2020年5月20日にはじめたこのブログ『新型コロナ危機のなかで』が900回目になりました。読者のみなさん、寄稿、投稿をしていただいたたみなさん、ありがとうございました。これからもよろしくお願いいたします。
感染症の広がりは2年を越えてもおさまっていません。中国では強権的な「ゼロコロナ」政策にたいして学生が抗議闘争に立ち上がっています。
天津大学では26日午後7時過ぎに一千名の学生が大学に集まり当局による大学の封鎖に抗議の声をあげました。朝日新聞によれば、学生たちは外出を許されず、食事を買おうにも学内の売店は値段が高く、体調が悪くても学内の医者の態度が悪い。まともな授業もないのに期末テストだけは行われようとしていたのだといいます。SNSで「打倒形式主義、打倒官僚主義」というスローガンが流されているといいます。
また今月15日には北京大学で200人の学生が集まり、外出制限に抗議しました。
このスローガンから推測すると、大学当局は感染拡大の責任をとらされることを恐れ自己保身して行動規制だけを上から強制しているのでしょう。学生たちの動画や、書き込みはSNS上から削除されています。しかし、学生たちは弾圧されることを覚悟して立ち上がりました。コロナ危機の犠牲を学生、労働者に転嫁する大学当局、政府に抗議する闘いにエールを送ります。
ロシア沿海地方議会でプーチンの侵略反対の声
ところで、ついにロシア共産党員が地方議会でプーチンのウクライナ侵略に反対する声を上げました。AFPニュースを紹介します。
ロシア地方議員、ウクライナ侵攻の停止要求
批判浴びる
5/28(土) 2:43
【翻訳編集】 AFPBB News
【AFP=時事】ロシア極東・沿海(Primorsky)地方の議会で27日、共産党議員2人が、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領に対しウクライナへの侵攻を停止するよう求めた。同国議員が公の場で政府への反対を表明するのはまれ。
3か月にわたり続くウクライナ侵攻では多数の死傷者が出ているものの、ロシアの各政党や政府高官の大半はプーチン氏を支持している。だがこの日の沿海地方議会では、共産党のレオニード・ワシュケビッチ(Leonid Vasyukevich)議員がプーチン氏に対しウクライナ撤退を訴える声明文を読み上げ、議場は騒然となった。
その際の映像によると、ワシュケビッチ氏は「軍事作戦を停止しなければ、国内でさらに多くの孤児が生まれるだろう」と指摘。「軍事作戦中に障害者となる人々もいる。わが国に大いに貢献する可能性のある若者たちだ」とし、「ロシア軍の即時撤退を要求する」と述べた。
数人の議員やオレク・コジェミャコ(Oleg Kozhemyako)知事がワシュケビッチ氏を制止しようとした。知事は、同氏をロシア軍の評判を汚す「裏切り者」と呼び批判した。
ワシュケビッチ氏によると、声明文には4人の共産党議員が署名していたが、そのうち2人は議会でその内容に反対を表明した。議会はその後、登院していた議員の賛成多数で、声明文に賛同した同氏とゲンナジー・シュリガ(Gennady Shulga)議員から同日の発言権を剥奪することを決めた。
地元共産党トップのアナトリー・ドルガチョフ(Anatoly Dolgachev)氏は、声明文は党の承認を得ていなかったとし、「最も厳しい措置」を取ると約束した。【翻訳編集】 AFPBB News
ニュースは以上です。
二人の共産党員は勇気を出して行動したと思います。私も日本の労働運動のなかで連帯して闘いたい。闘いがロシア国内に波及することを祈ります。共産党員が党指導部の弾圧に抗して立ち上がったことは、ソ連邦自己崩壊後のロシア共産党の内部に「祖国防衛主義」に傾く指導部を批判する声が生まれてきているということを意味しています。ロシア共産党現指導部はプーチンの侵攻を支持しています。むしろスターリンの復権すら口にしています。この指導部はのりこえらなければならないと思います。