20日、自民党の茂木幹事長がインタビューで参院選後に憲法改正原案を国会に提出することを明らかにしました。
維新の会と国民民主党も改憲に前向きであり、両党の協力によって今通常国会の衆院憲法調査会は過去最多の16回開かれました。自公政権は改憲に向けた段取りを進めています。すでに改憲賛成派が衆参両院の3分の2を占めており、参院選で改憲賛成派が議席を伸ばせば改憲の動きは早められる可能性が大きいと思います。
茂木幹事長は「参院選後できるだけ早いタイミングで憲法改正原案の国会提案、発議を目指したい」と述べました。賛同する政党と共同で原案をつくりたいともいっています。自公政権は維新の会、国民民主党を取り込んで原案をつくることを目論んでいるのです。
ウクライナ戦争を奇貨として改憲勢力が勢いを増しています。中国や北朝鮮、ロシアに攻められたら守らなければならないということを理由として、憲法で禁止されている武力行使を認めるように憲法を変えるというわけなのです。
しかし、攻められたら守ると言いますが、日本政府が攻められる理由をつくるから相手のなかに攻める必要性が生じるのです。日本国家が改憲して戦争のできる国に変わったら中国は身構え、これまで以上に軍事的緊張関係が生まれます。戦争の条件をつくることになります。したがって平和憲法の否定を通じた改憲は戦争への道を掃き清めることになります。
戦争の放棄と武力の保持と行使を禁止した日本国憲法は、国家権力をしばる規範として今は日本国の民によって支えられ生きています。それは太平洋戦争の惨禍を二度と起こしてはならないという反省に裏うちされているのです。
この憲法が覊絆として生きているかぎり日本国家は戦争はできないはずなのです。他国は日本の国家権力が現行憲法に規制されて現存在しているかぎり、自国にとって危険性のある対象として軍事攻撃することは難しいのです。
国家の戦争行動をしばるのが現行憲法ですが、自民党政権は、憲法の解釈を変えて日本を軍事大国化しています。だからこそ国の覊絆としての現行憲法を変えてはいけないと思います。