[901](投稿)放射線の内部被曝と外部被曝の質問にお答えいたします。


■ 放射線内部被曝外部被曝の質問に。お答えいたします

 放射線には原子よりも小さな粒子線と波長の短い電磁波の2種類があります。
 粒子線には、アルファ線ベータ線中性子線などがあり、電磁波にはエックス線やガンマ線があります。
 放射線には、直接的、間接的に物質を電離させる能力があり、人では細胞や遺伝子が壊れることが生じる可能性が高くなります。

アルファ線ガンマ線、エックス線・・・の違い

 放射線をだす能力のことを「放射能」といいます。放射線をだす物質を「放射性物質」といいます。放射性物質が放出するアルファ粒子の流れで、ヘリウム(He-4)の原子核です。ベータ線の7千倍以上の重さがあります。アルファ線はほかの放射線ベータ線など)に比べると物を突き抜ける力は弱く、薄い紙一枚で止まります。しかし、アルファ線が衝突した部分においては放射線としての作用が大きいです。                                         
 ベータ線アルファ線と同様に放射性物質から放出される粒子で、原子核の中から放出される電子です。アルファ線よりも非常に軽いです。アルファ線に比べて物質に及ぼす作用は小さいですが、透過力は大きく、空気中で数十センチから数メートル飛びます。

 ガンマ線(性質はX線と同じです。)は励起状態にある原子核がより安定な状態に移るとき、または粒子が消滅するときに生ずる電磁波です。放送や通信に使われる電波と同じく空間を伝わって広がっていくとともに、物質の中を通過していきます。X線も同じく電磁波です。

 放射線治療で利用しているX線は健康診断などのレントゲン撮影で利用されるX線に比べて、かなり高いエネルギーを持っています。

 中性子線も放射線ですが、これは、原子核を構成している粒子の一つである中性子原子核から出てくるもので、例えば原子炉の中でウランなどの原子核核分裂すると中性子が出てきます。


外部被ばくとは:
 放射線を受けることを「被ばく」といいます。そして、放射性物質などの放射線の発生源(線源)が、体の外にあり、体外から放射線を受けることを「外部被ばく」といいます。

 広島や長崎の「ピカドン」と呼ばれる放射能を浴びたときに外部被ばくを最初に受けることになります。

内部被ばくとは:
 呼吸や飲食によって放射性物質を体内に取り込んだり、皮膚に付着した放射性物質が傷口から体に入ったりすることによって、体の中に取り込まれた線源から放射線を受けることを「内部被ばく」といいます。内部被ばくには、主に放射性物質が食べ物と一緒に取り込まれる「経口摂取」、呼吸によって取り込まれる「吸入摂取」、皮膚から吸収される「経皮吸収」、傷口から入る「創傷侵入」という四つの経路があります。

 福島第一原発のレベル7の重大事故で飛散した放射性物質を鼻や口から肺に放射性粒子を取り込んだり、胃腸から放射性物質を体内に吸収することで、体内に取り込まれた放射性粒子から出る放射線を浴びることを内部被ばくと言います。

 チェルノブイリでは、福島第一原発と同じレベル7の最悪の事故が起こっていますが、放射性ヨウ素の測定を赤ん坊や幼児や子供たちに行いました。それも半減期が7~8日と言われる短い放射性ヨウ素の測定を38万人規模で行い、甲状腺に与える放射能の影響を調べ追跡調査もしています。その追跡調査で多くの甲状腺がんが見つかり、多くの青少年に手術を施し、首を切開して甲状腺がんを取り出す手術が行われ、その手術の痕跡を「首飾り」と呼ばれるようになったのです。
 日本で起きた福島第一原発事故での赤ん坊や幼児や子供たちに与える放射性ヨウ素の影響測定はわずか300人程度だと言われています。しかも、その後に多くの被ばくした子供たちが成長するにしたがって甲状腺の腫瘍が出たにもかかわらず、超音波診断で見つかった腫瘍はたんなる「できもの」であり、多く見つかるのは「過剰に検査し診断したせいである」と国や県や東京電力は結託して、癌(甲状腺がん)ではないと突き放しました。

 成人してから「体のだるさ」や「冷え症」や「徐脈」や女性では「月経不全」などの甲状腺機能低下を示唆する人たちが甲状腺ホルモン検査や甲状腺を超音波診断を受けました。その結果、甲状腺腫瘍を指摘され、それが癌であるのか良性の腫瘍なのかを細胞診断されて、初めて甲状腺がんと確定診断を受けた方が大勢存在することが分かりました。
 
 その人たちが今連帯して立ち上がり、裁判所に訴え出たのです。

 繰り返しになりますが、その中の一人の女性は、「県立福島医科大学付属病院で手術を受けますか」とTVのリポーターに問われると「真実を捻じ曲げた診断」を下した「(県立福島医科大学付属病院は)信用できないので受けたくありません」とはっきり発言していました。

 話を戻します。内部被曝は鼻や口や皮膚の傷口から体内に放射性物質が入り込んで放射能を近くの細胞や器官に障害を浴びせることを言い、外部被曝は体外に孫算する放射性物質から出ている放射能を人体に受けて、最悪の事態になると急性白血病や骨髄の機能不全となり出血が止まらない、皮膚が放射能によって、ひどい「火傷(やけど)」を負って、皮膚移植しても表面だけではなく深部の細胞が機能不全となっているため生着しないため、出血も輸血が追いつかないほどになる事態となり、ついには死亡する結果となる事態も発生しています。
(下記のネットからの引用文「東海村JOC臨界事故」を参照ください。これに関する詳しい経過は文庫本も出ています。原因はこの仕事に携わった職員の単なるミスではありません。原発を維持する過程には多くの危険性が必然的に伴うということです。)


参考:
東海村のJCO臨界事故で高線量の放射線被曝した同社員の大内久さん(35歳)が21日午後11時21分、入院中の東大付属病院で、放射線被曝による多臓器不全で死亡した。9月30日の事故から83日目だった。国内の原子力施設での被爆による死亡者がでたのは初めて。】
 JOCの事故は、職員たちが運んでいるときに、一瞬にして放射性燃料が臨界点を超え、原爆が爆発したかのようなきわめて強い放射線を瞬時放射し、その放射線を職員たちが浴びました。
その放射線が体を通過し、皮膚を内蔵を骨髄を侵(おか)し、皮膚や血管や内臓を襲い、また血液を作る骨髄が強烈な放射能でやられると赤血球、白血球、血小板が作りにくくなり、強い貧血を生じ、細菌などと戦う白血球の減少による感染症にさらされ、出血を止める血小板も作られず出血が止まりにくくなります。大量の輸血を続ける治療が行われましたが、職員たちは皆他界しました。(朽ちていった命:被曝治療83日間の記録 (新潮文庫

JOCの事故の参考文献:
朽ちていった命:被曝治療83日間の記録 (新潮文庫) 文庫 – 2006/9/28

では
石川木鐸