[840]国際貨物列車「中欧班列」


 国際貨物列車「中欧班列」

 ウクライナ戦争が長期化する中で中国政府が、減便する国際貨物列車「中欧班列」の支援にのりだしました。「中欧班列」とは中国とロシア、欧州を結ぶ貨物列車のことです。戦争の被害を保証する戦争保険を中国の運営会社が負担することにしました。そしてまた、一部で2割の値下げの動きもでてきました。

 中欧班列の半分は中・ロ間の貨物です。中国習近平は一帯一路構想の中核としてこの貨物列車事業を位置づけており、上海、西安重慶成都など中国全土の約70都市と欧州の23ヶ国約180都市を結び、2021年は約16000本が運行されました。そのうち中ロ間は7000本近くを占め国別では最多です。中国から欧州、ロシアに送られるのはパソコンなどの電子製品、機械、自動車部品が多く、全体の8割を占めるといいます。中国に送られるのはロシアの木材と欧州の自動車部品が多いといわれています。

ロシア経済の下支え

 ウクライナ戦争前に比べて上海からロシア向けの中欧班列の貨物量は2割増えたと上海の共産党系メディアが報じています。デンマークの海運大手がロシア港湾経由の運行を控えている分、中欧班列の利用が増えているとのことです。またロシアのウクライナ侵攻後ドイツの物流大手DHLが中欧班列を避けており上海発の貨物量は4割減ったという。中欧班列は中国の各都市の民間会社です。中国の地方政府が援助して中欧班列の営業を守ろうとしているのです。ロシア経済を支えるという意図があるのは明らかです。

 地方政府は中欧班列だけではなく、地元企業にロシア企業との取引を継続するように指導・支援しています。例えば福建省泉州市は地元企業を集めてロシア企業とのビジネス継続をうながしました。輸出保険の活用や人民元による決済を進めています。そしてほかの都市にも同様の動きがはじまっています。(参照資料:日経新聞

 習近平の中国はウクライナ侵略で国際的な経済制裁をうけるプーチンのロシアを支えるために、すでに小麦輸入の全面的解禁にのりだしています。習近平の一帯一路の枢軸として位置づけられたユーラシア大陸を横断する中欧班列の協力者ロシアを支えるのは、中国の国家的課題であるといっても過言ではないでしょう。ロシアのウクライナ侵攻にたいしてNATOの東方拡大に反対する意志を明確にしたのが習近平です。NATOを構成する西側帝国主義国家との政治的経済的軍事的対抗姿勢を濃くする習近平の中国と、いまなお侵略戦争を継続するプーチンのロシアは東側ブロックの構築に命運をかけるでしょう。

両権力者に即時停戦を要求する反戦闘争を 

 東西の権力者の利害を背負わされたロシア―ウクライナ戦争の前線の兵士たちとウクライナの労働者階級、農民が日々犠牲を強いられています。ロシアの労働者民衆は弾圧に抗して反戦の闘いに立ち上っています。習近平の中国に支えられたプーチンの侵攻と、バイデンのアメリカに支えられたゼレンスキーの戦争政策によって、生活の場を奪われ生命の危機に追いこまれているウクライナの労働者民衆に訴える。即時停戦を。
 両軍兵士は銃を置いてほしい。向かう相手が違う。手をとりあって両国の権力者に立ち向かおう❗️
 私は日本の地で即時停戦を両権力者に要求する。 日本政府が戦争に加担してはだめです。

組合内でたたかう労働者より