[855](寄稿)ウクライナ関連の本の紹介

ペンギンドクターより
その2

ウクライナ関連です。
 今月の文藝春秋の新聞広告に
●「日本核武装のすすめ エマニュエル・トッド」(米国の核の傘は幻想だ)
●「核共有の議論から逃げるな 安倍晋三
という見出しが躍っていました。
 実はエマニュエル・トッド『老人支配国家 日本の危機』(文春新書、2021年11月20日第1刷発行)によると、上記の「日本核武装のすすめ」は原題「日本は核を持つべきだ」(初出『文芸春秋』2018年7月号に載ったトッドの論文)であり、ロシアによるウクライナ侵攻の現時点での安倍晋三の発言と関連しているわけではありません。トッドの主張は私も読みましたが、火事場泥棒的に登場した安倍晋三氏の発言といかにも同時の発言と並列させた見出しは文藝春秋の「どさくさ紛れに雑誌を売らん」とする意図を感じます。トッドの本は書庫に5冊あまりあります。フランスの歴史人口学者で『最後の転落』(1976年)でソ連の崩壊を予言したことで有名です。日本には彼のファンが沢山います。私もその一人かもしれません。
 また、先日名前を挙げた筑波大学人文学部教授中村悦郎氏ですが、島根県立大田高等学校卒で、確かにロシアのモスクワ大学ソ連科学アカデミーの留学経験もあるロシアの専門家です。今『ロシアを決して信じるな』(新潮新書、2021年2月20日発行)が駅ビルの書店に数十冊平積みになっていました。私が購入した時はたった一冊しかなかったのですが。でもこの本はプーチンをはじめとする政治関係というより、ロシアの国民性を語っている本で読みやすく面白い本です。
 他にも突如プーチン関連の本がどっさりと書店に平積みになっており、ちょっと遅れてくる我が市の出版界も今は東京に習えということでしょう。
 ではまた。とにかく元気を出してやるしかないと思う日々です。
つづく

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