[883]演劇公演「真理の勇気ー戸坂潤と唯物論研究会」


 5月3日の憲法集会に行って来ました。久しぶりに晴れたこの日、会場の有明防災公園に大勢の人が集まりました。
 会場入り口で「青年劇場 第127回公演 真理の勇気ー戸坂潤と唯物論研究会」の宣伝チラシを受けとりました。5月13日~22日、紀伊国屋サザンシアターで上演するそうです。
 昭和初期に「唯物論研究会」を主導した戸坂潤は、治安維持法で囚われ1945年終戦直前に獄死させられました。獄中で疥癬にかかり栄養失調によって亡くなったといわれていますが、「おけさほど唯物論はひろがらず」と悲嘆しながらも、唯物論哲学を研究しました。
 いまその戸坂潤をテーマにした劇が創られ上演されることに驚いています。まるで50年くらい前にタイムスリップしたような感覚です。
 ストーリーが紹介されているので引用します。

「1945年8月9日、戸坂潤は獄死した。戦争が終わるわずか数日前のこと。時は遡ること12年前。『野蛮で反知性的なファシズムに対し、我々はあくまでも知性を武器にして闘い抜く』と、戸坂潤は岡邦雄、三枝博音と共に唯物論研究会を立ち上げた。しかし『危険思想を広める恐れがある』と特高警察の監視が始まり、やがて集会禁止から執筆禁止に。それでも彼の楽天性は奪われることはなかった。」
 
 戦火が絶えず、暗く冷え冷えとした現代世界を根底から見つめ直すことができる哲学の復権のために、この劇の創り手と演じる人、そして観る人々にも期待します。