンスク」の独立を承認しました。
この地方で暮らす人々は追いたてられるようにウクライナが緊迫しています。
以上、共同通信
ロシアとウクライナをはじめ世界の労働者民衆はロシア軍のウクライナ軍事侵攻反対、アメリカをはじめとしたNATOの対抗的軍事行動反対の声をあげ戦争をやめさせなければなりません。
岸田政権も右顧左眄しながら、おっとり刀でなんらかの経済介入をしようとしています。私たちは日本の地で、ロシアによるウクライナ侵略反対、NATOの介入反対、日本政府の戦争加担反対の反戦平和運動を、世界の反戦運動と連帯してつくっていきましょう。
労働組合の頑張り時です。
