[884]憲法集会

 
 憲法集会には護憲各党の代表が参加しました。共産党社民党は委員長、党首が参加しましたが、立憲民主党は代理が来ました。改憲の風が強い中で立憲民主党は「論憲」と言っており、泉代表は参加せず様子を見ていると推察できます。
 共産党ASEANが構想している東アジアサミットに日本も連携して9条を生かした外交を、と発言しました。
 志位委員長はNHK「憲法記念日特集」でも、同様のことを語っているので紹介します。赤旗から抜粋します。

 志位 よく一部から「9条で平和は守れるか」という声が聞こえてきますけど、戦争を起こさないための9条を生かした外交に、知恵と力を尽くすのが政治の役割ではないかと思うんですね。

 日本共産党は、東アジアに平和をつくるための「外交ビジョン」を提案しております。私たちが注目しているのは、あらゆる紛争問題を徹底的な平和的な話し合いで解決しているASEAN東南アジア諸国連合の取り組みなんです。いまASEANは、ASEAN10カ国プラス日米中など8カ国で東アジアサミットという平和の枠組みをつくって、これを発展させて、ゆくゆくは東アジア規模での友好協力条約を展望しようという大構想を示しています。
 私は、いま日本が進むべきは「敵基地攻撃」だのそういう物騒な話ではなくて、ASEANの国ぐにとしっかり連携して、東アジアを戦争の心配のない平和な地域にするための9条を生かした平和外交だと、この努力をしっかりやるべきだと(思います)。まさに9条の出番の時を迎えていると、私は思います。

「アジアにおける平和の枠組みを考えていくことは重要」(岸田首相)
 志位氏の提案に対して、(NHKの)伊藤解説委員が「アジアの地域のなかでの安全保障の構想、これこれはどうだという提言もありましたけど、この点はどうですか」と問いかけたのに対して、岸田首相は「国際秩序の根幹が揺るがされる事態を前にして、あらためてアジアにおける安全保障や平和の枠組みを考えていくという考え方は重要だと思います」と認めました。

以上赤旗から

私の意見: 
 ASEANが東アジアサミットをつくればアメリカはそれを対中アジア戦略に位置付けるでしょう。すでに対中国の軍事的経済的包囲網づくりがクアッド(日米豪印の軍事的経済的戦略対話)という形で進められています。
 2022年ASEAN議長国カンボジアミャンマーの軍政府を擁護しています。ミャンマーの軍事クーデターと軍政に反対する運動への弾圧に正面から抗議すらできないのがASEANの現状です。アジアを戦争のない平和な地域にするためにASEANアメリカを入れた友好協力条約をつくることを期待するのはかえって危ないと思います。アメリカは対中国の東アジア軍事同盟づくりに利用するでしょう。
 岸田首相も「大東亞共栄圈」の今日的形態づくりに乗り出す好機としたいのだと思います。
 日本共産党は外交ビジョンを提示し集票したいのでしょうが、ASEANを美化していては足許をすくわれます。
 
 「9条で平和は守れるか」という声は改憲を正当化するためのかけ声です。これに対して単に外交ビジョンを対置するのは無力です。
 戦争反対の立場に立って戦争の原因を突き止めることが何より大切だと思います。